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20182019

<POINT NEWS202>2017/01/01・・・


sankaku202sankaku
2017/01/01sankaku01/04

「不屈」の市長に全国から共感 沖縄の米軍弾圧に抵抗、今と重なる闘い(2017/01/05沖縄新報)
沖縄の復帰前に米統治下での弾圧に抵抗した政治家、瀬長亀次郎さん(1907〜2001年)が1957年1月5日に那覇市長に就任した日から60年を迎える。瀬長さんに関する資料を展示する不屈館(那覇市若狭)には、政府が名護市辺野古への新基地建設や米軍北部訓練場のヘリパッド建設を強行する中、全国から共感のメッセージが寄せられている。内村千尋館長は「米統治下よりひどい無法地帯のような状況で県民が団結して闘っている背景には、島ぐるみでカメジローを支えた当時の経験がある。現在はカメジローの言葉が、皆さんを支える力になっているのではないか」と話している。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-422212.html

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年のはじめに考える 平和こそ「希望の光」(2017/01/05東京新聞)
 安倍晋三首相は年頭に「新しい国づくり」を宣言しましたが戦争に翻弄(ほんろう)されない、平穏で豊かな暮らしを未来に引き継ぐことこそ、私たちの責任です。・・・ 首相発言で注目すべきは「安倍内閣は本年、国民の皆さまとともに、新しい国づくりを本格的に始動してまいります」と言及したことです。「新しい国づくり」が具体的に何を指すのか明らかではありませんが、憲法改正が念頭にあることは容易に想像がつきます。・・・ 新憲法に高らかと掲げられた戦争放棄は、国民主権や基本的人権の尊重と並んで、戦争で肉親を失い、自らも傷ついた当時の人々にとって、光り輝く「希望の光」だったことでしょう。それは今も変わりません。・・・ 先人たちが戦後、見事に復興を遂げた努力は称賛されるべきですが、そもそも「見渡す限りの焼け野原」が生じたのは、無謀な戦争に突入したことが原因です。平和こそが国づくりの基礎であり、今を生きる私たちを照らし、将来世代に引き継ぐべき「希望の光」です。それをないがしろにした「新しい国づくり」など許されません。・・・国会での憲法改正論議の進捗(しんちょく)状況次第ですが、仮に総選挙になれば憲法改正を含む「新しい国づくり」を進めるのか否かが争点になる可能性があります。私たち有権者にとっては重大な選択です。そのときに備えてしっかり考えておかねばなりません。私たちの心構えも問われる一年になるのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017010502000136.html

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<社説>核密約非公開要請 国民の「知る権利」に応えよ(2017/01/05沖縄新報)
 国民の「知る権利」を侵害するあきれた隠蔽(いんぺい)体質である。外務省が米政府に対し、核兵器の持ち込みに関する密約を含む1950年代後半の日米安全保障条約改定交渉など、広範囲にわたる日米関係の米公文書の非公開を要請していた。西日本新聞が入手した米公文書で明らかになった。公文書は主権者である国民の共通財産である。それを官僚の都合で非公開にするとは、民主主義を否定する行為だ。外交交渉の経過を明らかにすることは国民の「知る権利」を保障することであり、行政にとって「説明責任」を果たすことになる。・・・ 日本は2001年に情報公開法が施行され、公文書管理法は09年にようやく成立した。これらの法律を施行する前の00年度に行政文書1282トンが廃棄され、「知る権利」を担保する国民の財産が大量に失われてしまった。15年には「何が秘密かすら秘密」という特定秘密保護法が施行された。今回明らかになった外務省の隠蔽体質に加えて、秘密保護法によって国民が知らない間に必要な情報ですら秘密とされ、闇に葬られることを許してはならない。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-422218.html

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オスプレイ空中給油6日に再開(2017/01/04京都新聞)
沖縄米軍、事故後1カ月足らず/防衛省沖縄防衛局は5日、沖縄県や名護市などの関係自治体に説明する。沖縄ではオスプレイの安全性に対する懸念が高まっており、飛行再開に続いて事故から1カ月も経過しないタイミングでの訓練再開に一層反発が強まりそうだ。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170104000145

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単純な「答え」に群がる人々 まとめサイトだけ信じ批判(2017/01/04朝日新聞)
「ウソを書くな」「プライバシーを暴く権利があるのか」――。講談社の雑誌「フライデー」が昨年12月、俳優・成宮寛貴さん(34)のコカイン吸引疑惑を報じると、編集部には抗議の電話が殺到した。2週間で計1千件を超えたという。報道直後に所属事務所が「事実無根」と否定。1週間後に成宮さんは「これ以上自分のプライバシーが人の悪意により世間に暴露され続けると思うともう耐えられそうにありません」と芸能界引退を発表した。講談社の乾智之・広報室長(53)は、批判が一気に広がった背景に「ネット、とりわけ『まとめサイト』の影響があった」とみる。・・・洪水のように情報があふれるネット時代。だが、私たちの脳の処理能力は、2万年前のクロマニョン人とさほど変わらない。こう指摘するのは、国立遺伝学研究所の有田正規教授(生命情報学)だ。まとめサイトなどは「生物としての人間が限界を超えた情報を処理するために生み出した処方箋(せん)」だというのだ。「ただ一部では間違った情報が拡散するなどの副作用も出ている」と有田教授は言う。「一定の時間をかけて体系的な知識を身につけ、誤りをより分けたり、批判的に咀嚼(そしゃく)したりできるような教育が重要だ」
http://digital.asahi.com/articles/ASJDT61KCJDTUCVL00T.html?iref=comtop_8_01

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年のはじめに考える 「非戦」という国家戦略(2017/01/04東京新聞)
 私たちにとって「平和主義」とは何でしょうか。単なる理想? いえ、終戦から七十一年が過ぎ、日本の国家運営を支える重要な「戦略」となっています。・・・「戦略」は「国家安全保障の基本理念」の中で「我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた」と、日本の安保政策を振り返ります。そして「こうした我が国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得てきており、これをより確固たるものにしなければならない」と平和国家としての歩みに高い評価を与え、堅持する決意を表明しています。・・・専守防衛に徹し、軍事大国とはならないことを誓った日本の平和主義は、無謀な戦争に突入して国内外に多大な損害を与え、日本人だけで三百十万人の犠牲者を出した、先の大戦に対する痛切な反省に基づいています。


 国権の発動たる戦争と武力による威嚇、武力の行使を国際紛争解決の手段としては永久に放棄することを宣言した憲法九条は、海外で武力を行使しないという「非戦の誓い」でもありました。その後、米国と安全保障条約を結び、自衛のための必要最小限度の実力組織として自衛隊を創設しましたが、この誓いに基づく抑制的な防衛力整備と平和外交が戦後日本に平和と経済的繁栄をもたらし、国際社会の高い評価と尊敬を勝ち得たことは周知の通りです。・・・戦後日本にとって平和主義は、地域の情勢を安定させ、国民には安全、安心と経済的繁栄をもたらし、国際社会から信頼と尊敬を勝ち得るための国家戦略なのです。米国にとっての「自由、民主主義、市場経済」や、フランスにとっての「自由、平等、博愛」と同様「国のかたち」を示す「アイデンティティー」であり、国家に力をもたらす「ソフトパワー」といってもいいでしょう。・・・ 気掛かりなのは安倍首相が「平和主義」の前に「積極的」との言葉を冠していることです。・・・ 平和主義が、日本の国家価値を高める戦略であっても「積極的」という言葉を冠することで暴走、変質することはないのか。専守防衛に徹し、二度と軍事大国にならないという九条の原点を、私たちは常に確認する必要があります。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017010402000120.html

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敗戦翌月の昭和天皇勅語文案、修正重ね「平和国家」に 国立公文書館資料(2017/01/04朝日新聞)
敗戦後初の帝国議会開院式で昭和天皇が述べた勅語の起草過程が、国立公文書館に保存されている資料から明らかになった。当時の東久邇宮稔彦(ひがしくにのみやなるひこ)首相らが検討を重ねた結果、第1案にはなかった「平和国家ヲ確立」という新たな目標が掲げられることになった。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12732278.html

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安倍政治5年目  議論尽くし説明責任果たせ(2017/01/04京都新聞)
「この道」を突き進んでいいのだろうか。大きく波紋を広げ、昨年の流行語にも選ばれた「保育園落ちた日本死ね!!!」のつぶやきは、この国に漂う不安や焦りを浮かび上がらせた。「女性の活躍」「待機児童ゼロ」…中身が伴っていないスローガンと、かけ離れた現実へのいら立ちの言葉が飛び交っている。・・・ 選挙に勝てば、「数の力」で安全保障法制や特定秘密保護法など批判の強い政策を押し通す。先の臨時国会で環太平洋連携協定(TPP)など3法案の矢継ぎ早の採決は、熟議など不要と言わんばかりである。

 そこに見えるのは異論に耳を貸さず、国民的な議論を避ける姿勢だ。「多弱」野党を尻目に高い内閣支持率を保つが、肝いりのTPPや原発再稼働も反対世論の方が大きい。ねじれを生んでいるのは、民主主義の土台である説明と議論の欠如にほかならない。・・・強硬姿勢は沖縄の米軍基地移設で矛盾を広げている。政府計画が「唯一の策」として県との協議に背を向け、裁判に勝って工事を再開したが、県の対抗姿勢で事態打開は見通せない。県民は、米軍の新型輸送機オスプレイ事故と政府の及び腰の対応に基地への反発を強めている。日米同盟の意義と地元負担の軽減を掲げるなら、県との話し合い解決を探るべきだ。・・・成果と誇ってきた税収増も頭打ちで、アベノミクスの行き詰まりは明らかだ。相次ぐ金融緩和と円安に頼るも好循環は生まれず、もはや「道半ば」の言い訳は通用しない。さらに財政再建が遠のく大規模な財政出動より、経済格差を是正する分配政策や内需重視の成長戦略に力点を置くべきだ。

http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20170103_3.html

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変調する世界  理念なき「取引」の行く先は(2017/01/04京都新聞)
 衝撃的な米大統領選から2カ月。ドナルド・トランプ氏の米政権がいよいよスタートする。2017年の世界の台風の目になることは間違いない。・・・ ただ、経費問題に絡めて米軍撤退も示唆するトランプ氏のアジア政策は不透明だ。実業家や元軍人を要職に起用した布陣にアジアの専門家はほとんど見当たらない。過激派組織イスラム国(IS)掃討など中東重視に回帰し、中国の実効支配が進む南シナ海情勢への関与を弱めることも考えられる。・・・波乱含みの選挙は欧州でも相次ぐ。3月にオランダ総選挙、5月にフランス大統領選、秋にはドイツ連邦議会選がある。国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた英国の離脱プロセスも始まる。焦点は、グローバル化やエリート政治への国民の不満を取り込んで台頭する極右勢力だ。同様の手法で勝利したトランプ氏に続き、欧州でもポピュリズム(大衆迎合政治)の勢いが一段と増すことが危惧される。流入する難民の問題の根本的解決に向け、5年に及ぶシリア内戦の終結と和平へ今年こそ道筋をつけねばならない。揺れ動く世界の中で、日本の役割、貢献の形が改めて問われる。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20170104_3.html

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(我々はどこから来て、どこへ向かうのか:3)「経済成長」永遠なのか(2017/01/04朝日新聞)
アベノミクスの大黒柱である日本銀行の異次元緩和はお札をどんどん刷って国債を買い支えるという、かなり危うい政策である。にもかかわらず世論の支持が高いことが不思議だった。・・・希望をくじいたのはくしくも日銀が放った新たな切り札「マイナス金利政策」だった。昨年1月に日銀が打ち出すや世論調査で6割超の人が「評価できない」と答えた。いわばお金を預けたら利息をとられる異常な政策によって、人々がお金を使うようせかす狙いだった。これには、そこまでする必要があるのか、と疑問を抱いた人が多かったのだろう。・・・ そこで疑問が浮かぶ。ゼロ成長はそれほど「悪」なのか。失われた20年と言われたその間も、私たちの豊かさへの歩みが止まっていたわけではない。

・・・若者たちが当たり前に使う1台8万円の最新スマホが、25年前ならいくらの価値があったか想像してほしい。ずっと性能が劣るパソコンは30万円、テレビ20万円、固定電話7万円、カメラ3万円、世界大百科事典は全35巻で20万円超……。控えめに見積もったとしても、軽く80万円を超える。スマホに備わるテレビ電話や会話する人工知能の機能となると、25年前ならSF映画の世界の話だった。ただ、この便益の飛躍的な向上は国内総生産(GDP)というモノサシで測ったとたんに見えなくなる。80万円超の大型消費が、統計上はスマホの8万円だけに減ることさえあるのだ。そこで見えなくなってしまう豊かさの向上を考慮せず、「どんな政策手段を使ってでもとにかくGDPを膨らませよ」というのがアベノミクスの思想である。人間はそうまでして成長を追い求めるべきなのか。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12732279.html?ref=pcviewpage

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(社説)分断される世界 民主社会の価値観守ろう(2017/01/04朝日新聞)
 世界は深い霧の中で新年を迎えた。未来を見通せない、不確実性という霧である。国際秩序は、経済や軍事というパワーを背景に競い合う弱肉強食の世界になるのか。国と国の関係は、ルールや原則よりも損得に基づく取引と化すのか。曲折はあったとはいえ、戦後の国際社会は国を超えた協力関係や相互依存を深めることで安定と繁栄を追求してきた。その土台を築いた米国で、自国中心主義を掲げるトランプ氏がまもなく大統領に就く。孤立を選択した英国の欧州連合(EU)離脱交渉も春に始まる。分断時代の到来が予感される一方、一国だけでは解決できない問題が増えている厳然たる現実も直視する必要がある。テロ、難民、地球温暖化、核拡散、サイバー犯罪。国境の壁をいくら高くしたところで、国同士の連携を欠いた危機対応が意味をなさないのは明白だ。

・・・欧州統合に深くかかわってきた両国で右翼政党が政権を握れば、平和のために主権を分かち合う地域協力の壮大な実験は頓挫の危機に立つ。人権尊重などの規範作りで世界を主導してきた欧州の影響力は、決定的に損なわれるだろう。さらに目が離せないのは、メルケル首相が政権4期目を目指す秋のドイツ総選挙だ。メルケル氏はユーロ危機で指導力を発揮し、ウクライナ危機ではロシアのプーチン大統領とも渡り合ってきた。トランプ氏にも「民主主義や自由、法の支配の尊重」を説いた。そうした価値観の「最後の守り手」と形容されるまでに至ったメルケル氏だが、その足元にも排外主義が忍び寄る。・・・ ギリシャの島では、命をかけて海を渡ってきた難民に島民たちが手を差し伸べた。ドイツでは今も多くの市民がホストファミリーとして難民を迎え入れている。強靱(きょうじん)な善意が息づく市民社会が国を超えたネットワークを築けば、自国中心主義への歯止めになりうる。民主社会の価値観の防波堤として、日本が果たすべき役割は重い。狭い国益に閉じこもらず、いかに国際協調を支える責任を果たすか。問われているのはその自覚である。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12732206.html

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(声)政治に望む:下 原発全廃への道筋示してほしい(2017/01/04朝日新聞)無職 平野昭一(愛知県 73)

 私がいま政治家に望む最大事は、原発から脱却する道筋を示すことだ。国民の過半数が原発再稼働を望んでいない。だから今すぐとは言わないが、近い将来には原発を全廃すべきだ。災害に耐える原発技術の進展に期待しても、多額の費用と年月がかかる。何より、放射線量が十分下がるのに10万年もかかる高レベル放射性廃棄物を安全・確実に処分するのは、ほぼ不可能だろう。ならば、これ以上増やしてはならない。政府は原発を安くて安全でクリーンと言ってきたが、福島第一原発事故で、正反対だと実証された。事故対応費は21・5兆円に膨らみ、電気料金にツケが回される。もう一度同等の事故が起きたら国民が負担しきれるか疑問で、そんなものを次世代に引き継ぐのは無責任だ。原発なしでも火力発電のフル稼働などで、電力不足も産業への大きな影響もなかった。今こそドイツや台湾のように脱原発を決断すべきだ。時間と予算を原発の延命に使うより、全廃しても影響がないよう、再生可能エネルギーの技術確立に使う方が、日本と世界のためになる。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12732211.html?ref=pcviewpage

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<包容社会 分断を超えて>(中) 半径数メートルの実感 大切に(2017/01/03東京新聞)
◆分かち合いの仕組み研究・佐藤滋さん(35)
 東日本大震災直後の二〇一一年五月に仙台市の大学へ赴任して、学生と一緒に市内の仮設住宅の高齢者を支えるボランティアに参加しました。皆さん、普段は明るい表情です。でもその裏に大変そうな様子も見受けられ、本格的な調査を始めることになりました。 学生たちは仮設住宅に何度も通い、家族構成や家計収入などを丹念に聞きました。震災から何年もたっているのに、多くの高齢者が仮設住宅から出られなかったのはなぜか。仮設から出ようにも家賃を払えるだけの経済力がなかった。非正規雇用など、不安定な仕事を強いられた人が多くいたためです。震災前は家族や地域の人たちと支え合って、生活できた。震災によってそのつながりが断ち切られ、突然、市場原理の中に放り込まれたのです。震災は雇用、家族、地域の劣化という日本が直面する問題を貧困という形で鮮明に露出させたといえます。・・・日本ではいま、二十四歳未満の若い世帯で貯蓄率が高まっています。手取りが増えず、貯蓄に回す余裕がないはずなのに。これは日本の生活保障が不十分なため、将来の生活に備えて蓄えるしかないからです。さらに大学に進学した若者は奨学金も返さなければならない。月に八万円の奨学金を借りた学生で卒業までに五百十数万円、十二万円借りれば八百万円近い借金を抱えます。返済しながらも必死に貯蓄する現状の中で、生活保護の受給者や、より弱い人をたたきたくなる人が出てきている。所得階層の間の分断は極めて深刻です。・・・日々の生活に余裕がなくなると、私たちは扇動的な言葉に簡単にだまされてしまう。英国の欧州連合(EU)離脱や米大統領選では、政治家が困っている人を熱狂させる言葉を放ちました。日本も同様です。「アベノミクス」で生活がどれだけ豊かになったか。こうしたことが繰り返されれば、人々は民主主義に失望してしまうでしょう。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017010390071041.html

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遺伝子組み換え、表示対象拡大へ 消費者庁 17年度に検討会(2017/01/03東京新聞)

消費者庁は二日までに、遺伝子組み換え(GM)食品の表示義務の対象を拡大する検討に入った。現在はGMの大豆やトウモロコシなど八作物を使った納豆や豆腐、スナック菓子など三十三の加工食品が対象だが、GM作物や加工食品の輸入が増える中、消費者がより安心して食品を選べるようにするのが狙いだ。二〇一七年度に食品業界や消費者団体などを交えた有識者検討会を設け、議論を始める。欧州連合(EU)ではGM作物を使った加工食品全てを対象に表示を原則義務付けており、同様の厳しい基準を導入できるかどうかなどが議論の焦点となりそうだ。GM作物は特定の害虫に強いなど生産効率が上がる半面、安全性を危ぶむ声もある。・・・一方、GM作物を使っていない食品や、意図せずに少量が混入している食品は任意で「遺伝子組換えでない」と表示できる。消費者団体からは「GM作物や食品が多く出回っているが、表示制度が不適切なため、多くの消費者は知らずに食べている」などとして、全加工食品を対象に表示を原則義務付けるよう求める声もある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017010302000107.html

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年のはじめに考える 自衛隊らしい「人助け」を(2017/01/03東京新聞)
国を守る自衛隊。侵略戦争は一度もなく、武力行使する場面はありませんでした。隊員二十三万人の組織力、機動力が国際平和構築に活用されています。自衛隊は長年、ソ連を封じ込める西側の防波堤としての役割を担ってきました。冷戦後、米国から国際社会で役割を果たすよう求められ、国連平和維持活動(PKO)ではスコップやハンドルを手に、また国際緊急援助隊では丸腰で、海外活動に乗り出しました。・・・ 安倍晋三内閣は集団的自衛権行使を一部容認した安全保障関連法の制定や同法に基づく「駆け付け警護」を付与した南スーダンPKOなど、武力を伴う活動には熱心ですが、非武装の活動にはさほどの関心を示しません。PKOで培った道路補修の技術をアジア各国の軍隊に指導する能力構築支援を知る政治家はおそらく極めて少ない。・・・武力によらない国際貢献を本格化させるには自衛隊法を改正するなどの政治決断が不可欠です。迷彩服を着ているのに「人助け」「国づくり」に力を入れるのは奇妙かもしれません。国内で評価されたのは献身的な災害救援が認められたからこそです。「おかしな軍隊」といわれてもいいではありませんか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017010302000133.html

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(我々はどこから来て、どこへ向かうのか:2)日本人って何だろ(2017/01/03朝日新聞)
様々なルーツを持つ日本人の活躍が、珍しくなくなった。「同質」を自分たちの特徴と考えてきた日本人。その自画像は、変わっていくのだろうか。(浅倉拓也)・・・8月、台湾にルーツがある蓮舫氏の国籍が、民進党代表選を前に問題視された一方、リオデジャネイロ五輪では、陸上のケンブリッジ飛鳥選手ら、外国にルーツがある日本代表に多くの人が喝采を送っていた。・・・一昨年、ミス・ユニバース日本代表に選ばれた宮本エリアナさん(22)は、父親がアフリカ系米国人だ。長崎県佐世保市で日本人の母や祖母に育てられた。子どもの時は、肌の色の濃さから、いじめにもあった。日本での生きづらさを感じ、高校時代は米国で、父方の家族と暮らした。それでも、日本に帰るとほっとする自分がいた。「日本人じゃない」。日本代表に選ばれると、インターネットには、称賛と並んで、異議や差別的なコメントがあふれた。だが、そんな攻撃は「想定内でした」。むしろ、議論になるのを期待していた。・・・コンテストに応募したのには、理由があった。同じく外国人の親を持つ友人が、自殺したのだ。「ハーフなのに英語が話せない」とからかわれるなど、祖国・日本の居心地の悪さをこぼしていた。「見た目が違う日本人がいるのを知ってほしい」。日本代表に選ばれた後、1年間で取材依頼は約400件にも上った。とりわけ海外メディアが反応した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730504.html

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(我々はどこから来て、どこへ向かうのか:2)DNA、多様なルーツ(2017/01/03朝日新聞)
 ミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナさんの記事で、米誌ニューズウィークはこう書いた。「日本人は選択を迫られている。これまで通りの道を歩み、経済を縮小させ続け、国際舞台のプレーヤーから外れることを覚悟するか、『出る杭』に慣れ、(移民に)ドアを開くか」海外の記者はなぜ、褐色の肌の日本代表に目を引かれたのか。ニューズウィークの記事を書いたテイラー・ウォフォード記者は「日本人は同質だという感覚が、国際的にある。宮本さんの選出を、変化の兆しと受けとめたメディアもあるだろう」と答えた。

 そもそも日本人は同質なのか。

 国立科学博物館の篠田謙一・人類研究部長によると、世界中の人の、母親から伝わるDNA系統をざっと100種類ほどに分類すれば、うち20種類以上が、日本人から見つかる。これは周辺の韓国や中国東北部と比べて多く、篠田氏は「日本人は、非常に大きな多様性を保ち続けている集団と言える」と語った。・・・だが、日本が近代化を遂げ、西洋の列強に肩を並べると、先進地だった中国や朝鮮の人々を蔑視する風潮が広まった。一方で、日本人のルーツは多様だ、という言説がさかんに広まったのもまた、台湾や朝鮮に領土を広げた大日本帝国時代だったようだ。

歴史社会学者の小熊英二氏は、1995年の著書「単一民族神話の起源」で、明治から昭和の時代、日本人の自画像がどう移り変わったか、当時の言説をつぶさに分析した。戦前は、人類学の見地から、日本人は太古からアジアの様々な民族が混じり合った、という学説が主流だったという。学校では、神話が教えられ、熊襲や蝦夷を、「大和民族」に同化された異民族として紹介する教科書もあった。1910年の日韓併合で、朝日新聞の天声人語は「日本民種が世界の雑種なることは人種学者の一致する処(ところ)だ」と説いた。こうした「混合民族論」は、日本人がアジアの諸民族を統治するにふさわしい、という根拠に利用された。

 敗戦で一転、朝鮮人や台湾人は、日本国籍を失った。日本は昔から、基本的に一つの民族が島国で平和に暮らしてきた、という「単一民族論」が現れる。小熊氏は「国際関係への自信の喪失や、戦争疲れの心理に合致した」と指摘する。「同質」は高度経済成長期の会社を中心とした社会にマッチした。経済大国としての地位を確立すると、政治家は「単一民族」を、日本の強みや特殊性として語るようになった。国連統計によると、先進諸国は人口に占める移民の割合が軒並み10%を超える。単純比較はできないが、日本の在留外国人はいまだ総人口の2%未満だ。・・・ 

いま、街頭やメディアでさかんに「日本人」という言葉が唱えられ、一部で外国人排斥さえ露骨に叫ばれる。郷土や企業といった、かつてのよりどころを失った人々が、「日本人」の誇りにしがみつくことで安心感を得ようとしている、と岡本氏はみる。日本列島に住む人々の4万年の歴史を1年に例えると、明治時代以降は、大みそかの1日だけにあたる。世界で人の移動が加速するなか、「日本人」がよりどころとして、守っていくものは何だろう。(浅倉拓也)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730476.html

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(ひと)倍賞千恵子さん 寅さんシリーズで演じた妹役「さくら」が銅像になる(2017/01/03朝日新聞)
スクリーンの中で永遠の兄妹、その妹役を演じてきた。1969年から26年、全48作を数えた映画「男はつらいよ」シリーズ。舞台となった東京・葛飾柴又の駅前広場にある「フーテンの寅(とら)像」のそばに3月、妹さくらの銅像が建つ。「『おい、さくら』『なあに、お兄ちゃん』という2人の会話が聞こえてきそうです。風来坊の寅さんのことをさくらさんはいまも心配しているのでしょうね」

東京生まれ。松竹歌劇団を経て映画デビュー。女優生活56年の半分近くを注ぎ込んだ、さくら。どこへ行っても「さくらさん」と呼ばれ、苦しかった時代も。「役者は役柄で名前を呼ばれているうちが花だよ」。寅さん役の渥美清さんに言われ、楽になった。「長い長い一本の記録映画を撮ってきたのかもしれません。さくらさんを通して時代や社会を学んできたような気がします」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730475.html

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トルコ乱射、39人死亡 イスタンブール、男逃走 ISが犯行声明(2017/01/03朝日新聞)
トルコの最大都市イスタンブールの高級ナイトクラブで1日未明(日本時間同日朝)、銃の乱射があり、外国人28人を含む39人が死亡、65人が負傷した。過激派組織「イスラム国」(IS)は2日、犯行を認める声明を出した。富裕層や外国人を狙った可能性が高い。実行犯は逃走中だ。・・・ 「若い男が銃を撃ちながら店内に押し入った」。当時、店の前で客待ちしていたタクシー運転手サッフェト・クルムさん(36)が朝日新聞に証言した。1日午前1時15分ごろ、タクシーが店の前に止まり、黒い帽子に黒い服の20代くらいの男1人が後部座席から降りた。男はトランクからライフル銃を取り出すと店先の警官に発砲。無言で銃を撃ちながら店内に入っていった。「パン、パン、パン」。乱射音と人々の悲鳴が聞こえた。泣きながら逃げてきた女性とロシア人男性客を乗せて逃げた。・・・トルコメディアによると、死者はサウジアラビア、イラク、レバノンなどの外国人28人とトルコ人11人。関係者によると、トルコで相次ぐテロの影響で同店の外国人客は欧州を中心に減ったが、中東からは堅調だったという。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730448.html

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自爆テロ、36人死亡 イラク(2017/01/03朝日新聞)
 イラクの首都バグダッド東部サドルシティーで2日、自動車に仕掛けられたとみられる爆弾を使った自爆テロがあり、少なくとも36人が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)系のメディアが、イスラム教シーア派を狙ったなどとする犯行声明を発信した。AP通信などが伝えた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730484.html

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(社説)資本主義の未来 不信をぬぐうためには(2017/01/03朝日新聞)
冷戦終結後、あくなき利潤の追求を推進力に、ヒト・モノ・カネの国境を越える往来を広げてきた資本主義。問われているのは、その未来の姿である。・・・資本主義はこれまでも挫折を経験し、曲折を重ねてきた。100年前の1917年には、ロシア革命で世界初の社会主義政権が樹立。第2次世界大戦後の資本主義陣営は社会主義に対抗しつつ、雇用や社会保障を重視する福祉国家を築いた。だが、財政負担の拡大やインフレが進み、米国や英国は「小さな政府」を掲げたレーガン・サッチャー路線に転じる。金融も自由化され、活力が戻ったかに見えた半面、貧富の差が再び拡大し、リーマン・ショックに至る暴走の素地も生まれた。

ただ、前世紀の経験は、ソ連などでの社会主義の失敗も白日の下にさらした。岩井克人・東大名誉教授は、チャーチルの民主主義論をもじって言う。「資本主義は最悪の経済システムだ。これまでに存在したすべての経済システムを除いては」・・・将来を見渡せば、人工知能の発展など「第4次産業革命」とも呼ばれる動きがある。進み方次第では、新しい成長や豊かさをもたらすかもしれない。だがその際、資本主義の「影」も、繰り返し表れるはずだ。大企業による独占など「市場の失敗」への対処、バブルに翻弄(ほんろう)される景気の安定化、成功者への富の集中の抑制――。政府の役割は引き続き重要だ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730429.html

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(声)政治に望む:上 戦争せず国を守れる方法考えて(2017/01/03朝日新聞)中学生 堀口楓(東京都 14)

私は、このままの日本ではだめだと率直に思う。なぜなら「戦争をしない国」が「戦争ができる国」になりつつあると思うからだ。憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を認め、法律をつくって世界中に自衛隊の活動を広げられるようになった。私は友達の言葉に胸をつかれた。「そのうち戦争になったら、僕たちも行かなきゃいけないかもしれない」。その通りだ。このままいけば、私たち若い世代こそ戦争に巻き込まれ、戦場に立たされるかもしれない。いま手元にある幸せが、消えてしまうかもしれない。世界は紛争や内乱、テロなど、たくさんの問題をかかえている。日本も攻撃されるかもしれない。だから、武器を使って攻撃を防ぎたいことも分かる。けれど、本当にこのままでいいのか。また70年以上前と同じように、たくさんの人が命を落とすことになりはしないか。平和憲法のもとで70年も戦争をせずにきた歴史をゼロに戻してしまわないでほしい。政治家は、戦争をせずに国を守れる方法も真剣に考えてほしい。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730433.html?ref=pcviewpage

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(声)政治に望む:上 平和や環境分野で世界に貢献を(2017/01/03朝日新聞)元アジア開銀職員 小林英治(神奈川県 82)

 昨年日本は、地球温暖化対策の新国際ルール「パリ協定」の国会承認が遅れた。20年前は議長国として京都議定書をまとめ、世界を主導したが、今回は国際社会での評価を落としてしまった。残念だった。 世界は目まぐるしく変転する。米国では新大統領に就任するトランプ氏が「米国第一主義」の政策を打ち出すだろう。移民排斥やEU(欧州連合)脱退など、内向きな政策を打ち出す政党が台頭する欧州情勢も目が離せない。今年はドイツとオランダで総選挙、フランスで大統領選と重要な選挙が続く。シリアや南スーダンでは戦闘が続き、イスラム過激派による欧州でのテロも続いている。年末にはロシアの駐トルコ大使射殺事件も起きた。罪のない多くの人々が犠牲となっている現状に心が痛むばかりだ。わが国の指導者はこれらにどう対処するのだろうか。対応を誤れば、人命も国益も損ないかねない事案ばかりだ。政府には今こそ、国際平和や人権、地球環境保護などの分野で貢献し、世界中から評価を得られるような外交を期待したい。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730432.html?ref=pcviewpage

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(声)政治に望む:上 米軍脅威から国民の命守れ(2017/01/03朝日新聞)無職 村山起久子(京都府 56)

 なめられている。馬鹿にされている。沖縄だけではない。日本は主権国家か。沖縄で墜落事故を起こした輸送機オスプレイの運航を事故後わずか6日で在日米軍が再開。日本政府は容認した。オスプレイが爆音を響かせ、住宅地の上を飛ぶのは恐怖だ。事故原因の究明もされないうちに、運航を認めた日本政府はいったいどこの国の政府なのだろう。政府の最も重要な役割は日本の民の命を守ることなのに、米国か米軍の下請け機関のようだ。安倍晋三首相ら政治家は「日本を取り戻す」などと言い、憲法改定を求めるが、日本国民の命がないがしろにされている今、主権を制限する日米地位協定をなぜ変えようとしないのか。北朝鮮や中国の脅威が言われるが沖縄など基地周辺で命を脅かすのは米軍。まずこの現実的な危険を除くべきだろう。オスプレイも基地も日本全体の問題だ。安心して暮らすために皆で抗議し、日米政府首脳が姿勢を変えるよう求めたい。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730435.html?ref=pcviewpage

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「月面」の国際レース、世界が注目 狙いは豊富な資源(2017/01/02朝日新聞)
米航空宇宙局(NASA)によると、月には鉱物だけでなく約6億トンの水が眠っていると推定される。欧米では、この豊富な資源を得ようとする民間企業の動きが活発だ。例えば、米企業「ムーンエクスプレス」は昨年、月面への飛行を実現するために必要な承認を米政府から得た。着陸船の開発も行っている。Xプライズ財団が今年、月面レースを主催するのも、この動きを加速させるためだ。今回のレースで得られる月面で撮影された映像は、今後、月面開発や宇宙産業が活発になる中でメリットになるとみられている。・・・ 一方、宇宙資源の所有権をどう扱っていくか、という点も国際的な課題になりつつある。宇宙資源の法整備について研究する西村高等法務研究所によると、所有を禁ずる国際法上の規則はないが、欧米では制度整備を進める国が出始めている。
http://digital.asahi.com/articles/ASJDG01SCJDFULBJ01S.html

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NY、幻の地下鉄路線が部分開業 全面開通めどはなし(2017/01/02東京新聞)
【ニューヨーク共同】ニューヨーク・マンハッタンの東側を南北に走る大通り「2番街」の下を通る地下鉄の新路線が1日、部分開業。1929年に計画が公表されながら、世界恐慌や70年代のニューヨーク市の財政危機などで計画が延期、中断された「幻の2番街線」。クオモ・ニューヨーク州知事らが開業を祝った。2番街線は、北はハーレムの125丁目から南はハノーバー通りまでの全約14キロの区間で、マンハッタン東部をほぼ南北に貫く計画。だが全面開通はおろか、延伸も実現のめどは立っていない。
 部分開業したのは96丁目駅から、レキシントン街・63丁目駅までの3駅、約3キロの区間。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017010201000662.html

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戦争への怒り、生々しく表現 滋賀、米国人画家が企画展(2017/01/02京都新聞)
 米国人画家ブライアン・ウイリアムズさん(66)の企画展「絵筆の旅人 ブライアンの目」が、滋賀県近江八幡市多賀町のかわらミュージアムで開かれている。戦争を扱った未発表作品や得意の風景画など64点を展示している。ブライアンさんはカリフォルニア大で美術を専攻。琵琶湖に魅了され、1984年から大津市で暮らす。・・・このうち「ファルージャ」や「劣化ウラン赤ちゃん」はイラク戦争で米軍の攻撃を受けて死亡した多くの市民の遺体や障害児を正面から取り上げ、戦争への怒りを絵筆に込めた。「米軍が情報統制しようとした現実をインターネットで直視し、感情を画面で表現した。私の全てを知ってもらいたい」と話す。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170102000012

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新年を迎えて  分断克服し共存への対話を(2017/01/01京都新聞)
新年を迎えた。明るい夢や希望を語るべきだが、やや暗い話になることをお許し願いたい。「日本の没落」を意識するときがある。少子高齢化が進み、人口は減少に転じている。米国を追い上げた経済力は中国に抜かれ、低成長が続く。所得は伸び悩み、格差拡大で相対的貧困率は16%に達する。公的債務は1千兆円を超える一方、医療・福祉費は膨らみ続け、年金も目減りする。こうした現実は、旧式の言い方を借りれば「国力の衰退」を表している。それを痛感しているのは他ならぬ安倍晋三首相だろう。

 「日本を取り戻す」(2012年衆院選)、「私たちの自信と日本の誇りを取り戻そう」(13年参院選)、「強い経済を取り戻せ」(14年衆院選)、「誇りある日本を取り戻す」(16年参院選)。

 主な選挙のたびに繰り返される「〜を取り戻そう」という首相のメッセージからは、日本の現状に対するいらだちと、過去の繁栄への郷愁が読み取れる。・・・ 

危うい反知性主義

 当時、スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットは著書で、野蛮な大衆社会では「みんなと違う人、みんなと同じように考えない人は排除される」とし、没落の不安を背景に反知性主義に陥った大衆の反逆(蜂起)が危険な急進主義を招くと論じた。警告どおり、欧州はやがて非人間的なファシズムに踏みにじられることになる。この両大戦間の欧州の空気はどこか現代に似ていないだろうか。・・・

日本でも同様の風潮を感じる。安倍首相と懇意で、時に過激な発言が圧倒的な人気を呼んだ橋下徹・前大阪市長は最近のインタビューで「民主政治の本質は大衆迎合だ」と言い切っている。インターネット上には、中国・韓国を誹謗(ひぼう)中傷し、日本や安倍首相を賛美する記事やコメントが氾濫する。これに異を唱えると「反日」「売国」のレッテルが張られる。まさに反知性主義である。

・・・「戦後レジームからの脱却」を目指す安倍首相はこれまで、愛国心を強調する教育改革を進める一方、表現の自由を制約しかねない特定秘密保護法を制定し、安全保障法制で違憲が疑われる集団的自衛権を解禁してきた。一連の流れが現行憲法の理念に必ずしもそぐわないのは明らかだろう。国会で改憲論議の本格化が見込まれるが、世論調査では国民の過半数が9条改正に反対している。日本らしい国際貢献のあり方とともに、戦後の平和と繁栄に果たした憲法の役割を改めて考えたい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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(いちば Market:1)「シャンゼリゼ通り」難民が営む商店街 ヨルダン(2017/01/01朝日新聞)
純白、ピンク、オレンジ、青……。プレハブ造りの店のドアを開けると、明るい色のウェディングドレスが目に飛び込んできた。ここは「シャンゼリゼ通り」。凱旋門(がいせんもん)から延びるあのパリの通りではない。約3千キロ離れたヨルダン北部・ザアタリ難民キャンプ。約8万人が暮らす世界最大のシリア難民キャンプの中でも、とりわけ人々に親しまれる商店街があった。2011年、シリア内戦が始まると、国境から約10キロ、幹線道路からほど近い場所に難民が逃れてきた。砂漠の地に国連の支援でテント、次第に仮設住宅が増えると、難民が食料や日用品を売り買いする市場が生まれた。ここにフランス系の病院ができて、援助関係者らが「シャンゼリゼ通り」と呼び始めたという。今ではキャンプ全体に約2500の店が軒を連ねる。・・・ 

シャンゼリゼ通りに4年前に開店した草分けの「シリアのバラ」を訪れた。

 ムハンマド・ズウリさん(40)と、美容師のマリアムさん(30)が夫婦で営む。・・・ズウリさんは以前、シリアで警察官をしていた。アサド政権による反政府デモの取り締まりに嫌気がさし、内戦で身の危険も感じて人気美容師だった妻と共にヨルダンに逃れた。そして昨年、シリアで大学を卒業したばかりの弟(23)の死を知らされた。遺体は戻らず、死因もわからない。ここにいる難民は、過去の境遇なしには語れない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730228.html

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(声)今年こそ 日本の政治に求める正直と品格(2017/01/01朝日新聞)団体職員 山田英樹(神奈川県 51)

 笑われかねないが、あえてこの国の政治に「正直と品格」を求めたい。例えば、年金制度改革法。与党は年金の「確保」を、野党は「カット」を強調していたが不毛だった。与党は「将来の年金を確保するため今の年金を抑制する」と言えばいい。野党は将来の年金をどう確保するかを具体的に語らねば正直とは言えない。次にカジノ解禁法。正直も品格も、かけらもない。海外の失敗事例に照らして本当に経済効果が見込めるか、依存症や治安悪化への有効な対策があるのか、正直に語られていない。そもそも不幸を生む賭け事を成長戦略とすること自体が、下品極まりない。そして原発だ。「絶対安全」はない原発が巨大地震や破局的噴火に見舞われるリスクは、正直に語られていない。使用済み核燃料の最終処分を将来世代に押しつけて、目先の豊かさを享受するのも品格に欠ける。こうした政治を許す我々国民の品格も、今年こそ自ら問わなければならない。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12730165.html

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年のはじめに考える 不戦を誇る国であれ(2017/01/01東京新聞)
新年早々ですが、平和について一緒に考えてください。人類はなぜ暴力を好み、戦争がやめられないのか。どうしたらやめる方向へと向かうのか。日本の平和主義を二つの観点から見てみましょう。一つは、だれもが思う先の大戦に対する痛切な反省です。振り返れば、日本は開国をもって徳川の平和から明治の富国強兵へと突入します。・・・欧米の戦争を学ぶ。いい悪いはともかくも追いつかねば、の一意専心。帝国主義、植民地主義。日清、日露の戦争。そういう戦争精神史をへて突入したのが、満州事変に始まって太平洋戦争に至るいわゆる十五年戦争です。最大の反省は人間が人間扱いされなかったことです。人間が非人間化されたといってもいいでしょう。そういう異常の中で敵側は人間以下であろうし、味方にもむやみな死を求める。・・・

◆ただの戦争嫌いでなく
 その絶望の果てに戦後日本は不戦を尊び固守してきたのです。守ってきたのは元兵士と戦争体験者たちです。文字通り、命がけの訴えといってもいいでしょう。ただの厭戦(えんせん)、戦争嫌いというのでなく、国は過ちを犯すことがあるという実際的な反省でもあります。国民には冷静な目と分析がつねに必要だという未来への戒めです。日本の平和主義についての二つめの観点とは、戦後憲法との関係です。・・・日本国憲法の求める平和主義とは武力によらない平和の実現というものです。
 対象は戦争だけでなく、たとえば貧困や飢餓、自然災害の被害、インフラの未発達など多様なはずです。救援が暴力の原因を取り去るからです。・・・

◆武力によらない平和を
 格差とテロとナショナリズム。それらが絡み合って国や民族が相互不信の度を高めつつある。しかし不信がつくられたものなら、解消することもできるはずです。そういう時だからこそ、私たちは平和主義、世界に貢献する日本の平和主義をあらためて考えたいのです。ただの理想論を言っているのではありません。武力によらない平和を求めずして安定した平和秩序は築けない。武力でにらみあう平和は軍拡をもたらすのみです。理想を高く掲げずして人類の前進はありえないのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017010102000121.html

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9条精神で地球憲章を 東大名誉教授ら呼び掛け(2017/01/01東京新聞)
 憲法九条が掲げる戦争放棄や戦力不保持の精神を盛り込んだ「地球憲章」を、各国の市民が力を合わせてつくろうという動きが、学識者や弁護士らを中心に進んでいる。今年は憲法施行七十年。「九条は一国の平和だけでなく世界の平和を求めるもの。地球憲章を実現することは私たちの使命だ」と賛同を呼び掛けている。 (安藤美由紀)中心になっているのは、平和教育の研究者で東大名誉教授の堀尾輝久さん。堀尾さんは日本国憲法の歴史を調べる中で、制定に携わった幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相が「世界は早晩、戦争の惨禍に目を覚まし、同じ旗をかざしてついてくる」と演説するなど、戦争放棄を世界に広めて平和を実現したいと願っていたことを知った。今なお紛争やテロが絶えない現実を変えるため、九条を基に地球憲章をつくる運動を思いつき、施行七十年となる今年、本格的に動きだすことにした。・・・

◆憲法九条
 一 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求(ききゅう)し、国権(こっけん)の発動たる戦争と、武力による威嚇(いかく)又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 二 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017010102000118.html

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<包容社会 分断を超えて>(上) 対話は力、強きをくじく(2017/01/01東京新聞)
 私はイスラム教徒の米国人で、息子(米陸軍大尉)はイラクで戦死した。トランプ氏が出馬表明した二〇一五年、「全てのイスラム教徒の身元調査をする」と述べ、宗教や移民に差別的な発言をするのに対し「憲法違反だ」とメディアにコメントした。それが注目されて、一六年夏の米民主党大会に招かれ、演説で「トランプよ、憲法を読んだことがあるか」と突きつけた。合衆国憲法は宗教や人種による差別を禁じ、国民全員の平等を約束している。


 今年、トランプ大統領の四年の任期が始まる。とても懸念している。だが、われわれには声を上げる力がある。・・・私たちは恐怖を利用する人々に対して、「それは違う、憲法違反だ」と語り続けなければいけない。子どもたちや不安を抱える人々を抱擁していきたい。私は党大会を機に各国での講演が増えたが、英国でもイタリアでもフランスでも「恐れ」が燃え盛っていると感じる。移民への恐れ、経済格差への恐れ。何も知らないことへの恐れ。いまは恐れの時代だ。この恐怖を利用し、巧みに操って商売や自身の成功に結びつけようとする動きが各国である。中道的な思想は追いやられ、人々は幅広い結び付きよりも拒絶を選び、極端に右傾化している。人々を結ぶ橋よりも、壁をつくる方が好まれてしまうのはこのためだ。・・・

◆沈黙ではなく声を上げてほしい
 私は学生時代、パキスタンの大学で法律を学び、欧米各国の憲法を読み比べた。中でも米合衆国憲法の修正第一四条には心から感動した。民主主義とは何か、民主主義は何を人々にもたらすのかが書いてある。私が米国に移り住もうと考えたのは、このようにすばらしい憲法を持つ国だからだ。私はいつも胸ポケットに合衆国憲法の冊子を持ち歩き、会話した人々に冊子を配っている。党大会でも、トランプ氏が憲法を読んだことがないのなら喜んで貸そうと話した。私がなぜ憲法を、市民権を定めた修正第一四条を愛しているか。その答えは、実際に条文を読み上げることでお伝えしたい。
 『合衆国で生まれ、または合衆国に帰化し、かつ合衆国の管轄に服する者は、合衆国の市民である』
 『いかなる州も、法の適正な手続きなしに、何人の生命、自由または財産を奪ってはならない。いかなる州も、合衆国市民に対し平等な保護を否定してはならない』

 私は欧米各国の憲法を読んだが、どこの国もここまでは書いていない。市民の平等と尊厳を認め、かつそれを守ろうとする強い意志の表れだ。もしわれわれが不当な扱いを受けたら、オバマ大統領を訴えることもできる。私が声を上げることを、誰も止める権利はないのだ。・・・いま、米国や欧州で燃え盛る移民への恐怖、経済格差への恐怖は、振り子のように右へ右へと向かっている。中道の時代は終わり、極端な移民排斥を訴え、多文化主義を否定する「オルト・ライト(alternative rightの略=オルタナ右翼)」運動が巻き起こっている。

 だが、このような極端な思想はいずれ失敗に終わる。世界は相互に依存しているからだ。私たちは昔よりも互いに密接になっている。生活でも貿易でも、あらゆる場で世界とつながっている。このような世界で、壁をつくってはならない。 無言と中立は、迫害者を助けるだけだ。そして沈黙は苦痛を招く。何を信じるのか、自分のよって立つ考えを話すことが大切なのだ。沈黙ではなく、みなさんも声を上げてほしい。 (聞き手=石川智規)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201701/CK2017010102000119.html

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