さりげない変容

 

 

色鮮やかに桜が咲いて

あっという間に桜が散って

こともなげに時は過ぎ

季節も風景も

繰り返しのように見えるけれど

全ては変容の中にあって

自然界に同一のものなど存在しない

 

もし変容しないものがあるとすれば

それは

かたくなな人間の精神構造

自己に埋没した

偏狭な意識だけではないか

自己肯定と傲慢の中で

日々浸食する劣化に気づかない

欺瞞に満ちた繰り返し

 

それでも時間だけは確実に過ぎて

終焉はやってくる

 

満開の桜に人は集い

落花とともに人は散る

判で押したような情景だけれど

同じ部分や全体はひとつもなくて

全ては新たなる生に向かって変容する

 

人間も同じでありたい

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04memorandom