KIJI LISTpoint NEWS LIST
<POINT NEWS240>2017/06/15・・・(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう)
20182019


sankaku240sankaku
2017/06/15sankaku06/19
日々のニュースは数えきれないほどあります。忘れてはいけない出来事も多くあります。今この時が未来のその時につながります。


加計問題の政府説明「納得せず」73% 内閣支持率は急落44%(2017/06/19東京新聞)
共同通信社が十七、十八両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は44・9%で、前回5月から10・5ポイント急落した。不支持は43・1%で8・8ポイント上昇。学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画で、行政がゆがめられたことはないとの政府側説明に「納得できない」としたのは73・8%に上った。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法で、与党が参院法務委員会の採決を省略したことについて67・7%が「よくなかった」と批判した。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017061990070125.html

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コール氏死去 「欧州の家」は夢でなし(2017/06/19東京新聞)
ドイツ統一の先にコール元首相が見据えていたのは、欧州統合だった。時を経た今、その理想は揺らいでいるが、諦めてはならない。そもそも統一だって、夢物語と思われていたではないか。ヘルムート・コール氏が亡くなった。八十七歳。記者会見では身長一九三センチの肥満体、巨漢ぶりに圧倒されたことを思い出す。業績も、超ど級だった。旧西独首相時代、旧東独民主化運動の高まりでベルリンの壁が崩壊すると、米英仏、旧ソ連を説得し、第二次大戦後分断されていた東西ドイツを統一させた。統一宰相とたたえられた。・・・「ドイツ統一と欧州統合はメダルの表裏」がコール氏の信念だった。第二次大戦で兄を亡くし、出身地の州はフランスと国境を接していた。独仏争いの歴史を身近で知り、平和の大切さを痛感した。その欧州統合は今、行き詰まっている。英国が欧州連合(EU)からの離脱を決定し、相次ぐテロや難民受け入れなどで、国境の垣根を低くしたいとのEUの理念は脅かされ、コール氏の後継者メルケル氏は苦境に立つ。メダルの裏のもうひとつの夢は、ついえたのだろうか。・・・ 統一後四半世紀以上たった今、経済発展は全土に行き渡り、統一を後悔する声は聞かれない。過疎地もあるが、難民移住による活性化など、ピンチをチャンスに変える方策も検討されている。EUにもこの経験が生かせないか。行き詰まりは課題をあぶり出す好機でもある。官僚主義や融通のなさ、民意の反映しづらさ、加盟国拡大に伴う意思統一の難しさなどが浮かび上がっている。コール氏の交渉力と、その後の思い切った改革。ドイツ統一の知恵に学び、コール氏悲願の「欧州の家」を盤石にしたい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017061902000138.html

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松川事件を記憶遺産に(2017/06/19東京新聞)
 戦後最大の冤罪(えんざい)は松川事件であろう。一九四九年に福島県内で起きた列車転覆事故である。線路継ぎ目のボルトが緩められレール一本も外され、転覆するように仕組まれていた。機関士ら三人が死亡した。警察は当時の国鉄の大量人員整理に反対していた労働組合員による犯行だと決め付けていた。芋づる式に組合員らが逮捕された。一審では被告二十人が全員有罪、うち死刑が五人、五人が無期懲役だった。二審も有罪だったが、最高裁が二審を破棄。差し戻し審で全員が無罪となり、これが確定した。冤罪であったことが明白となったが、その背景には弁護団の活躍ばかりでなく、作家の広津和郎が「中央公論」で無罪論を書くなど、作家らの支援運動があったことがある。福島大学には松川事件の資料がある。八八年に開設した松川資料室には十万点にのぼる関係資料を収集・公開している。同大ではこれをユネスコの「世界記憶遺産」への登録を目指している。既に国内委員会に対して登録申請の手続きを済ませた。一審で死刑判決を受けた男性(93)は十年近く拘置所に入れられ男盛りの時代を奪われた。本紙に「『共謀罪』に反対だ。実行行為すらいらず、何にでも適用できる。権力の横暴に歯止めがかからなくなる」と答えていた。冤罪。人間の愚かしさも記憶として後世に伝えねばならない。 (桐山桂一)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017061902000139.html

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(考論 長谷部×杉田)マフィア化する政治(2017/06/19朝日新聞)
数の力にまかせた奇手に個人攻撃。認めず調べず謝らず――。「1強」に余裕がなくなり、過剰なまでの強硬姿勢を見せる安倍政権。森友学園と加計学園の問題では、数々の疑惑にフタをするばかり。かつてないほどすさんだ政治の現状を、長谷部恭男・早稲田大教授(憲法)と杉田敦・法政大教授(政治理論)に語り合ってもらった。浮かび上がったキーワードは「マフィア化する政治」だ。

杉田 「1強」なのに余裕がない。これが現政権の特徴です。軽々に強硬手段に訴える。圧倒的な議席数を有しているのだから、国会会期を延長して、見かけだけでも整えればいいし、都合の悪い文書が出てきても「怪文書」などとせず、調査中と言えばいいのに、恫喝(どうかつ)的な態度をとる。森友学園や加計学園をめぐる疑惑と重ね合わせて考えると、政治のあり方が、一種マフィア的になっているのでは。身内や仲間内でかばい合い、外部には恫喝的に対応する。米国やロシアの政治も同様です。

長谷部 公が私によって占拠されている。濃密な人間関係で強く結ばれた集団が、官僚機構や一部マスコミも縄張りにおさめ、社会一般に対して説明責任を果たそうともしないで権力を行使するとき、公権力は私物化され、個人間の私的な絆をテコに政治が行われる。社会全体にとって何が利益かを丁寧に説明し、納得を得ることで権力は民主的な正当性を獲得しますが、現政権はそんなものは必要ない、反対するやつは切り捨てればいいと。まさにむき出しのマフィア政治です。・・・長谷部 自分の頭でものを考えるか、為政者の言う通りにしておけば間違いないと考えるか。そのせめぎ合いがいま起きているのではないか。右か左かではない。自分で考えて自分で判断をする人は、右であれ左であれ、共謀罪は危ないと思うでしょうし、マフィア政治は良くないと考えるでしょう。日本国憲法の理念は「どう生きるかは自分で判断する」。安倍政権はその理念を壊したいと思っている。自分でものを考える人間は、マフィアにとっては面倒なだけですから。

杉田 現憲法の「個人」を「人」に変えた自民党憲法改正草案はその意図を如実に示しています。ただ安倍首相は草案を勝手に棚上げし、9条に自衛隊の存在を明記する加憲を主張し始めた。自衛隊を憲法に明確に位置づけるだけで、現状は何も変えないと。

長谷部 首相はそう言い張っていますが、自衛隊の現状をそのまま条文の形に表すのは至難の業というか、ほぼ無理です。そもそも憲法改正は現状を変えるためにやるものでしょう。現状維持ならどう憲法に書こうがただの無駄です。日本の安全保障が高まることは1ミリもない。自衛官の自信と誇りのためというセンチメンタルな情緒論しかよりどころはありません。そう言うといかにも自衛官を尊重しているように聞こえますが、実際には、憲法改正という首相の個人的な野望を実現するためのただの道具として自衛官の尊厳を使っている。自衛官の尊厳がコケにされていると思います。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12994326.html

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「安倍主導」の改憲論議のいかがわしさ(2017/06/19朝日新聞)
信じられない「与野党でオープン」な議論。こんども欲しいのは結果だけ5月3日、読売新聞の単独インタビューに答え、「憲法改正 20年施行目標」を打ち上げた安倍首相。このところ、政府の意向に極めて従順な読売新聞は、インタビュー掲載に合わせ、あたかも塾講師のように「首相インタビューのポイント」と題した4項目の箇条書きを提示し、その最初の項目に「憲法改正を実現し、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年の施行を目指す」と記した。

一体なぜ、憲法改正が東京五輪開催と絡んでくるのか。安倍首相が五輪にあわせて憲法を改正したいとする理由はどこにあるのか。該当部分を読売新聞のインタビューから抜粋してみる。・・・この日の読売の社説は「2020年」を何度か使い、そのタイトルには「自公維で3年後の改正目指せ 『本丸』に着手するなら戦略的に」と、どこまでも従順且つアドバイスまで差し上げている。国会で憲法改正についての考えを表明したことを問われた安倍首相は、「読売新聞を熟読して」と答えたが、まったく蜜月である。かつての読売新聞社会部記者で、当時の社主・正力松太郎の意向に準じた記事作りを強いられることに嫌気がさして読売を辞したノンフィクション作家・本田靖春は、遺作『我、拗ね者として生涯を閉ず』のなかで「記者はおのれを権力と対置させなければならない。これは鉄則である。権力の側に身をすり寄せていけば、そうでなくとも弱い立場の人びとは、なおのこと隅っこに追いやられるのである」と書いている。

まさに今、政府と一部メディアは、対置どころか結託し、「2020年」というスポーツの祭典を乱用して、あらゆる政治案件を思うがままに動かそうとしている。・・・インタビューで明らかにされた憲法改正の特筆すべき点は、9条について、1項・2項をそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加えるという案。・・・なるほどそうですか、と頷くわけにもいかない。自民党改憲草案では、現行憲法第9条1項にある「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」の文末を、「〜国際紛争を解決する手段としては用いない」とし、わざわざ「永久にこれを放棄」を切り取った。さらには「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を定めた2項を丸ごと削除し、新たに「国防軍」の項目を設け、「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」と記していた。・・・

インタビューで安倍首相は、これまでの自民党改憲草案はひとまず置いといて、野党も交えて積極的な議論をしましょう、との提言をした。だが思い出してみれば、たった半年前、年始の施政方針演説で安倍首相は「意見の違いはあっても、真摯かつ建設的な議論をたたかわせ、結果を出していこうではありませんか」と語っている。通常国会が終わった今、この言葉を思い返したい。「真摯かつ建設的な議論をたたかわせ、結果を出していこう」は露ほども果たされていない。真摯かつ建設的な議論をたたかわせる気など皆無だった。結果だけが欲しかった。だからこそ憲法改正について「全くオープン」とされても、信じることなどできない。次もまた、結果だけを欲していると勘繰るのが自然ではないか。

卒倒しそうな官房長官の「怪文書」発言

今一度、振り返りたい。加計学園の獣医学部新設問題で、朝日新聞がスクープした文書について、菅義偉官房長官は先月17日の時点で「怪文書みたいな文書」と牽制していた。その2日後に発表された文科省の調査結果である「文書の存在は確認できなかった」と抱き合わせ、あたかも朝日新聞が捏造したかのようなムードすら作り出した。ところが、甘すぎる調査に対して世間の反発が集中すると、文科省が再調査を実施、たちまち該当する文書が出てきた。文書を根こそぎ否定していた菅官房長官が何を言うのかと身構えていると、「『怪文書』という言葉が独り歩きしたのは極めて残念だ」である。卒倒する。この方々は日本語の限界に挑んでいるのだろうか。・・・

騙す手段として持ち出された「2020年」 共謀罪について、議論の途中から「(共謀罪がないと)東京五輪が開けないと言っても過言ではない」(1月23日・衆議院本会議)という見解を投げ始めたが、この後出しジャンケンに気づかれなかったことを成功体験とした政府は、騙す手段として「2020年」をしきりに持ち出すようになった。現行法で組織的テロが放置されているかといえば無論そんなことはないし、改正組織犯罪処罰法とあるように、この共謀罪が組織的犯罪のための法整備である以上、単独犯による、いわゆるローンウルフ型のテロには対応すらできない。でも、「2020年」「テロ」という称号を適当に掛け合わせれば、国民の大半が納得するのではないかと提示し続けたわけだ。

「共謀罪がないと五輪が開けない」という無茶なウソは、共謀罪に賛成する人の主たる理由となるほどに浸透していった。「2020年」の連呼による印象操作は、これからますますあらゆる場所に広がっていくだろう。「2020年」と聞いた途端に、疑う思考が瞬間的に止まってしまう。そうか、そういうもんなのか、そうだよな、と理解してしまう。・・・今回の通常国会は「怪文書」「テロ等」「2020年」など、いくつかの印象操作ワードによって、いくつもの事案がうやむやにされたまま閉じられた。言葉の改竄と操作で世論を管轄しようする人達が、今度は「2020年」を携えて憲法改正を急ごうとしている。

 これ以上騙されてはいけない。

http://webronza.asahi.com/politics/articles/2017061800001.html?iref=wrp_top_theme1
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2017061800001.html?iref=com_rnavi_chumo_n

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(声)語りつぐ戦争 敗残、死と隣り合わせの1年(2017/06/19朝日新聞)無職 前場喜六(神奈川県 90)

 「日本軍は必ず反撃する。その日まで生き延びよ」。師団参謀の言葉を聞いたのはいつのことか。海軍軍属としてグアムにいた。1944年7月、総攻撃の命で行軍を始めたが、激しい爆撃で敵陣にもたどりつけなかった。再集結の途上、集中砲火を浴びて部隊は四散。敗残の身となった。必要なのは水と食料。スコールでぬれた葉をなめ、甘い汁が出る草の根をかじった。トカゲやネズミを見つけては生のまま食べた。島民の家の前に天水をためたドラム缶を見た時は、駆け寄ろうとするのを戦友が止めてくれた。敵が待ち伏せているかもと。密林に隠れ日没を待っていたら、自動小銃の音がした。後で見に行くと、3人の日本兵が全身に銃弾を浴びて倒れていた。ドラム缶には穴が開き、水は残っていなかった。

 ある日、日本語が聞こえた。「日本の兵隊さん、撃ちませんから手を上げて出て来なさい」。米軍を先導する島民だ。撃たないとは信じられない。近づく足音に、自決用の手榴弾(しゅりゅうだん)の安全ピンを抜いたその時。手榴弾の爆発音と自動小銃がうなる音が響いた。誰かが見つかったか。そう感じた瞬間、私は茅原(かやはら)を駆け下り、気づくと深い溝の底にいた。銃声がやみ暗くなってから戻ると、直前まで一緒にいた2人の戦友が亡くなっていた。急に、死ぬのが怖くなった。日本軍の反撃」を心底信じていたといえばウソになる。だが、その言葉を頼りに生き延びた。終戦を知ったのは45年9月末だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12994309.html

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アイヌ語学ぶ、文化に触れる 全校23人、博物館から講師 北海道・二風谷小(2017/06/19朝日新聞)
北海道の先住民族アイヌが語り継いできた言語を、北海道平取(びらとり)町立二風谷(にぶたに)小学校(阿部秀智校長、児童数23人)が授業で学んでいる。アイヌ民族の文化が息づく地域に育ったことに誇りを持ってほしいという学校の願いが込められている。

 「イランカラプテ(こんにちは)」

 4月27日、二風谷小の体育館に全校児童が集まり、アイヌ語のあいさつから授業が始まった。講師は平取町立二風谷アイヌ文化博物館職員の関根健司さん(45)だ。この日は、体の部分や数の数え方を学んだ。「ヌカラってどういう意味か分かりますか?」と関根さんが問いかけると、児童から「目」と声が上がった。「これは何かを見るっていうことです。『ヌカラ ヤン』は見て下さい、という意味。言ってみましょう」

・・・アイヌ文化復興への機運は高まりつつある。

 20年の東京五輪・パラリンピックに合わせ、国はアイヌ民族の歴史や文化を学び伝えるナショナルセンター「民族共生象徴空間」の整備を北海道白老町で進めており、アイヌ語学習を進める一つのチャンスでもある。指導にあたる関根さんは「二風谷小の授業を一つの形にして、他の学校でも利用できるようなモデルをつくって広めていきたい」と話している。
アイヌ文化復興への機運は高まりつつある。

 
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12994315.html

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次々と砕石投下 辺野古新基地建設(2017/06/19朝日新聞)
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で19日午前、キャンプ・シュワブ内の「K9護岸」ではクレーンが砕石を次々と投下する作業が続けられた。また砕石などを積んだ工事車両約50台がゲート内に入った。新基地建設に反対する市民ら約60人がゲート前に座り込んだが、午前8時55分ごろ、資材搬入の際に機動隊に排除された。・・・ゲート前で抗議をした元県議の山内末子さん(59)は15日に成立した共謀罪に触れた上で「共謀罪の先取りをしたような動きが辺野古のゲート前で行われている」と指摘し、ゲートの道向かいでマイクを持つ人や搬入路から離れた場所で座り込む人が排除の対象になっている現状を非難した。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-517488.html

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「認めない」「調べない」「謝らない」 政府、終始「3ない」答弁(2017/06/18朝日新聞)
 通常国会が18日、閉会する。「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題や「森友学園」への国有地売却問題で疑いのまなざしを向けられ、「共謀罪」法の審議で厳しい追及を受けた政府は、「認めない」「調べない」「謝らない」答弁を連発した。会期150日間の答弁に、批判や疑問を正面から受け止めない姿が浮かぶ。・・・共謀罪法案の要件に関する根源的な問題で、変化を突かれた首相は「『そもそも』の意味は辞書で調べてみたが、『基本的に』という意味もある」と答弁。政府の説明の一貫性を主張しようとした。ところがその後、「そもそも」の意味を「基本的に」と説明する国語辞典が存在しないことが判明。・・・誤りを認めず、謝らず――。さらに、首相が大辞林を調べていなかったことも判明した。首相や妻昭恵氏の関与の有無が問われた加計学園や森友学園の問題では、行政過程の不透明さを指摘する証言が出ても、証言や証拠の真偽を調べたりしなかった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12993288.html

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(社説)安倍政権 「議論なき政治」の危機(2017/06/18朝日新聞)
通常国会がきょう閉幕する。150日間の会期を振り返って痛感するのは、民主主義の根幹である国会の議論が空洞化してしまっていることだ。その責任は、巨大与党に支えられ、「1強」を謳歌(おうか)する安倍首相の慢心にある。象徴的なのは、国会最終盤の「共謀罪」法案の採決強行だ。・・・ 

■数の力で改憲か

 海外からの指摘にも聞く耳をもたないようだ。共謀罪法案について、国連特別報告者からプライバシーや表現の自由の制約を懸念する公開書簡が届くと猛反発。首相自ら国会で「著しくバランスを欠き、客観的である専門家のふるまいとは言いがたい」と報告者個人を非難した。・・・民主主義の基本ルールをわきまえない政権が、数の力を背景に、戦後70年、日本の平和と民主主義を支えてきた憲法の改正に突き進もうとしている。いま日本政治は危機にある。この国会はそのことを鮮烈に国民に告げている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12993193.html

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(ひもとく)沖縄の経験 監視と制裁、他人事ではない 鳥山淳(2017/06/18朝日新聞)
沖縄戦から72年、沖縄の本土復帰から45年が経過した。長年にわたる不条理に満ちた経験は、一方ではいまなお継続中であると同時に、他方では月日の経過とともに生じる希薄化の渦中にある。それをどのような経験として表現し、受け継いでいくことができるのだろうか。大田昌秀・元沖縄県知事の訃報(ふほう)は、その問いに向き合うことを求めているように思える。

■尊厳を賭けた声

 4月から砕石の海中投下を開始した辺野古の新基地建設について、日本政府は「沖縄の負担軽減のため」と強弁するが、そのような美辞麗句を無効化する現実が沖縄では続いている。・・・「基地問題」という馴染(なじ)みの言葉遣いと論法が繰り返される一方で、基地によって一人ひとりの生がどう脅かされ、押し潰されてきたのかという点を直視した議論は少ない。・・・ 日常的な監視と問答無用の解雇によって強いられた「マインドコントロール」を引きずりながら、重い口を開いた人びとがいること、そしていまなお口を開こうとしない人びとがいることも、基地をめぐる精神史の重要な一面である。そして、監視と制裁によって日常が管理されようとしているこの国において、その経験はもはや他人事(ひとごと)ではないはずである。 ◇とりやま・あつし 沖縄国際大学教授(沖縄現代史) 71年生まれ。著書『沖縄/基地社会の起源と相克 1945―1956』。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12993183.html

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「共謀罪」私はこう思う/首都大学東京教授・木村草太氏毎日新聞(2017年6月15日 東京朝刊毎日新聞)
正当な目的、存在しない 首都大学東京教授・木村草太氏(36)
 刑罰は多大な人権の制約を伴う。だから、保護に値する利益がなければ、刑罰を科してはならない、と憲法上は考えられている。「共謀罪」法案はそうした憲法の要請に反している、あるいは反した適用例が数多く出てくる内容だと思う。政府は法案の立法目的として、テロ対策と国際組織犯罪防止条約の締結を挙げている。だが、テロ資金の準備は既に「テロ資金提供処罰法」で処罰の対象となっている。条約もテロ対策ではなく、マフィアや暴力団による金銭的利益を目指した組織犯罪を対象としたものだ。

 現行法でも条約を締結できるとの指摘も少なくない。百歩譲って、諸外国からのクレームや問題が生じたら、その時点でそれらを解消するための立法を検討すればいい。つまり、政府の説明はうそやごまかしでしかなく、そもそも法律をつくる正当な目的は存在しない。内心の自由でも一般的な行動の自由でも、これで自由を規制するならば、違憲の疑いが強いといわれても仕方がないだろう。「監視社会への懸念」と「テロ対策の必要性」のどちらを優先するかという議論は、事の本質からずれているのではないか。安全保障関連法の時もそうだったが、「共謀罪」法案を巡る政府の説明や姿勢は極めて不誠実だ。
https://mainichi.jp/articles/20170615/ddm/041/010/103000c

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「共謀罪」「加計」「PKO日報」 疑問残しきょう国会閉会(2017/06/18東京新聞)
安倍晋三首相は「共謀罪」法について「丁寧な説明に努める」と語った。しかし、与党は参院法務委員会での採決を省略し、本会議で「中間報告」する異例の手法で成立を急いだ。採決直前の十五日朝の質疑でも、野党議員は「何をやったら逮捕されるのか、分からなくていいのか」と審議入り当初からの疑問をぶつけた。加計学園を巡っては、野党が示した関連文書を、菅義偉(すがよしひで)官房長官は「怪文書みたい」と断じ、文科省は当初、存在を否定した。前川喜平・前文科事務次官の証言や批判に押された文科省の再調査結果は十五日、内閣府の調査結果は事実上の閉会日の十六日に示された。参院予算委員会での集中審議は十六日に三時間のみ行われた。政府・与党は前川氏の証人喚問も拒んだ。陸上自衛隊が破棄したとしていた南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報は、実際には保管されていた。特別防衛監察を命じた稲田朋美防衛相は国会で「中間報告も含めて検討し、できるだけ早く結果の報告を求めたい」と約束した。ところが、事実関係をただす質問には答えず、野党は稲田氏が監察を「隠れみのにしている」と批判。稲田氏は十六日の記者会見で「今国会中の報告を目指していると言ったことはない」と釈明した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201706/CK2017061802000117.html

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週のはじめに考える 立法府の危機を憂う(2017/06/18東京新聞)
改正組織犯罪処罰法・・・この改正法は、犯罪を計画段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を含み、罪を犯した「既遂」後に処罰する日本の刑事法の原則を根底から覆す内容の重要な法律です。官憲が善良な人々の内心に踏み込んで処罰し、人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法の復活との懸念も指摘されました。審議には慎重を期して、懸念が解消されない限り、廃案にすることも国会には必要でした。しかし、印象に残ったのは安倍晋三首相の「一強」の下、政府の言い分に唯々諾々と従う、下請け機関のような国会の姿です。国会議員から首相を選ぶ議院内閣制ですから、首相の意向を与党議員がある程度、尊重するのはあり得るとしても、度が過ぎれば三権分立は骨抜きになります。国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関です。国会の決定に首相が従うことこそ、あるべき姿であり、憲法で権力を律する立憲主義なのです。・・・三権分立に反して、国会が政府の下請け機関となり、内閣提出法案をただ成立させるだけの採決マシンに堕してしまったら、立法府の危機です。国会は言論の府であることを忘れてはならない。そして、その国会に議員を送り出したのは有権者自身であることも、私たちは深く心に留めなければなりません。立法府が危機にひんしているとしたら、私たち有権者も、その責任から逃れることはできないのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017061802000125.html?ref=rank

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米ハリウッドで非核訴え 広島原爆研究員の娘(2017/06/18東京新聞)
 【ロサンゼルス共同】米ニューヨークの国連本部で「核兵器禁止条約」制定交渉が行われる中、西部ハリウッドで17日、核兵器廃絶を目指す集会が開かれ、広島の原爆傷害調査委員会(ABCC)の研究員だった父と平和運動家の母を持つジェシカ・レンショーさん(73)が「ノーモア広島、ノーモア長崎」と訴えた。レンショーさんの家族は原爆投下から6年後に広島に渡り、父アール・レイノルズさん(故人)は約4800人の被爆状況を調査。被爆者の苦しみを見て母バーバラさん(同)と平和運動に取り組み、「広島のフェニックス号」と名付けたヨットで世界を航行した。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017061801001265.html

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EU離脱で英国人のドイツ帰化が過去最高(2017/06/17ドイツニュースダイジェスト)
【フランクフルト時事】2016年にドイツ国籍を取得した英国人の数が過去最高の2865人に上ったことが、ドイツ連邦統計局が13日発表した統計で明らかになった。英国の欧州連合(EU)離脱決定がきっかけとなったことは明白で、帰化英国人の数は前年の4.6倍に膨れ上がった。一方、16年に帰化した外国人全体の数は2.9%増の11万383人となり、3年ぶりに増加した。うち最大の比率を占めるトルコの出身者は17.3%減少したが、ポーランド、ルーマニア、ギリシャ、セルビア出身者の帰化が2桁増えた。欧州外ではカメルーン、シリア、エジプト出身者の増加が目立った。 統計局によると、帰化外国人の平均年齢は33歳。女性が53.9%を占める。国籍取得前にドイツに滞在した年数は平均17年になるという。
http://www.newsdigest.de/newsde/news/news/8624-2017-06-16.html

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政府の圧力「市民にも」 人権シンポで山城さんが警告(2017/06/17東京新聞)
 【ジュネーブ=垣見洋樹】スイスのジュネーブで開催中の国連人権理事会で、日本の表現の自由に対する政府の圧力について懸念を報告したデービッド・ケイ特別報告者と、沖縄の米軍基地移設への抗議活動で長期勾留された沖縄平和運動センターの山城博治(ひろじ)議長らが十六日、国連施設で開かれたシンポジウムに参加した。・・・ケイ氏は「沖縄で基地反対運動をしている人に表現の場を与え、彼らを悪者にしないでほしい」と訴えた。東京の国会周辺で実施される大規模な抗議デモを挙げ「日本では表現の場が与えられているが、沖縄は違う」と発言。沖縄のように基地建設を巡る論争が激しい場所でも、表現の自由を与えるべきだと発言した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017061702000135.html

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ホルン魅力 足で響かせ 両腕ない独のトップ奏者、初来日(2017/06/17東京新聞)
 生まれつき両腕がなく、足でホルンを演奏するドイツ人奏者のフェリックス・クリーザーさん(26)が初来日した。障害をハンディと感じさせないトップクラスの異色奏者は「ホルンの魅力を一人でも多くの方に伝えたい」と熱く語る。(安田信博)ドイツ中部ゲッティンゲンに生まれたクリーザーさんは四歳の時、母親に突然「ホルンを吹きたい」と告げたという。息子の自主性を尊重する両親は音楽教室に連れて行ってくれた。「なぜホルンかは分かりません」と苦笑する。十七歳でハノーバー芸術大学に入学。「才能よりも大切なのは意思と努力」を信条に猛練習を重ねてきた。演奏スタイルは独特だ。重さ二キロを超えるホルンをスタンドに装着。左足をほとんど垂直に立ててかかとをスタンドに乗せ、親指、人さし指、中指のつま先で巧みにバルブを操作しながら息を吹き込んで音色を紡ぐ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017061702000248.html

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筆洗/劇作家の別役実さんの『当世悪魔の辞典』を開けば、「目」は、こう定義されている。(2017/06/17東京新聞)
<自分自身であることが最も自然に感じられる器官。危険に遭遇して我々が目をつむるのは、そうすることによって我々自身をそこから消し去ることが出来ると信じているからである>▼なるほど最近の政治の危うさを見れば、思わず目を閉じたくなる。疑問と不安が解消されないまま、「共謀罪」法案は強引に可決された。獣医学部新設をめぐる疑惑をめぐっては、政府に真相を究明しようという真剣さは見当たらぬ▼国会で疑惑を追及された首相は「野次られると答弁しにくい」と言いつつ、自分は質問者に野次を飛ばしていた。その隣で財務相が目をつむり、にやにや笑っていた。本当に目を閉じたくなる光景だ▼実のところ政府与党の皆さんは、国民に目をつむってほしいのだろう。質(ただ)すべき事は山とあるのに、早々に国会審議を終わらせた。都議選も近い。乱暴な国会運営も疑惑もすぐ忘れられるだろう…と▼面白い研究がある。英国の心理学者が、犯罪の場面を再現した映像を人々に見せ、どれだけ覚えているかを調べた。すると、ある動作をするだけで正答率が二割上がった。「目をつむる」という簡単な動作が、記憶を助けていたのだ▼政治の危うさをいっとき忘れるためでなく、しっかりと覚えておくために、目を閉じようか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017061702000138.html

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定義なき「テロ等準備罪」アフリカ研究者 白戸圭一 05(June 8, 2017朝日新聞GLOBE)
私はアフリカのテロ組織などの調査に関わってきた経験から、本気でテロを防ごうと思うのならば、通信傍受(電話盗聴やメールの監視)や「テロを起こす疑いのある人物」に対するGPSによる行動監視などに踏み切らざるを得ないと考えている(もちろん、捜査当局による権限の乱用は必ず発生するだろうから、様々な歯止めが必要である)。しかし、この改正案には疑問を感じずにはいられない。私の疑問は「テロ等準備罪」の新設を柱とする法律であるにもかかわらず、改正案の中で「テロとは何か」について定義していない点である。

 例えば、2014年12月に施行された特定秘密保護法は、国家の安全にかかわる重要情報の取扱者(政府職員)が「テロ」と無関係であることを調査する必要性に言及したうえで、「テロ」とは何かについて、第12条第2項第1号で、次のようにきちんと定義している。「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」

 私が「テロの定義」にこだわるのには理由がある。それは、テロには万人が納得できるような統一した定義が現状では存在しないため、法の運用者(日本政府)が「何がテロで、何がテロではないのか」について責任をもって定義したうえで法の執行に当たらなければ混乱が予想されるからだ。「テロ」という用語は元々、フランス革命期のジャコバン党による恐怖政治を指す言葉として使われ始めた。つまりテロとは、敵対者を粛清する国家権力による暴力のことだった。・・・

「テロ」を定義するうえで参考になるのは、既存の様々な定義の共通点だ。@日本の特定秘密保護法、A米国務省、B米国防総省───の三つの定義を並べてみると、そこには「おおむね共通していること」を見つけ出すことができる。それは、テロとは単なる「組織的な犯罪集団による暴力」ではなく、「政治的意図に基づいた暴力」という点だ。

・・・「テロ」の定義が不明確ならば、どのような属性を備えた組織や個人が「テロリスト」なのか確定することができないので、テロの未然防止に向けた監視対象者の特定もできないだろう。「テロとは何か」を定義しないまま、テロ等準備罪の新設を付け焼き刃的に盛り込んだことによって、この改正案は法律としての論理体系が破綻(はたん)してしまったように思う。「テロとは政治的意図に基づいた暴力である」と明確に定義していれば、「嫌な上司をぶん殴る計画を立てた社員たちが処罰対象になるか」といったバカバカしい議論はしなくて済むだろう。嫌な上司を殴る計画に、政治的意図などないからだ。

 政府は「テロ対策のための法案」などと強弁せずに、「監視によってより幅広く犯罪を取り締まりたいので、強い監視権限を捜査機関に与えてほしいが、それでもよいか」と正直に国民に問うしかないのではないだろうか。

 

http://globe.asahi.com/news/2017060500002.html

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使い捨て社会からの脱却を目指すスウェーデン(こちゃん / 2017年3月12日みどりの1kWh)
スウェーデンは、住民が製品の使い捨てを避けて、出来るだけ修理・修復を優先させるように、年初めから同国の消費税率を一部改正した。住民が消費の姿勢を変更することで修理職人の仕事を活性化し、同時に二酸化炭素の排出量を減らすことが目的だ。スウェーデンの消費税率は世界でも最も高く、一般税率は25%に達する。しかし、製品・サービスによっては税率が12%、6%、あるいは0%という例外もある。例外は主に住民の福祉や教養、日常生活を考慮したもので、医者に行ったり、治療機関を訪れたりする場合には消費税がかからない。医薬品の購入や 一部の公共交通機関利用の際も消費税はゼロだ。・・・今回税率が従来の25%から例外の12%に下がったのは自転車や衣料、靴の修理費などにかかる消費税、冷蔵庫や洗濯機の修理のために家庭にやってくる職人さんの労働時間にかかる消費税などだ。「物をすぐ捨て新しく買う代わりに、修理することを魅力的にしました」とペア・ボルンド消費相。消費税軽減のために政府が準備する経費は7億5000万スウェーデン・クローネ(約90億円)。「この分野の活性化が進めば、修理職人などの収入が増え、結果的に国が得る所得税も増えます」と同氏。
http://midori1kwh.de/2017/03/12/8908

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「共謀罪」矛先に懸念 警察関係者「使える武器は使う」(2017/06/17神戸新聞)
異例の手続きを経て成立し、7月11日に施行される見通しの改正組織犯罪処罰法。犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨が盛り込まれ、「強引な警察捜査を招くのではないか」との危惧は根強い。兵庫県警の捜査関係者は「拡大解釈を重ねた治安維持法の時代とは違う」としつつ、「使えるものは使う」と歓迎する。国民に疑念を残したまま、新たな“力”が捜査当局に加わった。

「逮捕後、急速に反対運動が終息していった」

 東日本大震災発生後の2012年、原発再稼働に反対するグループ約10人が、威力業務妨害などの疑いで大阪府警に逮捕された。その一人、伊丹市に住む市民運動家の男性(66)は「運動家だけでなく、(理論面を支えた)大学教員までも逮捕されたことに驚いた。萎縮効果を狙ったはずだ」と強調する。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201706/0010290137.shtml

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「加計文書」存在 知る者たちに語らせよ(2017/06/17東京新聞)
加計学園獣医学部新設を巡る「総理のご意向」などと記された文書が、文部科学省にあった事実は重い。首相官邸によるえこひいきはあったのか、なかったのか。そもそも調べる気がないのか。獣医学部の早期開設を、内閣府が文科省に働きかけたことを示す一連の文書だ。文科省は五月の調査で「確認できなかった」としていたのに、職員のパソコンを再調査したらあっさり見つかった。「怪文書」扱いし、文書の存在を証言した前川喜平前次官を攻撃した菅義偉官房長官は謝罪すべきだ。きちんと確かめもせず、不都合な事実を隠そうとしたとしか思われない。・・・事実ならば、萩生田氏を通じ、安倍晋三首相の意向が働いた構図も浮かぶ。山本幸三地方創生担当相は自らの指示だったとして記載内容を否定する。だが、不自然なのは内閣府の調査結果だ。メール作成者は文科省から出向中の職員で、伝聞の曖昧な内容を事実関係を確認しないまま発信したという。極めて重要な情報をそんなにいいかげんに扱うのか。これでは文科省と内閣府の水掛け論だ。前川氏ら意思形成過程に関わった人物の国会での証言が欠かせない。知る者たちに語らせないままでの幕引きは許されない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017061702000140.html

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<共謀罪 論戦検証>(1)市民の声 審議につれ反対急増(2017/06/17東京新聞)
 「共謀罪」法の成立には、参院法務委員会での採決を省く「中間報告」という禁じ手が使われた。心の中や一般人の処罰につながりかねないといった危険性を認めぬ答弁や異例の採決強行に多くの市民が怒りの声を上げた。市民団体が三月から始めた反対署名運動。最初の二カ月で集まったのは約六十一万筆だった。しかし、衆院法務委でキノコ採りが対象になることや金田勝年法相の答弁の不安定さが明らかになり、五月十九日に委員会採決が強行された後、約八十二万筆も増えた。審議が参院に移ると、一週間足らずで約九万筆が上乗せされ、最終的に百五十三万四千五百筆に達した。十四、十五日は急きょ成立の流れとなったが、国会周辺に数千人が抗議に駆け付け、若者らが「説明できない法律はいらない」「国民をなめるな」と叫び続けた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017061702000136.html

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コール元独首相死去 東西ドイツ統一を実現(2017/06/17東京新聞)
【ベルリン=垣見洋樹】ドイツ紙ビルトによると、冷戦期に東西に分裂していたドイツを統一へと導いた元ドイツ首相ヘルムート・コール氏が十六日朝、南西部ラインラント・プファルツ州ルートウィヒスハーフェンの自宅で死去した、と報じた。八十七歳。西ドイツ首相だった一九八九年十一月九日、東ドイツでの民主化運動の盛り上がりを受け、東西冷戦を象徴する「ベルリンの壁」が崩壊。東ドイツ指導部が混乱する中で、第二次世界大戦後にドイツを分割占領した戦勝国の米国、英国、フランス、旧ソ連との交渉に奔走し、統一を認めさせた。翌九〇年の十月三日に誕生した統一ドイツの初代首相となった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017061702000121.html

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<社説>加計「総理の意向」 「うそ」放置は許されない(2017/06/17琉球新報)
調査結果が食い違うのは、どちらかの調査に「うそ」があるからにほかならない。自浄能力のない組織に任せることはできない。あらゆる手だてを尽くし、真相を徹底解明すべきだ。安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画の記録文書を巡り、文部科学省と内閣府の調査結果が異なっている。両者の調査が不十分なことの証しである。・・・国家公務員法は「すべての職員は国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務」することを求めている。関係職員は「一部の奉仕者」であってはならないことを改めて認識すべきだ。国民に「うそ」をつき通すことは許されない。・・・ 安倍首相は「文書は確認できなかった」との文科省のずさんな先月の調査を正当化していた。自らの関与を否定する安倍首相の言葉を信じる国民が現時点で、どれだけいるだろうか。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-516445.html

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[大弦小弦]「我に奇策あるに非ず 唯正直あるのみ」…(2017/06/17沖縄タイムス)
「我に奇策あるに非(あら)ず 唯(ただ)正直あるのみ」。日本銀行を設立し、首相にも2度就いた明治時代の政治家、松方正義は正攻法が信条だった。国民の理解を得なければならない難題であればあるほど、政府の望ましい姿と言える

▼参院法務委員会の採決をすっ飛ばす「奇策」でもって「共謀罪」法成立にこぎ着けた安倍政権は、その対極にある。「中間報告」は過去にもあるが、野党議員が委員長で、採決に応じない場合がほとんど。今回のように与党が委員長のケースは異例中の異例だ・・・▼成立と軌を一にするように、加計(かけ)学園問題を巡る文部科学省の再調査結果が公表された。政府にとって都合の悪いニュースは、別の大きなニュースにぶつけ、少しでも世間の目をそらす。「奇策」の裏にそんな意図も働いていないか勘繰ってしまう。(西江昭吾)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/102694

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結果急ぐ政権、消えた熟議 政治部長・佐古浩敏(2017/06/17朝日新聞)
「意見の違いはあっても、真摯(しんし)かつ建設的な議論をたたかわせ、結果を出していこうではありませんか」。この国会の冒頭、安倍晋三首相は施政方針演説でこう呼びかけたが、私たちが見せられたのはこれとはかけ離れた議会制民主主義の破壊だった。国権の最高機関にはいま、まっとうな議論が消えゆく喪失感が垂れ込めている。

 論戦を一部省略する荒業で「共謀罪」法を成立させた参院の責任は、とりわけ重い。「良識の府」の権威は深く傷つき、存在意義が揺らいでいる。「与野党の協議の中で決める時は決める」(菅義偉官房長官)のはその通りだろう。ただ、国会審議に納得感がない背景には経過より「結果」を急ぎがちな首相の政治姿勢がある。野党の質問に正面から答えず、立法府をも主導するかのような言動も目立った。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12991609.html

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(声)「ヤンキー先生」の反骨精神は?(2017/06/17朝日新聞)主婦 広瀬尚子(福岡県 82)

 義家弘介文部科学副大臣様

 あなたは昔、「ヤンキー先生」の異名を取った方と記憶しております。でも、今回の加計(かけ)学園に関する省内の文書やメールの存在をどう思っていらっしゃるのでしょうか?前川喜平・前文科事務次官は自ら証人喚問に出てもいいと言い、現役の職員も首をかけて匿名ではありますが、その文書などは本物であると言っています。あなたは彼らの味方ではないのですか? ヤンキーとしての反骨精神はどこへ行ったのですか?13日の参院農林水産委員会で、あなたは内部告発者について国家公務員法違反(守秘義務違反)に当たる可能性を示唆しましたね。文科省は子どもたちの教育を担う官庁のはずです。そこが「都合の悪いことはあくまでもごまかせ」「うそをついてもいい」ということを子どもたちに教えていることになりませんか。立派な“道徳教育”だとお礼を言うべきなのでしょうか。今さらゾンビみたいな「教育勅語」などを持ち出さずとも、政府の皆さんがそろってよいお手本を示している。子どもたちにそう教えるべきでしょうか。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12991492.html

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(声)大田氏からの「言志四録」が支え(2017/06/17朝日新聞)無職 菅野静枝(東京都 76)

 元沖縄県知事の大田昌秀氏が亡くなられた。深い悲しみと、この国の在り方に怒りを覚え、ペンをとった。24年前、65歳の夫は死の床で戦時下の17歳の自分になっていた。東京の祖父の家で空襲に遭い、旧満州(現中国東北部)の親元に帰った際、ソ連兵の夜襲を受けたのだ。夫の一周忌から、私は全国非戦行脚に出た。沖縄に10日間滞在し、次は100日間で沖縄の全自治体を訪れた。先の大戦で唯一の戦場となった沖縄に思いをはせれば、意識は常に沖縄と共にあった。知事時代の2度目の面談で、県庁執務室に招かれた。昼食時だったが、沖縄戦と厳しい現状について語られ、私の手帳に漢詩をしたためてくださった。佐藤一斎の「言志四録」から「提一燈 行暗夜 勿憂暗夜 只頼一燈」。今も署名活動などでくじけそうな時、一燈を頼みに一歩一歩と歩みさえすればいいのだと自分に言いきかせている。大田氏が我々に託したものは多々ある。合掌した後は、頭をしかと上げ、翁長雄志知事を支えたい。辺野古は沖縄県民のみの問題ではない。我がことと思考すべきだ。7月9日は那覇市議選、その前の2日は都議選だ。各自が熟慮し、国の行く末を考えて1票を投ずるべきだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12991490.html

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(声)「共謀罪で逮捕!」のヤジ許せぬ(2017/06/17朝日新聞)アルバイト 齊藤一馬(千葉県 39)

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が成立しました。参議院では委員会の採決を省略できる「中間報告」という手法を使い、一方的に委員会審議が打ち切られました。本会議採決が強行され、与党などの賛成多数で可決しました。その参議院で、野党議員に対して、「共謀罪で逮捕するぞ!」とヤジが飛び、周囲の議員が笑い声をあげる様子が、テレビのニュース番組で放映されていました。わたしは、「共謀罪」法案の妥当性よりも、法案を採決した国会議員に対して、怒りと恐怖を感じました。国会内で国会議員が軽々しく「逮捕するぞ!」とヤジを飛ばし、笑っているのです。この方々は、わたしたちの代表者なのでしょうか。政治の世界では、最終的には国会議員を選んだ国民の責任とよく言われます。その国の政治のレベルは有権者のレベルとも言われます。ならば、国民がその責任を果たせるように、ヤジを飛ばした議員と、笑い声をあげていた議員を明らかにして欲しいです。それを、次回の選挙に国民の一人として生かしたいです。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12991491.html

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民主主義の荒廃した姿 「共謀罪」法成立 東京社会部長・長谷川玲(2017/06/16朝日新聞)
「監視社会」「密告社会」の到来を心配する市民の声を顧みずに、安倍政権は共謀罪法成立に突き進んだ。目の前に広がったのは、成熟とは正反対の、荒廃した民主主義の姿だ。共謀罪の本質は、捜査当局に「テロ対策」を口実として幅広く監視を許す点にある。罪を犯していない準備段階から処罰するためには、早くから「怪しい」と目を付けて監視する必要がある。当局の監視は潜行するのが常で、表に見えるものは少ない。市民の間に、いつのまにか政府に批判的な市民団体や労働組合に監視の網が広がるのではないかといった不安や懸念があるのは当然だろう。憲法で保障された「思想・良心の自由」を侵しかねず、共謀罪があるだけで民主社会の萎縮を招くとの指摘も根強い。だが、法成立のプロセスで政府や与党が見せた態度は、監視されたくないなら政権にとって都合のよい市民であれ、と言わんばかりだった。戦前の治安維持法の反省や相次いだ冤罪(えんざい)事件の教訓などを踏まえ、刑事司法の現場では、権力の行使と人権とのバランスが常に問われてきた。だからこそ慎重で丁寧な議論が求められたのに、与党は審議を強引に打ち切り、議論の場すら意図的に失わせた。説明を尽くして理解を求めようとする民主的な手続きの放棄には、法案に賛成の人の中にも、後味の悪さが残ったのではないか。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12989877.html

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(社説)権力の病弊 「共謀罪」市民が監視を(2017/06/16朝日新聞)
「共謀罪」法が成立した。委員会での審議・採決を飛ばして本会議でいきなり決着させるという、国会の歴史に重大な汚点を残しての制定である。捜査や刑事裁判にかかわる法案はしばしば深刻な対立を引きおこす。「治安の維持、安全の確保」という要請と、「市民の自由や権利、プライバシーの擁護」という要請とが、真っ向から衝突するからだ。

・・・ 「独善と強権」を後押ししたのが自民、公明の与党だ。

 政治家同士の議論を活発にしようという国会の合意を踏みにじり、官僚を政府参考人として委員会に出席させることを数の力で決めた。審議の中身を論じずに時間だけを数え、最後に仕掛けたのが本会議での直接採決という禁じ手だった。国民は最後まで置き去りにされた。権力の乱用が懸念される共謀罪法案が、むき出しの権力の行使によって成立したことは、この国に大きな傷を残した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12989724.html

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(声)「共謀罪」採決の夜、TVに失望(2017/06/16朝日新聞)会社員 霜野なつみ(東京都 34)

 数年前に訪れた断捨離ブームにのっかり、我が家も家の中を整理した。今では、物を買う時には本当に必要なのか、数年後も役立ってくれるか、飽きて捨てたくなったりしないか、少し逡巡(しゅんじゅん)する癖がついた。「共謀罪」法が国会で可決され、成立した。審議の様子をテレビで見ていたが、十分に与野党で議論されたとは言えない。国民の理解も得られぬまま、国民を置き去りにして成立してしまった。法律は、一家庭で断捨離する物とは違い、一人の人間の一生どころか、何代にもわたって受け継がれていくものである。それをこんなに性急に、粗雑に決めてしまってよいのだろうか。テレビを見ていても、採決されようとしているときに、相変わらず各社のんきにバラエティー番組を放送していた。政治家だけでなく、テレビの制作者側も、危機感を持たない人たちの集まりになってしまったのだろうか。日本の潮目が変わろうとしているかもしれない夜、隣で眠る我が子の寝顔をながめながら、この国の行く末を案じずにはいられなかった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12989727.html

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(声)「共謀罪」、誰のための法律なのか(2017/06/16朝日新聞)高校生 笹尾南月(大阪府 17)

 私は今、ものすごい恐怖を抱いている。「共謀罪」によって、広い範囲で怪しい人を拘束できるようになる。自分の意見をあまり言えなくなり、政府の言いなりになりかねない。そんな社会はかなり生きづらくなってしまう。そんな不安要素のある法律を、政府は「国民の安全のため」と言っている。それにしてはかなり内容が不明瞭だ。国会での議論も不十分で納得いくものではなかった。私たちが本当に気にしている「一般の方々は対象か」「監視社会となる不安」などの問題は解決しないままだ。国民のためというのなら、しっかりと話し合いをして、不安を解消してほしい。今の状態では、国民より政府や権力のある者のための法律であるように私は感じる。私たち国民の考えを制限し、都合の悪い者たちを排除することで、自分たちに都合の良い政治を勝手にすすめてしまいそうだ。日本は民主主義の国のはずだ。私たち国民が自由を奪われるのはおかしい。そんな恐ろしい世の中になってしまってはいけない。そうならないために、私は、諦めずに反対を主張していきたい。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12989728.html

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(声)「共謀罪」手中の政府、監視しよう(2017/06/16朝日新聞)無職 小野瀬良武(茨城県 73)

 「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が15日朝、参院本会議で自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決され、成立した。委員会での採決を省いた異例の採決に抗議する。安倍晋三首相は、これで市民の思想・良心の自由、表現や信教の自由に踏み込む法律上の最大の「武器」を得たことになる。私は憲法に示された自由や権利が、「共謀罪」法によって破壊されないか、恐れる。「共謀罪」法には、公益・公の秩序を優先し「多少の人権の制限、規制は必要」との認識が潜む。政府は、処罰の対象は、組織的犯罪集団と、それにかかわりのある「周辺者」としているが、捜査機関の運用に明確な歯止めはない。安倍首相は2020年と期限を切り憲法改正を目指すが、それを待たず、現行憲法の基本的人権の規定は死文化され、憲法に風穴があいてしまったのではないか。「共謀罪」法は、改憲に反対する国民の運動を黙らせ、つぶしていくことに使われるのではないか。だが、私は自由や権利が侵害される事態に決して沈黙はしない。逆に、市民は改めて政府への監視を強めねばならないと思う。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12989726.html

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「共謀罪」法が成立 「私」への侵入を恐れる(2017/06/16東京新聞)
「共謀罪」が与党の数の力で成立した。日本の刑事法の原則が覆る。まるで人の心の中を取り締まるようだ。「私」の領域への「公」の侵入を恐れる。・・・ 心の中で犯罪を考えただけでは処罰されないのは、根本的な人権である「思想・良心の自由」からもいえる。何といっても行為が必要であり、そこには罪を犯す意思が潜んでいなければならない。刑法三八条にはこう定めている。<罪を犯す意思がない行為は、罰しない>・・・そもそも日本では「既遂」が基本で「未遂」は例外。犯罪の着手前にあたる「予備」はさらに例外になる。もっと前段階の「共謀」は例外中の例外である。

◆市民活動が萎縮する

 だから「共謀罪」は刑事法の原則を変えるのだ。「共謀(計画)」と「準備行為」で逮捕できるということは、何の事件も起きていないという意味である。つまり「既遂」にあたる行為がないのだ。今までの事件のイメージはまるで変わる。金田勝年法相は「保安林でキノコを採ったらテロ組織の資金に想定される」との趣旨を述べた。キノコ採りは盗みと同時に共謀罪の準備行為となりうる。こんな共謀罪の対象犯罪は実に二百七十七もある。全国の警察が共謀罪を武器にして誰かを、どの団体かをマークして捜査をし始めると、果たしてブレーキは利くのだろうか。暴走し始めないだろうか。・・・ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン氏が共同通信と会見し、米国家安全保障局(NSA)が極秘の情報監視システムを日本側に供与していたと証言した。これは日本政府が個人のメールや通話などの大量監視を可能にする状態にあることを指摘するものだ。「共謀罪」についても「個人情報の大規模収集を公認することになる」と警鐘を鳴らした。「日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」とも。 大量監視の始まりなら、憲法の保障する通信の秘密の壁は打ち破られ、「私」の領域に「公」が侵入してくることを意味する。

◆異変は気づかぬうちに?

 そうなると、変化が起きる。プライバシーを握られた「私」は、「公」の支配を受ける関係になるのである。監視社会とは国家による国民支配の方法なのだ。おそらく国民には日常生活に異変は感じられないかもしれない。だが気付かぬうちに、個人の自由は着実に侵食されていく恐れはある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017061602000131.html

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市民監視に懸念、沖縄怒る 「共謀罪」の廃止訴え、那覇でデモ(2017/06/16琉球新報)
委員会採決を省略するという強引な手法で「共謀罪」法が15日の参院本会議で可決、成立した。沖縄県那覇市で開かれた抗議集会では、基地反対運動に対する捜査権限の乱用を懸念する声が上がった。戦前の治安維持法の再来との危機感も根強い。「良識の府」であるはずの参院の存在意義を問う声も飛び交った。捜査機関から尾行・監視された経験がある元労組幹部は「一般人にも『共謀罪』法は適用される」と危惧している。
・・・2人の子どもを連れて参加した西江はづきさん(28)=八重瀬町=は「私たちの気持ちを無視したまま成立させるのは許せない」と憤る。国策に異議を申し立てる県民の声が、「共謀罪」法によって萎縮しないかと不安を感じている。「祖父母に聞いた戦前・戦中の雰囲気に近づいているのではないか」と危惧した。市民らは集会後、国際通りを牧志公園までデモ行進した。「市民が監視される」と書かれた大きな紙を持って行進したうるま市の60代女性は、日頃から安慶名十字路で立て看板を手に行き交う車の運転手に「共謀罪」法の危険性を訴えている。「政府の説明はうそばかりで、一般の人は、『テロ防止なので良い』と思っている。抵抗を示していくのが大事だ」と話した。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-515774.html

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「政府、沖縄で人権侵害」 山城氏、国連で声明発表(2017/06/16琉球新報)
【ジュネーブ=島袋良太】沖縄県の米軍北部訓練場のヘリパッド移設工事を巡る反対運動中に逮捕され、5カ月間にわたり長期勾留されていた沖縄平和運動センターの山城博治議長が15日午後(日本時間同日深夜)、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で声明を発表した。山城氏は「私は自供と抗議運動からの離脱を迫られた。当局による明らかな人権侵害だ」と指摘した。その上で「私も沖縄県民もこのような弾圧には屈しない。日本政府が人権侵害をやめ、新しい軍事基地建設に反対する沖縄県民の意思を尊重することを求める」と強調した。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-515759.html

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<社説>「共謀罪」法成立 民主主義の破壊許さず(2017/06/16琉球新報)
数の力を借りた議会制民主主義の破壊は許されない。・・・この法律は監視社会を招き、憲法が保障する「内心の自由」を侵害する。捜査機関の権限を大幅に拡大し、表現の自由、集会・結社の自由に重大な影響を及ぼす。衆院は十分な論議もなく法案を強行採決した。「良識の府」であるはずの参院も20時間足らずの審議で同様の暴挙を繰り返したことに強く抗議する。法案の成立は認められない。もはや国民に信を問うしかない。・・・共謀罪法は日本の刑法体系を大きく転換し、犯罪を計画した疑いがあれば捜査できるようになる。政府は当初「組織的犯罪集団」のみが対象であり一般人には関係がないと強調してきた。しかし参院で「組織的犯罪集団と関わりがある周辺者が処罰されることもあり得る」と答弁した。周辺者を入れれば一般人を含めて対象は拡大する。さらに人権団体、環境団体であっても当局の判断によって捜査の対象になると言い出した。辺野古新基地建設や原発再稼働、憲法改正に反対する市民団体などが日常的に監視される可能性がある。かつてナチス・ドイツは国会で全権委任法を成立させ、当時最も民主的と言われたワイマール憲法を葬った。戦前戦中に監視社会を招いた治安維持法も、議会制民主主義の下で成立した。共謀罪法は論議すればするほどほころびが出ていた。強行採決によって幕引きしたのは「言論の府」の責任放棄である。過去の過ちを繰り返した先にある独裁政治を許してはならない。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-515734.html

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社説[「共謀罪」採決強行]極まった暴挙 信を問え(2017/06/16沖縄タイムス)
 「再考の府」参院の自殺行為に等しい。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が参院本会議で成立した。審議中だった参院法務委員会の採決を飛び越し、本会議で採決するという「禁じ手」を使った上での異例の採決強行だ。・・・「共謀罪」成立を受け安倍晋三首相は「東京五輪・パラリンピックを3年後に控えている。一日も早く国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結し、テロを未然に防ぐため国際社会としっかり連携していきたい。そのための法律が成立したと考えている」と発言した。しかし首相のこの言葉こそが、審議の未成熟さと異常さを露呈している。首相が同法成立の目的とするTOC条約は、マフィアなどの経済犯罪が対象だ。条約の「立法ガイド」を執筆した米国の大学教授ニコス・パッサス氏も「テロ対策が目的ではない」と切り捨てる。こうした条約締結とテロ対策の必要性の「すり替え」は、早くから国会内外で指摘されてきたが、政府は同法の通称を「テロ等準備罪」とするなど、見解を改めるどころか前面に打ち出した。首相は衆院代表質問で「条約を締結できなければ東京五輪を開催できないと言っても過言ではない」とも明言。だがそれが事実なら、そもそも五輪招致などできないはずで、答弁には疑問符が付く。・・・「特定秘密保護法」「安保法」など、数を盾に「違憲立法」の採決を次々と断行してきた安倍政権の強行姿勢は、ついにここまできた。行政府・内閣をチェックするはずの立法府・国会がその役割を放棄するなら、ただすのは国民しかいない。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/102693

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「共謀罪」法案、きょう成立 自公、参院委審議打ち切る 本会議で採決強行へ(2017/06/15朝日新聞)
犯罪を計画段階から処罰できるようにする「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案について、自民、公明両党は14日、参院法務委員会での審議を打ち切った。15日未明に再開する参院本会議で直接採決する「中間報告」を強行し、成立する見通し。民進など野党4党は猛反発し、安倍内閣不信任決議案を提出したが、日付をまたぐ夜通しの審議の末、与党などの反対多数で否決される。・・・数々の疑問や批判に対する説明責任に背を向け続けた末の強引な幕引きだった。熟議を通じて不安や懸念を解消するためにある委員会審議を、「中間報告」という異例の手続きで一方的に打ち切り、本会議で「共謀罪」法案の成立を図ろうとする与党の姿勢は、国会の存在意義を自ら否定するに等しい。・・・政権の狙いが疑惑封じにあることは明らかだ。安倍晋三首相の友人が理事長を務める「加計学園」の獣医学部新設問題で、首相や官邸の意向と記された文書が次々に出て、文部科学省は再調査に追い込まれた。前文科次官の証人喚問や首相出席の集中審議に応じず、国会を閉じれば批判は収まると考え、追及の場から逃げようとしている。・・・与党はこうした首相の言動をいさめるどころか、むしろ後押しした。その揚げ句、世論の賛否が相半ばする法案を「だまし討ち」(公明幹部)で成立させる。国民の疑問に向き合わず、「採決ありき」で政府の下請けに甘んじる与党に、もはや「国権の最高機関」の一員としての気概は感じられない。(国会担当キャップ・石松恒)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12988027.html

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(時時刻刻)「共謀罪」自公突進 会期内ありき、奇策を強行(2017/06/15朝日新聞)
「共謀罪」法案を強引に会期内で成立させるため、自民、公明両党が奇策を使ってまで強行路線に突き進んだ。法案の問題点や疑問点はいっこうに解消されず、加計学園問題など政府の調査結果を待つ問題も山積み。国会での追及を避けたい政権は、ひたすら幕引きを急いでいる。・・・国会で審議される多くの法案は、付託された委員会で審議し、採決される。そこで可決された後、本会議で採決するのが通例だ。中間報告はこうした手続きを省略し、委員会審議を打ち切って、いきなり本会議採決に持ち込む異例中の異例の強行策だ。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12988069.html

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(社説)国会最終盤 極まる政権の強権姿勢(2017/06/15朝日新聞)
あまりに乱暴な国会運営だ。とうてい承服できない。「共謀罪」法案について、自民党は参院法務委員会での審議を打ち切り、本会議での直接採決に向けて「中間報告」を行うことを提案した。民進など野党が激しく反発するのは当然だ。中間報告は、国民の代表である国会議員の質問権を事実上奪うものだ。憲法が定める国会への閣僚の出席・発言義務を免ずることにもなる。・・・

政権側の思惑は明らかだ。

 共謀罪法案は何としても成立させる。だが18日までの国会会期を延長する事態になれば、森友学園や加計学園の問題で野党に追及の機会を与えることになる。とにかく早く閉会したい。強引な手法をとっても、人々はやがて忘れるだろう――。・・・安倍首相は今月、ニッポン放送の番組で「不安を広げるための議論を延々としている」「あおっているに過ぎない」と野党を批判した。十分な説明ができない政府の責任を棚に上げ、反対する者を徹底的に攻撃する、いつものふるまいである。単に共謀罪法案の行方にとどまらない。「熟議」「謙譲」という言葉の対極にあるこの政権の下で、民主主義はどこへ行くのか。懸念がふくらむ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12987932.html

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(声)「共謀罪」再び日本孤立の道か(2017/06/15朝日新聞)作家 赤川次郎(東京都 69)

 日本にも多くのファンを持つウィーン・フィルハーモニー管弦楽団だが、ナチスの時代、ユダヤ系の楽団員を追放し、中には強制収容所で殺された団員もいた。この「負の歴史」が、今年広く展示され、戦後生まれのさらに後の世代の団員たちが、同じ過ちをくり返さないために過去と向き合おうとしている。ところが、日本では、すでに歴史となった過去の侵略や虐殺すら否定しようとする人々がいる。軍国主義の精神そのものだった「教育勅語」さえ評価するとは、もはや海外との歴史認識の差のレベルではない。その人々が今手にしようとしている最悪の武器が、戦前の治安維持法に重なる「共謀罪」法である。これがなければ五輪が開けない? ならば五輪を中止すればよい。たったひと月ほどの「運動会」のために、国の行方を危うくする法律を作るとは愚かの極みだ。五輪は終わっても法律は残るのだ。法案に賛成の議員は、自分が後の世代に災いをもたらそうとしていることを自覚しているのか。目先の目的のため憲法を投げ捨てて恥じない安倍政治は、日本を再び世界から孤立させるだろう。安倍さん、あなたが「改憲」を口にするのは100年早い。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12987929.html

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(問う「共謀罪」)国会、どう見る 識者らに聞く(2017/06/15朝日新聞)
■加計問題に「ふた」 ジャーナリスト・田原総一朗さん(83)
なぜ、採決を強行しようとするのか。政府は加計学園の獣医学部新設問題に対し、国民の厳しい視線が寄せられ始めたのを感じたのだろう。近く告示される都議選への影響を懸念し、これ以上深掘りされないよう、国会にふたをした、ということではないか。審議で気になったのが、野党の追及の矛先が法相の発言ぶりに集中し、法案の危険性をあぶり出す本質的なやりとりに欠けたことだ。法相の人選から、今日までの経緯までがすべて安倍首相の考えたシナリオ通りだとしたら、残念でならない。


■国会死にかけてる 宇宙物理学者・池内了さん(72)
賛成した議員は法案成立後の世界を想像しているのだろうか。自由を制限するこの法律で密告社会に近づいていく。気づいたときに後悔しても遅い。「戦前と今の世の中とは違う」という人は想像力が足りないのではないか。加計学園をめぐる文書の問題を見ていても、日本は事実を軽視する「ポスト・トゥルース」の国になったと思う。



■プライバシー危機 弁護士・亀石倫子さん(42)

法案を通せば監視社会になるという声があり、テロ対策に関係ない罪名も入っているという指摘があった。国連の特別報告者まで懸念を示した。政府の説明は不十分だという世論が多いなかで、踏むべき手続きすらすっ飛ばすなんて、本当に民主国家なのかと疑いたくなる。・・・監視の対象にならないように国民が「気をつけて」しまう、政府が理想とする「やりやすい」社会に近づいている。私はそんな社会に暮らしたくない。愛する自由な社会のために、自分の頭で考え、声に出し、動くことをやめない。


■尋常じゃない進め方 ジャーナリスト・青木理さん(50)
277もの犯罪を計画段階から取り締まる「共謀罪」は、日本の刑事司法の転換点になる。これだけ重要な法案なのに、法務委員会の議論を打ち切るという異例の手続きで成立させるのは信じがたい。森友問題、加計問題と、最近の政権の物事の進め方はちょっと尋常じゃない。あるものを「無い」と言ったり、都合の悪い書類を「怪文書」扱いしたり、国会で改憲案について問われると「読売新聞を熟読して」と言ったり。異論や反論、疑問を数の力で押し切るやり方が目に余るが、今回はその究極形だ。


 ■数の力による暴挙 作家・落合恵子さん(72)
 数の力による暴挙でしかない。政府は「丁寧に説明する」と言いながら、責任を果たしていない。「中間報告」でいきなり採決を図ろうとするのは国民をないがしろにしたやり方だ。国会を延長すれば、森友学園や加計学園の問題でも追及が続く。できるだけ早く採決に持ち込みたいと考えたのだろう。民主主義が崖っぷちに立たされたこの状況を、与党議員も受け止めるべきだ。十数年前、共謀罪法案が議論されたときも反対した。今まさに成立しようとしているのに、反対の声が伝わりにくくなっている。「自分には関係ない」と思っている人が多い。だから、政権も採決を強行できるのだろう。特定秘密保護法、安全保障法制なども数の力によって成立した。では、誰がその力を与えたのか。私たちはその問いに、向きあっていかなければならない。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12988057.html

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「共謀罪」法案 成立強行は疑惑隠しか(2017/06/15東京新聞)
 なぜ、それほど成立を急ぐのか。衆院での採決強行に続き、参院では委員会の採決自体を省略する横暴ぶりだ。議論が尽くされたとは言い難く、疑惑隠しのために幕引きを急いだとしか思えない。・・・国会では学校法人「加計学園」の獣医学部新設に、安倍晋三首相の意向が働いていたか否かをめぐり、野党側が追及を強めている。内閣府が「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」と働き掛けたとされる文書が明らかになり、文部科学省は再調査を余儀なくされた。短期間でも国会を延長すれば、野党に疑惑追及の機会を与える。強行してでも早めに同法案を成立させて国会を閉じ、野党の追及機会を封じた方が得策と、与党側が考えても不思議ではない。しかし、それは疑惑隠し以外の何ものでもない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017061502000173.html

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核物質の飛散 安全文化が育たない(2017/06/15東京新聞)
防がねばならない事故が起きた。実態が分かるほどあきれる。日本原子力研究開発機構(原子力機構)のプルトニウム飛散事故だ。その程度の安全認識で、果たして原子力を扱えるのだろうか。・・・電気事業連合会のHPに「原子力の安全文化」という項目がある。「原子力施設の安全性の問題が、すべてに優先するものとして、その重要性にふさわしい注意が払われること」と定義している。安全文化は、一九八六年のチェルノブイリ原発事故を契機に生まれた。同事故の根本原因は、国レベルから現場の作業者にいたるまでの意識の問題とした。福島第一原発事故後にも繰り返し言われた。今回の事故は、安全文化が根付いていないことを示している。そうであるのなら、原子力を扱うことはできないはずだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017061502000172.html

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共謀罪採決「あまりにも横暴」 県内識者が相次ぎ批判(2017/06/15琉球新報)
 共謀罪の問題点を指摘する高良鉄美琉球大大学院教授は政府・与党の姿勢に「『良識の府』の参院の存在意義が問われる。二院制で慎重な審議をすべきだが、強行採決で委員会も飛ばそうとするのはあまりにも横暴過ぎる」と批判した。「共謀罪」法案についても「国民を監視し、反基地運動を抑えることになる。人権侵害につながる可能性が高い」と指摘した。捜査当局による乱用の恐れを指摘する沖縄弁護士会憲法委員会の齋藤祐介弁護士は「これほど問題のある法案なのに、参院で十分な議論をしていない」と批判した。政府の答弁については「『一般人は対象にならない』『テロ対策のための法律』とうそをついている。不安が払拭(ふっしょく)されたとは言えない」と断じた。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-515090.html

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共謀罪/法案成立へ 立法府の劣化深刻=政治部編集委員・平田崇浩(2017/06/15毎日新聞)
 議院内閣制は、国権の最高機関たる立法府に対し、行政権を持つ内閣が連帯して責任を負うことで成り立つ。立法府の役割は、内閣を信任し、法律の採否を決するだけではない。国会審議を通じて行政をチェックし、政権が法治を逸脱しないようにコントロールするのも責務だ。・・・学校法人「加計学園」「森友学園」に絡む行政文書、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報など、今国会では政府による情報の「隠蔽(いんぺい)」が疑われる問題が相次いだ。いずれも事実解明にほど遠いまま、会期末を迎えようとしている。行政府が都合の悪い情報を隠すなら、立法府が開示させなければならない。国民を代表する立法府と真摯(しんし)に向き合わない政権に共謀罪の運用を委ねていいのかとも思う。・・・「安倍1強」といわれる長期政権のおごりと、それをただすべき立法府の劣化が日本の民主主義に禍根を残した。
https://mainichi.jp/articles/20170615/ddm/001/010/155000c

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