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20182019


<POINT NEWS173>2016/07/26・・・(ヒューマニズムの視点で捉えよう、判断しよう)

sankaku173sankaku
2016/07/26sankaku07/31

 


(声)無責任なネット言論の危うさ(2016/07/31朝日新聞)予備校経営 倉橋良之(愛知県 39)

 海外で相次いだテロに続いて、神奈川県でも多くの方が犠牲となる痛ましい事件が起きました。事件の情報をインターネットメディアが報じる中、寄せられる多くの匿名コメントに違和感を抱きます。誰かが関係者を中傷する過激な言葉を投げると、輪をかけた過激な言葉が続きます。投稿者同士が互いの人格をののしり合うこともあります。実行犯への賛美すら寄せられます。ネットの匿名性に甘えた目を覆いたくなるほど無責任で乱暴な言葉の数々。こうした声がはびこると、事件の背景や教訓といった本当に必要な議論から目がそらされてしまいます。誤った情報が流通する危険もあります。これは、自分の名前や年齢などを明らかにした上で、熟慮を重ねて、意見を明らかにしている新聞の投書欄などとは対照的だと思います。一人ひとりが責任ある声をあげ、受け手もしっかりと耳を傾ける。それでこそ、同様の事件を防ぐための前向きな議論ができるのではないでしょうか。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12488589.html

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(書評)『ポール・マッカートニー 告白』 ポール・デュ・ノイヤー〈著〉(2016/07/31朝日新聞)
・・・ところがアルバム「ラバー・ソウル」(65年)から見方が変わった。そこには予想外の新しい音楽が詰まっていたのだ。そして「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(67年)とBBCのテレビ映画用に制作され、後にアルバムとして編集された「マジカル・ミステリー・ツアー」(67年)で、ぼくは彼らの魔法にすっかりやられてしまった。音楽はマジカルな力を秘めたもの、と思うようになったのだ。・・・そのヒントとは「曲を書くときは、いつも運まかせ」「絶対に準備運動はしない」「いきなり飛び込んで、ベストの結果が出てくれるのを願う」「最高の曲はたいてい、ひと筆書きみたいな感じでできあがる」などなど。もちろん、そう言われたからといって誰しも名曲が書けるわけではないが、ポールのバックボーンがますます気になる。本書では、ポールの子供時代の音楽体験も詳細に語られている。たとえばポールもジョンもロック以前の、20〜40年代の流行音楽を聴きかじり、家庭のパーティーで大人たちが歌う歌曲を楽しんでいた。こうしたポップスの伝統を受け継いでいるポールと仲間たちが、やがてロックという新しい音楽で世の中を変えてしまったのである。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12488607.html

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長崎で核廃絶シンポ(2016/07/31朝日新聞)
「オバマ時代から未来へ」をテーマにした国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道」(長崎市、長崎平和推進協会、朝日新聞社主催)が30日、長崎市の長崎ブリックホール国際会議場であった。オバマ米大統領が提唱する核軍縮の動きが停滞する中、核廃絶に向けどう取り組むべきか、参加者が意見を交わした。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12488666.html

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基準地震動  規制委への不信が拭えぬ(2016/07/31京都新聞)
 これで果たして「魂」が入ったといえるのだろうか。東京電力福島第1原発事故を受けて、原子力規制委員会が原発の新規制基準を決定してから、3年が過ぎた。田中俊一委員長は当時、「真価が問われるのは今後の審査で、そこに魂が入るかどうかだ」と強調していた。その姿勢に疑問を抱かざるを得ない事態が起きた。関西電力大飯原発(福井県)で審査済みの基準地震動をめぐり、前委員長代理の島崎邦彦東京大名誉教授が、計算式に問題があるとして過小評価の恐れを指摘したことへの対応だ。基準地震動は、原発の耐震設計の目安となる揺れの大きさを表す。安全対策の根幹となるデータだ。それが適切に算出されていないとするなら、直ちに審査をやり直し、耐震性の強化に乗り出す必要がある。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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週のはじめに考える 五輪の旗を持つ手には(2016/07/31東京新聞)
 今日にも東京都の新知事が決まり、八月五日にブラジルで五輪開幕、六日は広島原爆の日。濃密な週のはじめに考えます。「東京五輪」のあとさきを。二〇二〇年東京五輪に向けて全国も注視した都知事選は今日、投開票。それが誰になるかは別にして、新知事の最初の海外出張先はブラジルになるかもしれません。・・・都知事の政治責任に加え、多くの国民が「東京五輪」の合言葉に込めてきた、平和への思いもまた重くのしかかるからです。それは平和だからこそ五輪も開ける時代を、尊いと思うこと。その尊さを身に染みてよく知っており、代々大切にしてきた日本人ならではの「思い」といえるでしょう。・・・「平和国家」になった日本は、六四年東京五輪を弾みに空前の繁栄を享受した。いま急速な高齢化が進む先の未来に、どれだけ繁栄の果実を引き継げるか微妙だが、「平和国家」は引き継げます。むしろ引き継がねばならない。先人たちが平和への思いを託した「東京五輪」が再び巡ってくるのなら、なおさらしっかりと。三週間後、ブラジルで誰かしら五輪旗を受け継ぐ舞台に重ねて、私たちの「平和国家」の引き継ぎにも思いを馳(は)せてみるのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016073102000140.html

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法王、「カウチポテト」にノー シリア犠牲者に祈り(2016/07/31琉球新報)
【クラクフ共同】ローマ法王フランシスコは30日夜、ポーランド南部クラクフ郊外で開かれた若者との交流行事に参加し、シリアなど世界各地で紛争や流血が続く現状に目を向けず、ソファで寝転んでいる「カウチポテトにならないように」と訴え、犠牲者らのために参加者と共に祈った。行事にはイスラム過激派によるキリスト教徒迫害が続くシリアからランド・ミトリさん(26)が参加。「私たちの町は破壊された。毎朝出掛ける時には、帰宅したら家や家族を失っているのではないか、自分は今日殺されるのではないかという恐怖に襲われる」と日常的に死と隣り合わせで暮らす思いを打ち明けた。

http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-326753.html

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数字から見るドイツの自然(2016/07/01ドイツニュースダイジェスト)
ドイツには現在、16の国立公園、15の生物圏保護区、104の自然公園、そして8000以上の自然景観保護地区があり、これらを合わせた面積は、国土の約48%に相当する。ドイツの森林は、モミの木に似ているトウヒ(25%)、松(22%)、ブナ(15%)などで構成され、7万7500種類の野生動物が生息している。ドイツには、北海とバルト海という二つの海と、ライン川(865km)、エルベ川(727km)、ドナウ川(647km)など国境を越えて流れるいくつもの河川がある。
http://www.newsdigest.de/newsde/features/7897-7-great-views-of-germany.html

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連続テロ事件後のメルケル首相記者会見(まる / 2016年7月31日みどりの1kWh)
ヴュルツブルク近郊を走行中の列車内で斧を振り回し、香港からの観光客4人に重傷を負わせた容疑者は、付き添いがいない17歳のアフガニスタン人で、難民申請中でした。アンスバッハで自爆して12人にけがをさせた容疑者は、27歳のシリア人で、2年前に難民申請を行い、断られていました。メルケル首相は、事件の犯人たちについて「自分たちを受け入れた国を辱めた」と批判しましたが、「迫害や戦争を逃れようとする人たちは保護される権利がある」「ドイツは保護されるべき人を受け入れるという理念を堅持する」と、結局これまでの基本的な態度を変えないことを表明しました。・・・ちなみに、ミュンヘンのショッピングセンターで18歳の高校生が乱射した時には、おそらく誰もが最初は「ISだ」と思ったことでしょう。米国のオバマ大統領やフランスのオランド大統領もそれを前提にした声明を、事件当日に出していました。一方で当事国のメルケル首相が発言を控えていたのが目立ちましたが、今から考えれば、それが賢明だったようです。なぜなら、犯人はISとは関係なく、ドイツのヴィネンデン(2009年)やノルウェーのウトヤ島(2011年)で起きた無差別殺人事件に共感を得て、入念に犯行を計画してきたこと、学校でいじめにあって孤立していたことなどが取り調べでわかってきたからです。
http://midori1kwh.de/2016/07/31/8401

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基準地震動  規制委への不信が拭えぬ(2016/07/31京都新聞)
これで果たして「魂」が入ったといえるのだろうか。東京電力福島第1原発事故を受けて、原子力規制委員会が原発の新規制基準を決定してから、3年が過ぎた。田中俊一委員長は当時、「真価が問われるのは今後の審査で、そこに魂が入るかどうかだ」と強調していた。
 その姿勢に疑問を抱かざるを得ない事態が起きた。関西電力大飯原発(福井県)で審査済みの基準地震動をめぐり、前委員長代理の島崎邦彦東京大名誉教授が、計算式に問題があるとして過小評価の恐れを指摘したことへの対応だ。基準地震動は、原発の耐震設計の目安となる揺れの大きさを表す。安全対策の根幹となるデータだ。それが適切に算出されていないとするなら、直ちに審査をやり直し、耐震性の強化に乗り出す必要がある。・・・田中委員長は「拙速だった。反省をしている」と述べたが、再計算の甘さに気づかなかったのは、過小評価という批判を否定するのを急いだためと見られても仕方あるまい。規制委はその後、「審査で了承済みの地震動は不確かさを考慮の上、安全面に立った相当大きな設定だ」として再び見直しは不要との判断を示した。
 だが、これではとても納得できない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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<社説>沖縄研究会設置 根本から基地駐留の議論を(2016/07/31琉球新報)
 全国知事会が沖縄の基地負担軽減を議論する研究会の設置を決めた。昨年12月に沖縄県からの提案を受け、今月29日に開かれた福岡県での全国知事会議の最終日に全会一致で了承された。翁長雄志知事は会議で「沖縄の基地問題は一都道府県の問題ではなく、日本の民主主義と地方自治が問われている問題だ」と呼び掛けた。知事会長の山田啓二京都府知事は「共通の理解をつくり、沖縄の皆さんに寄り添っていきたい」と応じた。これを機に、沖縄への理解が全国に広がることを期待したい。・・・中谷防衛相は大臣就任前の14年3月に「分散しようと思えば九州でも分散できるが、(県外の)抵抗が大きくてなかなかできない」と話している。沖縄でどれだけ反対の声を上げても聞く耳を持たないのに、県外の抵抗には二の足を踏む。これを差別と呼ばずして、何と呼ぼう。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-326630.html

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日銀の追加緩和  手詰まり感は明らかだ(2016/07/30京都新聞)
日銀が追加の金融緩和に踏み切り、上場投資信託(ETF)の購入額を現行の年3・3兆円から6兆円に増やすことを決めた。円高や消費低迷で物価の上昇基調が揺らいでおり、政府の大規模な経済対策と歩調を合わせ、デフレ脱却への相乗効果を狙った形だ。黒田東彦(はるひこ)総裁は物価上昇率2%の目標を堅持したが、空前の規模の金融緩和を始めて3年余りで3回目の追加緩和は、政策効果が表れていない証しにほかならない。市場は小規模な追加策との失望から一時大きく円高・株安に振れるなど乱高下した。金融政策の手詰まりが一層浮き彫りとなり、日本の経済、財政への不安を広げていることを憂慮せざるを得ない。・・・今後の経済情勢の急変に備え、量や金利の緩和を温存したとの見方もあるが、それだけではない。すでに日銀の年80兆円の買い増しで国債の流通量は品薄で、上積みの余地は小さい。今年2月に初導入した「マイナス金利」政策は、収益低下から銀行の反発が強く、年金積立金などの運用難で企業業績にも影を落としつつある。黒田総裁が否定しても緩和策が限界に近いのは明らかで、広がっている弊害を直視すべきだ。政府支出を日銀が丸抱えしているとみられ、財政や通貨への信認を損なうリスクも高まっている。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160730_4.html

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福島で原水禁世界大会始まる(2016/07/30共同通信)
「悲劇二度と」アピール採択/原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などが主催する原水爆禁止世界大会が30日、福島市で始まった。東京電力福島第1原発事故の被災者や原爆の被爆者ら約750人(主催者発表)が参加し「福島の悲劇を二度と繰り返さないためにも、原発も核もない平和な社会の実現に向けた運動を進める」とのアピールを採択、市内をデモ行進した。

http://this.kiji.is/132046283094738427?c=39546741839462401

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原子炉底部に160トン残存か 福島第1原発2号機、デブリ透視調査(2016/07/30福島民友)
 物質を透過する素粒子「ミュー粒子」で透視した東京電力福島第1原発2号機の状況について、東電は28日、溶け落ちた核燃料(デブリ)の大部分が圧力容器の底に残っているとみられるとの調査結果を発表した。原子炉の底の部分にはデブリや周辺の構造物を含め約160トンがあると推計、炉心域(シュラウド内)に残る燃料と合わせて約200トンが残っているとみている。炉心溶融が起きた1〜3号機でデブリの具体的な位置や推計量が把握できたのは初めて。来年6月までの取り出し方針の決定に向け重要な検討材料を得た。しかし、取り出し法選定にはカメラを搭載したロボットによる内部調査が必要だ。

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160729-096121.php

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リオ五輪開会式、欠席へ ブラジル、ルセフ大統領会見(2016/07/29朝日新聞)
南米初となるリオデジャネイロ五輪の開幕が8月5日に迫ったブラジルのルセフ大統領が27日、首都ブラジリアの大統領公邸で朝日新聞の単独会見に応じ、五輪の開会式を欠席する考えを明らかにした。政府会計の粉飾に関わったとして、弾劾(だんがい)手続きで職務停止中の立場。国際オリンピック委員会(IOC)の招待状が、国家元首ではなく「2番手扱い」での出席を求めるものだったとし、「この国の大統領は私。極めて悲しい」と胸中を吐露した。・・・ 一方で五輪そのものについては「成功を願っている。世界の人々が平和について考え、対話や理解を進める時間になればよい」と話した。「開会式はテレビで見る」とも言った。リオでは、治安やテロの懸念が強まっている。これに対してルセフ氏は14年のサッカー・ワールドカップなどの国際イベントを運営してきた実績を強調。「準備は整っている」とアピールした。感染拡大が心配されるジカウイルス感染症(ジカ熱)についても、「リオは冬で、蚊の活動が弱まっている。駆除も徹底してきた」と述べ、心配ないとの考えを示した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12485019.html

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ASEAN会議  南シナ海の安定目指せ(2016/07/29京都新聞)
 東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議がラオスの首都ビエンチャンで開かれた。南シナ海のほぼ全域で中国が主張する主権を否定した仲裁裁判所の判断後、初めて開かれた外相会議だったが、共同声明では仲裁判断への言及を見送った。背後にはカンボジアを中心とした親中国の加盟国による激しい抵抗があった。影響力を行使してASEANの分断を図り、仲裁判断を無視して周辺海域の実効支配強化を目指す中国の姿勢は看過できない。中国の王毅外相はASEAN関連会合出席のためにビエンチャン入りした後、ブルネイ、シンガポール、タイ、カンボジアなどの外相と相次いで会談した。南シナ海で中国との領有権争いを抱え、仲裁判断を尊重するよう求めるフィリピンやベトナムとの切り離しを狙った形だった。・・・日米中などの外相が参加したASEAN地域フォーラム閣僚会議では、米国や日本が中国に仲裁裁判所の判断を尊重するよう要求したが、中国は受け入れを拒否する従来の立場を堅持し、双方の溝は埋まらなかった。国際法の順守を中国に求めることは重要だが、圧力を強めるだけでは地域の緊張を高めるばかりだ。国際社会は連携して実効的な行動規範の策定を後押しし、南シナ海における領有権問題の平和的な解決を促していく必要がある。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160729_4.html

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「てんとう虫」など7件、機械遺産に(2016/07/29朝日新聞)
歴史的に技術面で意義のある機械遺産に「てんとう虫」の愛称で親しまれた軽自動車「スバル360」など7件が決まった。日本機械学会が8月7日の「機械の日」に認定する。機械遺産の選定は今年で10回目で計83件になった。スバル360は富士重工業が1958年に販売を開始。航空技術を応用した軽量でも強いボディーが特徴で、70年の生産終了までに39万台を生産する大ヒットを記録した。・・・また、66年に商用地熱発電所として初めて運転を始めた松川地熱発電所(岩手県)や62年に開発された回転ブラシ付きの自動洗車機(愛知県)も選ばれた。このほかは「二段膨張式船舶用蒸気エンジン」(埼玉県)、国産最古級のレジスター「ゼニアイキ」(東京都)、「特許タツノ式ガソリン計量機 型式25号」(神奈川県)、「樫野埼灯台の光学系機械装置」(和歌山県)。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12485120.html

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トルコ、メディア131社閉鎖命令 クーデター未遂受け、薄まる政権批判(2016/07/29朝日新聞)
クーデター未遂事件後、非常事態が宣言されたトルコで、報道機関への締め付けが強まっている。エルドアン大統領が事実上の指導者を務める与党・公正発展党政権は27日、新聞やテレビなど計131社に政令で閉鎖を命じた。メディア側には自粛ムードが漂い、政権批判は影を潜めている。閉鎖を命じた報道機関について、政権は事件の「首謀者」と主張する米国亡命中のイスラム教指導者ギュレン師や、その信奉者らの団体と「関係がある」としている。多くは地方の小規模な報道機関だが、今年3月に政府管理下に置かれた日刊紙ザマンなど、全国的に有名な報道機関も含まれる。内訳は新聞45社、通信3社、テレビ16局、ラジオ23局、出版29社、雑誌15社。・・・クーデター未遂事件後、大手紙や主要テレビ局では、政府の対応に理解を示す論調が目立つ。政府が公務員ら6万人以上を拘束したり解任したりしていることについては、事実を淡々と伝え、人権侵害の恐れに言及するケースはほとんどない。大手紙に長年勤めた後、フリージャーナリストになった40代男性は「政権は非常事態を使って、批判的論調の報道機関を閉鎖に追い込み、批判的記事を書いてきた記者を拘束している。まるで魔女狩りだ」と話した。(イスタンブール=福山亜希、春日芳晃)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12485057.html

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政治とカネ 不信いまだ解消できず(2016/07/29東京新聞)
カネがかかる元凶とされた衆院の中選挙区制が廃され、政党、政策本位を掲げて小選挙区制が導入された。無理なカネ集めをやめるよう政党には国から年約三百二十億円の交付金も支出されている。しかし腐敗の温床とされた企業・団体献金は政党向けは残り、交付金との二重取りが続く。政治資金規正法は抜け道も指摘される。疑獄事件は鳴りをひそめてはいるが、法の抜け道を利用した政治資金の不適切使用は後を絶たない。「首都の顔」でもある東京都知事が二代続けて「政治とカネ」の問題で任期途中の辞任に至ったのは、やはり異常な事態だろう。・・・中央、地方を問わず、「政治とカネ」に対する国民の不信は、とても解消したとは言えない。憲法改正よりも、この国が直面し、対応が必要な喫緊の課題である。・・・何よりも大切なのは倫理観だ。政治にカネがかかることは理解するが、有権者に後ろ指をさされるようなことはすべきでない。自らの蓄財に使うなど言語道断だ。
 政治資金は正しく集め、正しく使う。政治に携わるすべての人がいま一度肝に銘じるべきである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016072902000147.html

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難民の受け入れ、ドイツ継続表明 首相「歴史的な使命」(2016/07/29朝日新聞)
ドイツのメルケル首相は28日、ベルリンで会見し、難民の受け入れについて「私たちの歴史的な使命である」と述べ、受け入れを継続する決意を表明した。難民らによる襲撃事件が相次いでいることを背景に、ドイツ国内では難民に寛容な政策に対する批判が高まっている。メルケル氏は昨夏、大規模な難民の受け入れを表明。昨年の受け入れ数は100万人を超えた。メルケル氏は「歴史的な挑戦だが、われわれなら成し遂げられる」「人間の尊厳は不可侵であるという基本法(ドイツ憲法)の理念に従うべきだ」と述べた。一方、今後の対策として、罪を犯した難民の強制送還を容易にしたり、テロの際に軍隊の出動を可能にしたりすることなどを挙げた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12485053.html

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<社説>オスプレイ隠蔽 米軍基地が障害だ ヘリパッド止め世界遺産に(2016/07/29琉球新報)
ヘリパッド建設を巡る国のまやかしが、また明らかになった。那覇防衛施設局(当時)が2007年に作成した環境影響評価図書によると、県がオスプレイの運用をただしたのに対し「使用機種の変更はない」と回答していた。政府は早くから米軍のオスプレイ配備計画を知りながら、その事実を隠蔽(いんぺい)し辺野古新基地建設、米軍北部訓練場内へのヘリパッド建設を進めてきた。06年には在沖米軍のトップが普天間飛行場へのオスプレイ配備を明言。ヘリパッドでのオスプレイ運用が疑われたが防衛施設局は否定し、うそにうそを重ねたのだ。・・・うその始まりは1996年。沖縄の負担軽減に向けた日米特別行動委員会(SACO)最終報告。米側が草案にオスプレイ配備を記載したが、国内の反響を恐れた日本側が削除させたのだ。07年の環境影響評価図書を巡っては、ヘリパッド建設候補地周辺で、国の特別天然記念物ノグチゲラの多数の巣穴が確認されていたことも明らかになったばかりだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-325330.html

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(社説余滴)国益優先ばかりでは寂しい 沢村亙(2016/07/29朝日新聞)
「(イラク大統領だった)フセインがいない世界は、より安全になった」と主張する声は震え、みけんには深いしわが刻まれていた。英国のイラク戦争参加について「平和的な方策を尽くす前に侵攻した」と、過ちを厳しく断じた独立調査委員会が報告書を公表後、記者会見を開いた参戦時の英首相トニー・ブレア氏を動画で見た。18年前に私が初めて英国に赴任した時、首相就任2年目のブレア氏はまぶしく輝いていた。左でも右でもない「第三の道」の路線が国民を魅了し、経済も好調だった。イラク戦争をはさんで2度目に赴任した5年前、ブレア氏の名声は地に落ちていた。179人の英国兵が命を落とし、なおも混迷の出口が見えないイラクの状況に、英国民が「政府にだまされた」と憤るのは無理もなかった。・・・さて、昨今の英国。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に欧州でいち早く参加を表明するなど、損得勘定を優先して中国に急接近する外交姿勢を英紙は「オランダ化」と形容した。大国志向を捨てて国際社会での役割を自ら縮小していく様を、かつての海洋国になぞらえた。そして欧州連合(EU)からの離脱決定。内向きな「国益優先」ばかりが声高に叫ばれる。イラク戦争のような勇み足はあったにせよ、人権や人道など普遍的理念を愚直に外交の柱に据えてきた国の存在感が薄れゆくのを、寂しく思う。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12484941.html

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(声)不安が現実になった障害者殺傷(2016/07/29朝日新聞)障害者支援施設職員 大野安彦(愛知県 58)

 神奈川県の障害者施設で殺傷事件が起きた。施設の元職員である容疑者は「障害者なんて生きていても無駄だ」という考えを持っていたという。事実だとすれば、ナチスが優生思想から障害者を抹殺した歴史さえ想起させる。障害者福祉に携わる者にとって、極めて衝撃的だ。報道からは「一個人による想像を絶する凶行」という印象を受ける。しかし、「一抹の不安が現実となった」と感じている関係者は私だけではないだろう。ちまたでヘイトスピーチが行われ、移民排斥や「国境に壁を」という主張が国内外で堂々となされるご時世である。少数者を排除、迫害する風潮が障害者に向かうのではないかという懸念が私にはあった。多くの障害者施設は地域に開かれた施設を目指し、差別や偏見を減らす取り組みを、長い時間をかけて続けてきた。今回の事件を機に「警備強化」の名目で施設と地域の交流が減るなら、それは本末転倒と言わざるを得ない。一般市民が、障害者をはじめ様々な少数者の存在を常に忘れずにいてくださるよう願う。それが、このような事件をなくすための大切な道であると信じたい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12484944.html

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(声)若い世代 私だけの人生の物語を描きたい(2016/07/29朝日新聞)中学生 田中采瑠(東京都 12)

 「人生は誰もが描ける物語だ」。小学生の頃に読んだ本にあった言葉です。私は小さい頃から、おとぎ話を聞いたり読んだりするのが好きで、「物語の中に入ってみたい」と夢見ることがよくありました。だから、「ああ、こういう考え方もあったんだ。だったら、私の夢は生まれた瞬間にかなっていて、今もこれからもずっと物語の中にいるんだ」と思いました。そして、人はみんな違うから、世界に一つしかない物語が世界の人口分だけあるのだと分かりました。「人生の物語」は本ではないので、読み返すことは不可能です。でも、思い返したときに良い気持ちになれるような、おもしろく、楽しく、充実した、私だけの人生の物語を描いていきたいです。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12484948.html

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内向き志向、未来へ影 米大統領選 アメリカ総局長・山脇岳志(2016/07/28
朝日新聞)

米国の景気は日本や欧州より明るいのに、大統領選には暗い影がまとわりついている。これほど「嫌悪度」の高い候補者同士が争う米大統領選はかつてない。共和党のトランプ氏に続き、ヒラリー・クリントン氏が、民主党候補に指名され、大統領選の構図が固まった。民主党大会では、ライバルのサンダース氏がクリントン氏支持を訴えたが、拍手の中にはブーイングも交じった。初の女性大統領への期待がある一方、元大統領夫人、上院議員、国務長官といった華々しい経歴が、逆に「現状維持勢力」とみなされる。「信用できない」という印象もつきまとう。共和党大会で、トランプ氏が描く米国は暗黒時代のようだった。治安への不安をことさら強調し、米国が衰退し、他国から屈辱を受けているとみる世界観である。彼が解決策として唱える「米国第一主義」は、同盟国を軽視し、自由貿易に反対する孤立主義的な色彩が強い。トランプ氏が当選し、その公約を実行すれば、貿易の減少で、世界経済全体の減速をもたらすだろう。中国やロシアへの抑止力も弱まり、世界はさらに無極化していくだろう。第2次大戦前の高関税・保護主義が戦争の一因になったことを思い起こさせる。・・・相次ぐテロの影響もあって、移民への恐怖を含む「内向き」志向が強まっている。米国が間違った方向に進んでいると考える人は約7割に達し、トランプ氏の恐怖心をあおる手法が響きやすい。米国の繁栄は、外から資本や貿易財、人を受け入れる開放性によって支えられてきた。この大統領選は、米国と世界を暗い方向に導く転換点となる危険性をはらんでいる。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12483255.html

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働く障害者虐待、倍増(2016/07/28朝日新聞)

2015年度に雇用主や上司から虐待を受けたと認定された障害者の数は970人で、前年度の483人から倍増した。一部集計方法を変えたほか、障害者への虐待を見つけた人からの通報が増えているためだ。厚生労働省が27日、調査結果を発表した。最低賃金未満で働かせたり、残業代を払わなかったりした「経済的虐待」を受けた人数は前年の約2倍で、全体の8割だった。職場で障害者だけが虐待された場合に加えて、障害者を含む他の人も虐待された場合も集計し、人数が増えた。集計対象を変えていない「身体的虐待」や「心理的虐待」を受けた人数も約2〜3倍に増えた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12483208.html

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日本保有のプルトニウム微増(2016/07/28朝日新聞)

内閣府は27日、日本が国内外で保有するプルトニウムが2015年末時点で47・9トンになり、前年より0・1トン増えたと原子力委員会に報告した。英国で再処理された原発の使用済み燃料の分が増加した。国内では再処理工場が稼働しておらず、国内分は前年と同じ10・8トン。海外の再処理工場で保管されているのは計37・1トンで、うちフランスに16・2トン、英国に20・9トンがある。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12483210.html

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シリアのクルド人居住地、爆発44人死亡 ISが犯行声明(2016/07/28朝日新聞)

シリアの少数民族クルド人が多く住む北東部カミシュリで27日、大きな爆発があった。シリア国営通信によると44人が死亡、140人が負傷した。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。シリア北部マンビジュでISがクルド勢力に包囲され、米主導の有志連合の空爆を受けたことへの報復だとした。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12483105.html

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(ザ・コラム)凪が消えた日 世界が終わる力を想う 国末憲人(2016/07/28朝日新聞)
 8月6日午前8時15分の広島は、いつもうだるように暑い。夏晴れの下、すでに朝から強い日差しが照りつける。中心部の平和記念公園で開かれる平和記念式典への参列者の首筋に、汗がにじむ。・・・ 原爆の熱線と、続いて起きた大火を受けて、広島は灼熱(しゃくねつ)地獄と化した。そこに生じた巨大な上昇気流が、周囲から風を呼び込み続けたのである。当時の気象台は海に近い市南部の江波山にあったため、「南風」と観測されたと考えられる。この現象を突き止めたのは、広島電機大学付属高校(現広島国際学院高校)の生徒たちである。社会科学研究部の活動として86〜88年度に取り組んだ。気象台の原簿や天気図を読み込み、原爆記録を調べ、被爆者のもとを訪ね歩いて当時の天候に関する記憶をたどってもらった。成果は、同校の研究紀要にまとめられた。

 その時の生徒たちを指導した大亀信行教諭(64)は、いま語る。

 「日々繰りかえされている大気の巨大な動きを、たった一発の爆弾が変えてしまった。原爆のエネルギーがどれほど大きいか。いかにすさまじい結果を生んだか。この研究結果から実感できるのではないでしょうか」フランスの文化人類学者レヴィ=ストロースの代表作「悲しき熱帯」の最終章に「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」(川田順造訳)という有名な一節がある。しかし、広島と長崎への原爆投下を機に、人間はある意味で、自らの手で世界を終わらせる力を手にした。核兵器を操作できる一握りの人物が、全人類の命運をつかむ。他の大多数は、絶滅の恐怖におびえつつ人生を過ごす。米ソ冷戦が終結し、核戦争の脅威が遠のいて以降、私たちはこの現実を、努めて忘れようとしてこなかったか。・・・ 混乱と紛争に覆われる時代の気配が漂ういま、世界の終わりに対する想像力と危機感を回復できないか。8月6日の暑さの向こうに、この街を包んだ炎を思い出したい。風がやむ時、平和の証しを実感したい。(論説委員)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12483153.html

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クリントン候補  既成政治打破できるか(2016/07/28京都新聞)

 既成の「ワシントン政治」に反発する大きなうねりを、どう受け止めるのか。米大統領選の民主党候補に正式指名されたヒラリー・クリントン氏が背負った課題と言えよう。「政治革命」を掲げた上院議員バーニー・サンダース氏に思わぬ苦戦を強いられた。格差が根付いた米社会に不満を募らせる若者らが中心となってサンダース氏を押し上げたと言われている。クリントン氏は、予備選で亀裂が生じた民主党支持者を再結束させるためにも、サンダース氏の主張をくみ取る必要がある。・・・ 大統領選は、トランプ氏の過激・排他性と、クリントン氏のリベラル・多様性の両極に分かれたと言えよう。そうしたことより、見過ごしてはいけないのは、民主と共和の二大政党が多様な市民の声をすくい切れず、社会に大きな亀裂が生じていることだろう。予備選で大きな力となった既成政治への反発は、本選でどんな動きを見せるのか。米国の大きな分岐点になるかもしれない。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160728_3.html

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容疑者「ヒトラー思想降りた」(2016/07/28京都新聞)
措置入院中の2月/相模原の障害者施設殺傷事件で、植松聖容疑者(26)が緊急措置入院中の2月20日、「ヒトラー思想が2週間前に降りてきた」と話していたことが28日、相模原市への取材で分かった。「ヒトラー思想」の具体的な内容は話さなかった。ナチス・ドイツは障害者を「生きるに値しない生命」と呼び、組織的に殺害したことで知られる。
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20160728000072

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川内原発、8月にも停止要請(2016/07/28共同通信)
鹿児島新知事、九電に/10日投開票の鹿児島県知事選で初当選した元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏(58)が28日、初登庁した。三反園氏は就任記者会見で、8月下旬にも九州電力に対し、再稼働している川内原発(同県薩摩川内市)の一時停止を要請する考えを示した。「熊本地震を受けて原発に不安がある。いったん止めて再点検・再検証をやるべきだ」と述べた。
http://this.kiji.is/131232577743767029?c=39546741839462401

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自民党「偏向教師密告」サイトの波紋 「まるで戦前の思想統制」(2016/07/28毎日新聞)
心配である。参院選で大勝し、かつてない巨大権力を手に入れた自民党が、だ。これまでも強引な政治手法は批判されてきたが、さらに党のホームページ(HP)上で「政治的中立を逸脱した学校の先生がいたら名前などを教えて」という趣旨の「調査」に乗り出し、「まるで戦前」と波紋を広げているのだ。歴史をひもときながら取材すると、「中立」とは言い難い、彼らの本音も浮かび上がる……。・・・ういえば、東京都知事選では、自民党都連が党所属の国会・地方議員に「議員の親族が党推薦候補ではない人物を応援すれば議員本人を処分する」との“お触れ”を出したばかり。その自民党が行う「調査」を額面通りに受け取っていいものだろうか。「治安維持法下の戦前も、まさに『調査』名目の教員の監視や弾圧があったのですが……」と眉をひそめるのは戦前の教育行政に詳しい小樽商科大教授の荻野富士夫さんだ。1925年施行の治安維持法は「国体変革」などを目的にした運動・団体の摘発が狙いだったが、28年の改正でこれに関わる一切の行為も取り締まりが可能になり、政府批判すら弾圧対象になった。・・・「民主社会の主権者に最も必要なのは、自分たちが選んだ代表者(権力)に迎合せず、監視し続けて批判できる能力であり、これを身につけさせるのが教育現場の務めです。教育基本法の前文には『日本国憲法の精神にのっとり、教育の基本を確立する』とある。先生は萎縮せず、生徒が批判的に政策を見る目を養い、憲法の精神を考えさせる授業をどんどんやっていい」

・・・伊藤さんがこう指摘した。「批判をされない、あるいは許さない政府や権力は必ず腐敗する。『国益』『愛国心』『誇り』と言い募る人ほど、教育現場を含め、自分たちの政策への批判を受け入れ、多様な見解を尊重する態度が求められている。そうでないと国は滅ぶ。70年余り前に私たちはそれを学んだではありませんか」閉鎖された「調査」サイトにはこんな一文があった。「特定のイデオロギーに染まった結論が導き出されることをわが党は危惧しております」。そう主張する今の自民党の姿勢にこそ、多くの人が危惧を覚えているのだ。
http://mainichi.jp/articles/20160728/dde/012/010/002000c

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参院選「3分の2」/アベノミクス/南シナ海の主権(2016/07/28毎日新聞)
10日投開票された参院選は、与党など「改憲勢力」が憲法改正を発議できる3分の2議席を占めた。とはいえ、与党が選挙中、改憲の話を避けたこともあり、有権者に問題への理解は広まっていない。・・・敗北感をもったのは野党よりもメディアだろう。参議院選挙で改憲勢力の議席が「3分の2」を超えた。これで改憲を発議できる衆参両院の議席が確保された。実際には、開票で圧勝が判明した途端、安倍首相は改憲方針を隠さなくなった。テレビのインタビューで、参院選では憲法改正の是非を問うていなかったと認めたうえで、こう語った。「今後はどの条文をどのように変えるのかという議論に移るので、憲法審査会を動かしていきたい」「憲法改正は自民党立党の党是でありますから」

 “中立公平”で縛られてきたテレビは自由で批判的な報道を封じられたうえ、後出しジャンケンのように改憲を持ちだされた。改憲は以前からの公約であり、有権者はそれを認識したうえで投票したはずという首相の持論。だが選挙戦でまったく語ってこなかったのに、有権者が知っていると強弁するのは不遜だろう。

 こうした安倍首相の姿勢については、右派陣営からも厳しい声が上がった。かつて「参院のドン」と呼ばれた村上正邦元参院議員会長は選挙翌日に筆者が訪ねると、改憲を争点にしなかった安倍首相の姿勢を「こそくだ」と断じた。・・・こうして見ると、首相だけでなく、改憲「議論」を許容する空気はある。問題は「改憲」「護憲」という大ざっぱな二択の話ではなく、憲法のどこをどう変えるかという各論の議論となるだろう。・・・

改憲ではしばしば、9条の「国防軍」の追加が注目されるが、より深刻なのは他の項目だ。13条の生命・自由・幸福追求権では「公共の福祉」から「公益及び公の秩序」と公権力に近い記述に変更され、19条の思想及び良心の自由でも「侵してはならない」が「保障する」と介入の可能性がうかがわれる表現になった。

 また、安倍首相が言及してきた戒厳令のような「緊急事態条項」も、なぜ必要なのか説明されていない。・・・「経済は人の暮らしのためにあるもので、国家のためにあるわけではない」(竹信三恵子)。もはや「賢明なる人々は、地下に潜って逆襲を始める時代をいま迎えつつある」(浜矩子)との認識は決して大げさではない。三菱東京UFJ銀行のプライマリーディーラー返上は「安倍政権に対するいい警告」(浪川攻)であり、レジスタンスなのである。
http://mainichi.jp/articles/20160728/ddm/004/070/014000c

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「刑務所ゼロ」、奈良に波紋 独自の教育惜しむ声(2016/07/27朝日新聞)
 奈良少年刑務所(奈良市般若寺町)の受刑者の収容を、法務省が今年度で停止する方針が明らかになった。47都道府県で奈良県のみが「刑務所ゼロ」となる。こまやかな矯正教育で知られていただけに、突然の閉鎖に波紋が広がる。同刑務所で、収容者の悩み相談や助言にあたる篤志面接委員の協議会会長を務める大川哲次弁護士(68)は「閉鎖は反対」と憤る。2006年、同刑務所は性犯罪再犯防止指導の基幹施設に指定された。全国に2施設。詩作を通じて受刑者に自分の苦しみや悲しみ、罪の意識と向き合ってもらう「詩の授業」も07年から月に1回開く。大川さんは「どの刑務所に、代わりが務まるのか」と話す。
http://www.asahi.com/articles/ASJ7Q4JV0J7QPOMB011.html?iref=comtop_8_03

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(興流インド)インドの口座、爆増中 貧困層に低金利で融資(2016/07/27朝日新聞)
インドで銀行の口座数が急増している。金融サービスから隔離された地方の農民らに口座開設を促す政府主導の「国民皆口座」運動が奏功し、この2年弱で2億2千万口座が誕生。その驚異的なペースはギネス世界記録にもなった。銀行が預金の受け入れや融資などに応じることで、経済成長の土台となる貧困層の生活の底上げをはかる狙いがあるが、課題も多い。・・・世界最速、1週間で1800万口座世界銀行によると、インド国民の銀行口座保有率(15歳以上)は2011年に35%。14年には53%まで高まったものの、日本の97%に比べるとまだ低い。しかもインドでは貧困層の約8割が農村部に集中し、貧困層の生活水準をいかに底上げできるかが経済成長の行く末を左右する。そこでモディ首相が貧困対策として14年8月に始めたのが「国民皆口座」運動だ。低金利の少額融資などを農村部に広げ、高金利で農民らに貸し付ける違法業者を排除し、農機具の購入資金や子供の教育費などを必要とする農民を手助けする狙いがある。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12481327.html

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(社説)相模原の事件 犯行生んだ闇の解明を(2016/07/27朝日新聞)
障害を抱える老若男女が静かに暮らす施設で、身の震えるような事件がおきた。相模原市できのうの未明、26歳の男が施設に押し入り、知的障害者ら19人の命が奪われ、多くの人が負傷した。その経緯から浮かび上がるのは、強烈な殺意と、不気味に冷静な計画性である。犯罪史上でも特筆される異様な事件だ。・・・男の言動について連絡を受けた市は2月、精神保健福祉法にもとづいて、男が自分や他人を傷つける恐れがあるとして措置入院させていた。12日後には入院の必要はなくなったと診断され、退院したという。・・・退院時には、家族と同居する約束になっていたが、実際にはどうだったのか。男の治療と見守りは十分だったのか。本人と家族への支援体制や、医療と警察との連携などについて、綿密に検証する必要がある。男は4、5年前には教員を目指しており、教育実習先の学校では子どもたちから慕われていたという。穏やかな人柄とみられた若者が一転、犯行に走った背景に何があったのか。現代社会のありようも含めた広い視点から今後の捜査を見つめ、考えるほかない。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12481485.html

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【動画】宇宙から見た地球の1年、NASAが公開(2016/07/27ナショナルジオグラフィックス)
 これまで見たことがないような、私たちのふるさとの姿がここにある。約150万km上空から地球の1年間をとらえたタイムラプス動画をNASAが公開した。米国海洋大気局(NOAA)の深宇宙気候観測衛星「DSCOVR」が撮影した数千枚の写真からなる動画は、2015年6月に科学データの収集を始めた同衛星の運用1周年を記念して作られたものだ。高度な物理学のおかげで可能になった特別な視点によって、科学者は月の反対側を見たり、太陽風を観測したりできるようになった。・・・ DSCOVRは地球軌道を周回しているわけではない。地球の日の当たる側の上空150万kmに位置する、地球と太陽の引力が釣り合うラグランジュ点1に静止している。この固有の駐機場にあるDSCOVRは、世界初にして唯一の地球観測専用の探査機である。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/072600277/

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英のイラク報告  日本も真摯に検証せよ(2016/07/27京都新聞)
英政府の独立調査委員会が今月、イラク戦争への参戦は失敗だったとし、当時のブレア政権の判断を批判する報告書を発表した。7年かけて関係者150人以上から聴取し、15万件以上の政府文書を分析した結果である。報告書は6千ページ以上に及ぶといい、徹底した検証姿勢を評価したい。英国は、2003年にブッシュ米政権が主導して始めたイラク戦争に、強い反対世論を押し切り参戦、英兵179人が死亡する大きな代償を払った。だが、開戦の大義とされた大量破壊兵器は見つからず、参戦経緯の検証を求める声の高まりを受けて09年に設置されたのが、第三者による独立調査委員会だ。報告書や委員長声明によると、英国の参戦判断はイラクが大量破壊兵器を保有するとの誤った情報に基づいてなされたと指摘。イラクのフセイン政権による差し迫った脅威は当時なかったとした。調査では、開戦前にブレア首相がブッシュ大統領への書簡で「何があってもあなたと共にいる」と強い支持を伝えていたことも分かった。米国との関係を重視するあまり、曖昧な情報を基に参戦した責任は免れないだろう。

イラク戦争の検証は米国でまず行われ、04年に米中央情報局(CIA)主導の調査団が大量破壊兵器はなかったと認定。翌年、独立調査委が「大量破壊兵器を巡る判断で情報機関が致命的な誤りを犯した」との報告書をまとめた。戦争を支持したオランダも独立調査委が10年に戦争の国際法上の根拠が不十分だったとした。こうした姿勢とは対照的に、検証に消極的なのが日本政府だ。開戦当時の小泉純一郎政権は米国を支持、自衛隊は復興支援や輸送業務に従事した。だが、日本政府は第三者による検証をせず、民主党政権下の12年に外務省が一部の同省幹部の聞き取りや公電などの調査をしただけで、大量破壊兵器に関する事実誤認はやむを得なかったと結論づけた。公表した報告書は4ページの概要にすぎない。安全保障法制の成立で自衛隊は米軍との結びつきを強めており、今後、海外派遣の要請が増えていく恐れがある。安倍政権は小泉政権の判断を妥当だったとするが、誤った判断を回避するには過去の十分な検証が不可欠だろう。日本が支持したイラク戦争は過激派組織「イスラム国」台頭の要因ともなり、世界にテロの脅威を与えている。そんな現実も見据えた真摯(しんし)な検証を求めたい。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160727_3.html

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相模原殺傷事件  犯行は残忍で言葉失う(2016/07/27京都新聞)
相模原市の障害者施設に男が侵入し、入所者数十人が次々に刺された。19人が死亡し、26人が重軽傷を負った。男は施設の元職員とみられ、「ナイフで刺したことは間違いない」と話している。19人もの犠牲者を出した殺人事件は戦後、前例がない。動機や背後関係の解明を待ちたい。・・・警察当局によると、「他害の恐れがある」として、精神保健福祉法に基づき、3月まで措置入院させたという。こうした経緯がありながら、今回の容疑者の犯行をなぜ事前に防げなかったのかが捜査の重大なポイントとなる。多くの障害者が首を狙われており、就寝中に無抵抗だったと思われる入所者を狙う犯行は残忍で、卑劣きわまりない。男が「障害者なんていなくなってしまえ」という趣旨の発言をしたことには言葉を失ってしまう。
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160727_4.html

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<社説>ノグチゲラ営巣 米軍優先で森を壊すな(2016/07/27琉球新報)
国の天然記念物ノグチゲラは非常に特異な鳥だ。沖縄本島北部やんばるの森にしかいない。世界で最も分布域の狭いキツツキの一種だ。キツツキの仲間は、名の通り丈夫なくちばしで木をつつき、樹皮下に潜む虫を食べる。だが、ノグチゲラは木だけでなく、地上に降りて土をつつき、セミの幼虫やクモなどを掘り出す。約200種のキツツキの中で、土中から餌を得るのが報告されているのはノグチゲラだけだという。 さらに毎年同じ雄雌でつがいをつくる「一夫一婦制」で、雌は木をつついて餌を採る一方、雄は地中の虫を掘り出す。餌を食べ分けることで狭いやんばるの森で争わずに生き延び、種を維持したとみられる。いわば、やんばるの森の象徴だ。・・・ノグチゲラは国際自然保護連合や環境省が指定する絶滅危惧種で、保護は急務だ。地元の東村は生息域への無断立ち入りを禁止するノグチゲラ保護条例を制定した。種の保存が必要とされているからこそ、ヘリパッドを建設する沖縄防衛局は3〜6月の営巣期間は音の出る工事を休止するとしてきたはずだ。県鳥でもあるノグチゲラを残すには、貴重なやんばるの森を維持することである。軍事機能強化を優先して、森を切り開き、オスプレイの音や排気熱で環境を破壊することではないはずだ。
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-324054.html

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平和継承 海越える大書 舟入高・大段さん 来月、NZで展示 広島(2016/07/27ヒロシマ平和メディアセンター)
舟入高(広島市中区)書道部の3年大段沙那さん(17)が、平和への思いを次代につなごうと「継承」の2文字を大書した作品を、8月にニュージーランド・ウェリントン市である子どもたちの平和美術展に出品する。同市が平和首長会議に加盟している縁で実現。「被爆地の若者の決意が伝われば」と願う。荒々しく力強い「継承」の文字が縦240センチ、横90センチの画仙紙の中央に躍る。被爆70年の昨夏に書いた県書道展への出品作。「平凡な日常を過ごす幸せを」などと自作の詩も添えている。 ・・・美術展はウェリントン市などの主催で7〜28日にある。大段さんは「広島の悲劇と復興に興味を持ってもらえたら」と話している。(森戸新士)
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=62049

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(特派員メモ ウランバートル)草原の国、広がるエコカー(2016/07/26朝日新聞)
 モンゴル総選挙の取材で首都ウランバートルを訪れた。市内を取材していて驚いたのは、トヨタのハイブリッド車「プリウス」が多いこと。プリウスがない景色を探すのが難しいくらいだ。日本から輸入された中古車がほとんどで、中古車市場では1997年に登場した初代モデルから、プリウスがずらり。売れ筋は2代目モデルで、価格は1千万トゥグリク(約50万円)前後という。・・・ さらに政府がハイブリッド車に対する優遇税制を採用したことが、人気を決定づけた。中古車商のウランツォクトさん(26)は「毎月15台近く売れている。日本製は最高だよ!」と笑った。モンゴルでは冬場の石炭ストーブによる大気汚染が深刻化している。大草原にふさわしい青空を守るためにも、エコカー人気が続いてほしい。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12479587.html

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IOCの決定  五輪の価値を貶めるな(2016/07/26京都新聞)
 人権への配慮とは言うが、あまりに無責任な態度ではないか。国際オリンピック委員会(IOC)は緊急理事会で、国ぐるみでドーピング(禁止薬物の使用)に関わっていたロシアの扱いを協議し、リオデジャネイロ五輪で全面排除はしないことを決めた。厳しい条件を付け、ロシア選手の出場の可否は各競技を統括する国際連盟(IF)の判断に委ねた。公平公正はスポーツの根幹である。五輪を主催するIOCが毅然(きぜん)とした態度を示さず、IFに判断を丸投げして「逃げる」とは、失望を禁じ得ない。国家としてのロシアの責任を不問にしたことも将来に禍根を残した。IOCのバッハ会長は「国全体での連帯責任と、個人の(出場する)権利とのバランスをとった」と説明した。体操や柔道のIFはロシア選手に不正はないとして出場を支持しており、過失のない選手に五輪参加の道を残したことは一見、理にかなっている。ただ、世界反ドーピング機関(WADA)は今回の決定を「大きな誤り」と批判する。リオ五輪開幕まで、あと11日。出場を望むロシア選手全員について、国際基準に沿ったドーピング検査を受け、その結果がどうだったのかを調査・判断する時間と能力が個々のIFにあるとは思えない。疑わしい選手への徹底した検査で多くの違反を未然に防いだロンドン五輪(2012年)でさえ、最新の分析機器による再検査で後日、大量の違反者が発覚した。時間を理由に、おざなりのチェックで出場を認めれば、五輪の歴史に汚点を残しかねない。

http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

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(声)見る気なくす「ワイプ」やめて(2016/07/26朝日新聞)主婦 中嶋智子(千葉県 61)

 私の楽しみはテレビを見ることです。でも、最近は好きな番組を見ている途中で、スイッチを切ってしまうことが多くなりました。理由は、番組に登場する人たちの顔がテレビの画面の左右上下に入れ代わり立ち代わり小さな画面として映し出される「ワイプ」という手法が嫌だからです。最近はこの手法が特に増え、NHKも民放も流行のようにやっています。欠かさずに見てきた多くの好きな番組が、ワイプのせいで画面が複雑になり、内容に集中出来ず、見る気を無くしてしまいました。ワイプが憎くてたまりません。テレビ局の方々に、ワイプが本当に必要なものなのかを真剣に考えて欲しいと思います。なくすことが無理でしたら、ワイプを見たくない視聴者がテレビ画面を切り替えることができるようにして欲しいと思います。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12479482.html

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(核といのちを考える 被爆国から2016夏:5)母の思い、後世に残す対談 切通理作さん(2016/07/26朝日新聞)

「被爆者なのに原発を許した罪は重いのでは……」。長崎で学徒動員中に被爆した86歳の母は、福島の原発事故後そう言い、小さな声でも発信したいとブログを立ち上げました。でも読者は少なく、思いは世間に届きそうにない。そんな時、尊敬する作家が励ましてくださった。「戦争体験者の話は大切。本を書く価値は絶対にある」と。 息子の私が被爆者の母の体験を聴く。その対談を本にまとめることにしました。母へのインタビューは1回1〜3時間で計9回。高校の教師だった母から戦争や原爆の話は聞いていたけれど断片的。話が「線」につながりました。庶民がいかに戦争に巻き込まれるか。子どもたちは兵器工場に動員される。男たちは戦地にとられ、残された弱い者が空襲にさらされる。その連鎖の末に原爆投下があった。弱者に向けられる残酷さが、母との対談から伝わってきました。昨年末、長崎を舞台にした映画「母と暮(くら)せば」を見ました。原爆で死んだ人が助かった人に、自分の幸せを生きたほうがいいと願う場面。母は「生き残っても良かったんだと言ってもらえた」と感じた。生き延びた後ろめたさ、申し訳なさ。重荷が解かれたのか、母の涙を見たのは初めてでした。被爆者がいなくなる日が近づいています。親が懸命に伝えよう、残そうとしている思いを受け止め、語り継ぐ。身近な試みが歴史を消さない一歩になる、と信じています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12479544.html

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福島の原発事故が発端 − 国境を越えた原発停止運動(あきこ / 2016年7月24日みどりの1kWh)
ベルギー、オランダと近接するドイツの町アーヘンは16世紀初頭まで、神聖ローマ帝国の皇帝の戴冠式が行われた町として知られている。この町はここ数年、歴史上の都市としてではなく、ベルギーの原発停止を求める町として注目を集めている。そこに住む活動家を訪ねて、話を聞いた。「福島第一原発の事故が僕たちの活動を始めるきっかけになった」と開口一番に語るのは、アーヘンで反原発運動をしているイェルク・シェレンベルグさんだ。福島原発の事故の様子を伝える映像を見て彼の頭をよぎったのが、ベルギーの老朽化した原発は大丈夫かという疑問だったという。ベルギーには、南部のティアンジュと北部のドエルに合わせて7基の原発があり、ティアンジュ原発には3つの原子炉、ドエル原発には4つの原子炉がある。ティアンジュはアーヘンから65kmのところにあり、この距離は福島市と福島第一原発の距離と同じなので、「僕たちはティアンジュ原発のことを、アーヘン1号機、アーヘン2号機、アーヘン3号機と呼んでいる」とシェレンベルグさんは言う。ドエルおよびティアンジュにあるベルギーの原子力発電所の実情について、「アーヘン反核エネルギー活動団体(AAA、Aachener Aktionsbu¨ndnis gegen Atomenergie)は様々な資料を集め、どのような問題があるのか、もし福島のような過酷事故が起きれば、どのような影響が出るのかを調べ始めた。・・・シェレンベルグさんは、反核、反原発を党是としてきたドイツのみどりの党の議員たちが、AAAの活動に消極的だったことをいぶかる。社会民主党も積極的ではなかったという。「原発反対、原発推進という政策的議論ではなく、市民にとって安全かどうかという点だけを議論したから、政策にこだわる党の協力が得られなかったのではないか。僕たちは、徹底的に住民が安全か、安全でないかということにこだわる超党派の市民団体だ」というシェレンベルグさん。彼と仲間の活動は、アーヘンでは着実に実を結んでいるように見えた。
http://midori1kwh.de/2016/07/24/8364

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再稼働中止700人訴え 住民団体全国集会・伊方(愛媛新聞2016年07月25日)
8月以降に予定される四国電力伊方原発3号機の再稼働の中止を呼び掛ける全国集会が24日、愛媛県伊方町九町の原発周辺であり、全国から集まった住民グループら約700人(主催者発表)が廃炉やエネルギー政策の転換を訴えた。 反対運動を行っている県内外の11団体でつくる伊方原発再稼働阻止実行委員会(斉間淳子代表)が主催。国道197号沿いであった集会では、伊方1号機の建設時から地元で活動する斉間代表(72)が「原発は要らないという声をつなぎ、目の前の原発をなくそう」とあいさつした。 ルポライターの鎌田慧さん(78)は「原発は現在(九州電力川内原発の)2基しか稼働しておらず、私たちの運動が勝利している」と主張。原発は駄目という世論は広がっているとし「私たちの力で絶対になくすことができる」と力を込めた。「地元住民が原発に賛成した覚えは一度もなく、再稼働に同意した覚えはない」などとした集会決議も読み上げられた。
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20160725/news20160725766.html

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メル・ダンカン氏 原稿全文  ヒロシマへ:ごめんなさい(16年7月6日ヒロシマ平和メディアセンター)

メル・ダンカン
Mduncan@nonviolentpeaceforce.org
国際NGO非暴力平和隊・創設者


私は、ローラー式アイロンの傍に立ち母と話していた時のことを思い出します。母は、服にアイロンをかけながら泣いていました。母は自らが「ブルー」と呼ぶ、今ならたぶん「うつ」と言われる状態でした。彼女は世界の状況を嘆いていました。東西の冷戦は激しさを増しており、母は核戦争を恐れていました。 母は、この世で子供を産むことが本当に正しいことなのかどうか、私に遠慮することなくいろいろと思いを巡らせていました。私は当時10歳でした。私の母、そして世界全体にとって悪い状況で、私は自分に責任があるように感じました。私は、自分が小学校に通ったときに行われた、机の下で「隠れて身を守る」という空襲避難訓練を馬鹿にしていたのを思い出します。

 今日、残忍で恐ろしい暴力から、他を思いやる全人的非暴力への変換を図るために我々はここに集まっています、それは被爆者のサーロー節子さんが、「我々の暴力と戦争への執着から離れた、文化的変容そのもの」だと思い描いているものです。しかし、ここ広島で起こったことを、世界は決して忘れてはならず、否定してはなりません。私はアメリカ合衆国の国民です。私の国が原子爆弾を製造し、投下しました。 原爆で幾千人もの人々が焼かれ、その後の世代の多くの人々に被害が残りました。何十万人もの民間人が殺されたことに対する正当な根拠というものは決して存在しません。これは、人類全体に対する犯罪です。我々は誰かの命を救うために互いを殺し合うことはしません。

ごめんなさい。


71年前に私の国が原爆を広島と長崎に投下したことだけではなく、その後自らの核兵器の所有を通じて、世界各国との関係を形作るという私の国のやり方について、私は「ごめんなさい」と言います。多くの場合において、軍事力というものが、国際社会という家族の中で兄弟や姉妹としてふるまう代わりに、弱い者いじめをするという役割を果たしているように我々には感じられます。そして、アメリカが現在1兆ドルを費やし、核兵器の近代化を行っていることについても「ごめんなさい」と言いたいです。その費用を支出することにより、世界中の飢える人々、病人、ホームレス、そしてきちんとした教育を受けられない、または機会を持たない子供たちのためのお金が奪われているのです。 ・・・古いものは死にかけており、バグダッド、ダッカ、イスタンブール、マラカル、オーランドで見られるように、暴力と混乱という反応が次々ともたらされています。けれど、古いやり方が崩壊する時には、謎が生まれます。現在のこの混乱を通じて、まさに100年前に物理学者や科学者たちが謎を探求したように、我々はもっと深いレベルで謎に耳を傾け、探求するようになっています。紛争を解決するための非暴力的な方法を生み出しているところであり、それによって近いうちに使い古された残酷な軍事的手法は廃れてしまうでしょう。必要なものは今ここに全てそろっているのです。我々は世界がどう動いているのかについて、新たな知見を獲得しているところです。我々の発見はまさに必然です。憲法第9条は、国家が戦争を放棄し、紛争を非暴力的に解決するための方針を明示しています。第9条は、維持されるだけではなく、全ての国々に対する模範として扱われるべきです。

 好奇心、勇気、創造性、そして信念を抱き、我々はこれらの発見を構築し、戦争をなくせるよう、説得力を持ち協力してまとめあげていきます。その道のりは困難なものであり、代償も大きいでしょう。規律と犠牲が必要となります。我々のなかには代償として命を失う者もいるでしょう。それでも、フランスの地質学者、神学者のテイヤール・ド・シャルダンが予測したとおり、我々が愛の力を活かすことを学ぶ時、火の再発見のような、根本的な学びが再度得られることでしょう!
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=61937

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再び「自由からの逃走」か(2016/07/25東京新聞)
世界各地のさまざまなレベルで秩序が綻(ほころ)び、液状化しているように見える。殊に厄介なのは、過激派組織イスラム国による無差別テロの拡散である。悲しいかな、最近もバングラデシュで多くの日本人が犠牲になった。不可視な敵ネットワークへの恐怖と不安から、民衆は強力なリーダーを望んでいる。欧州諸国では排外主義を掲げる極右勢力が台頭し、米国ではムスリムの入国制限を訴えるトランプ氏が共和党大統領候補に決まった。人間同士の殺戮(さつりく)行為は同じなのに、国家間の戦争に反対はしても、テロとの戦争には異を唱えない風潮がある。諦めなのか。国境が意味を失った現代、民衆は差し迫った脅威の除去を請い、権力依存へと傾くのだろう。テロの封じ込めを大義名分に、権力が肥大化しやすい時代である。裏返せば、自由や人権、民主主義といった近代社会の理念を、民衆が無自覚に放棄しかねない危うさがある。第一次大戦末期の君主制の崩壊や資本主義の進展は、ドイツ民衆を封建的束縛から解放した。同時にそれは伝統や慣習を解体し、自由ゆえの孤立感や無力感を増大させた。一九三〇年代、民衆の経済的欠乏はもとより精神的不安を解消したのはヒトラーだった。ドイツの社会心理学者フロムが「自由からの逃走」と分析したその民衆心理が、地球規模で広がらないか。今は少なくともテロが煽(あお)る憎悪や差別にのみ込まれまい。 (大西隆)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016072502000132.html

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