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2024

如月/2月/FEBRUARY

はてしなく並んだ引出し
2012/02/25  1年前、5年前、10年前、20年前・・・記憶は現在に近いからと言って鮮明なわけでもなく、その時々の印象の大きさや深さが脳裏に刻まれて収納されているのだと思います。忘却と言うレースのカーテンに覆われた記憶の引出し。表記された箱もあれば開けてみなければ分からない箱もあって、突然無意識に開く箱もあります。

一体どれだけの数があるのか分からないけど、誰にとってもそれははてしなく多い数だと思います。時間と空間と感情と理性が偶然とも必然とも判別つかない形でからみあって肉体と心に無数の歴史を刻みます。

意識してきちんと整理された「書類」もあればうやむやなまま塊のようになっている「書類」もあります。それでも1つ1つはきちんと記憶の引出しにしまわれていて、決して堆積した地層のように掘り起こさなければ見つけられないような次元のものではありません。

同じ大きさの整然とした引出しがレースの向こう透けて見えています。「あの箱は何が入っていたんだっけ?」表記のあるなしにかかわらず1つの引出しをカーテンのこちら側に運んで中をあらためればそこには「忘れていた何か」を発見できることだけは確かです。時間が経って今の自分でしか見えない文字、分からない言葉。

「過去の書類」には未来への示唆がいくつも含まれていて、そんな書類が入った箱がはてしなくある「自分だけの図書館」。4才の時に与えられた魔法。15才の春に見つけた宝石。25才の洞窟での悩ましい呪文・・・何が出てくるかわからないけれど、引出しは思った時に引き出すために作られているものですから。


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自由は人間の可能性とヒューマニズムの原点
2012/02/24  折田彦市(1849〜1920)、脈々と伝わる京都大学の「自由の学風」の礎を築いた人物です。生徒を1人1人さん付で呼び、校長室で1人1人の将来を聞いたと言います。1人1人の人格重視を重視する姿勢はまさに教育の原点であり、その心を忘れている事が今の教育が行き詰まっている原因だとつくづく思います。競争や管理や強制と言う殺伐とした環境からゆたかな人間が育つはずはありません。放任ではない「見守り」の精神。時間と忍耐が必要とされる方法ではありますが、もともと教育とは未来に向けての基礎づくりですから当然の事でもあります。

今回の原発事故で明るみに出た御用学者たちの意識の低さ、弱者の人権を守りあらゆる悪と理不尽に挑むために得たはずの知識を自らの権力や我欲のために用いる識者達。政治家に弁護士出身の人間が多くいますが、彼らの原点はどこに行ってしまったのだろうか、あるいはもともと何もなかったのではないかとさえ思えてきます。

深遠で究極の目標である「自由」の達成。いかに歩みがのろくても、紆余曲折を重ねても目指さなければならないもの。そして歪んだ権力や社会構造に対して何時の時代もその正しき指針を与え続けているのは1人1人の中に育ち、根ざす「自由」の2文字ではないかと思うのです。


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先進国の心と行動
2012/02/23  2011年7月9日にスーダン共和国から分離独立した南スーダン。首都ジュバは20年以上に及ぶ内戦で疲弊しきった街。独立寸前の7月6日のAFP NEWSに、商業の中心地コニョコニョ市場の薄汚れた路地に建築資材の店を構えているウィリアムさんは、誇らしげだ。

「ジュバはワシントンやロンドンのようではない。ハルツームやカンパラやナイロビにも劣るかもしれない。それでも新生国家の首都なんだ。誇りに思うよ。この国はまだ赤ん坊だが、われわれがゼロから作り上げていくんだ」と言う記事がありました。そんな国情の中昨年末から家畜の奪い合いに端を発した民族抗争が激化し3000人以上の死者が出て、14万人が生活の基盤を失ったとの国連推計が朝日新聞に掲載されていました。

同記事にたった一頭の子牛を守るために自動小銃を持った農民の写真が出ていましたが、片手にやせた子牛の首縄を持ち肩に武器を担いだ男性の姿はあまりにも不条理です。食べるものも不足する状況の中で、高価な武器が流通し、それが殺戮の規模を膨らませている奇妙な現実。そして南スーダンのような憎しみと報復の連鎖が世界中のあちこちで起こっている現実。グローバルとか地球家族とかの言葉が実感できるような世界のために、先進国は全力を傾けないと結局は世界そのものが崩壊してしまうのではないかと思ってしまいます。


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先進の姿勢
2012/02/20  福島第一原発事故後に「脱原発」を決定したドイツ。エネルギー消費量を抑える効率化と自然エネルギーの積極的な開発で電力の輸入より輸出が増え、原発大国フランスにも電力を輸出していると新聞にありました。再生可能エネルギーの割合は20%になったそうですが、日本では太陽光や風力、地熱など水力以外のエネルギーはたったの1%に過ぎないともありました。

原発をめぐる多くの嘘が露見し、放射能汚染の怖さを目の当たりに知り、今後長く放射能と向き合って暮らして行かねばならない現実。毎日のように地震が起こるこの国でこれだけの事故が起こればドイツより先に「脱原発」を宣言するのが当たり前だと思うのですが、未だ再稼働への固執が見えて、その意識の低さに恥ずかしくなります。

原発が無くとも知恵をしぼれば電力は十分足りると言う事も分かっていますし、再生可能エネルギーの普及は加速度的に現実味を帯びています。馬鹿げた原発に使ってきた巨額の資金を再生可能エネルギーの研究、開発に向けてきたならば今とは全く違うエネルギー状況があったに違いありません。

先見性のない施策を止めれなかった国民の責任もありますが、同じ過ちを絶対に繰り返さないことは今から決定できる事です。日本がドイツの先を進む、そんな状況をつくれば、エネルギー問題だけではなく国民の精神性もまた上昇すると思うのです。


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古代人の心
2012/02/17  現代に残されたさまざまな遺跡や古文書から想像する古代の世界。本当の時代の真実はその時代に生きた人間の心になって考えないと分からない部分が多いように思われま。現代を視点とする見方だけで過去を判断すると誤った判断を下してしまう事もあるかも知れません。

エジプト、マヤ、シュメール、アステカ、、科学の発達とともに考古学の奥行きはより深くなり過去と未来との距離は少しずつ縮んで行くでしょうが、まず現在の戦争や紛争を無くさなければその歩みはおぼつきません。話は変わりますが、K.Eマイヤー著「考古学の楽しみ」と言う本の中に哲学者モーリス・ラファエル・コーウェンが発した現代人に対する問いかけがあります。

「超人間が地球上に現れて生活がいまとは比べ物にならないほど楽しくする秘訣を人類に教えようと申し出た、と想像して欲しい」と彼は言います。

「その代わりに一年に五万人の命を代償として払わなくてはならないとしたら、そんな人身御供のような恐ろしい話は拒絶するに違いない」ところがその秘訣が自動車だとしたら・・・平成23年中の交通事故の死者は4,611人で負傷者は85万人。世界では年間130万人が事故死していると言う事実があります。

便利さと楽しさの代償。それをどう考えるかは人それぞれですが、自動車などの移動手段のみならず現代生活の便利さとひきかえに多くの命(動物や植物を含めて)が犠牲になっている事実を再認識しないといけないと思うのです。

ウラン鉱石を採るために、あるいは原発を動かすために日常的に被曝覚悟で作業する人々。今回のようにいったん事故が起これば、その犠牲は未来に渡って計り知れないものとなります。核爆弾や原発は超人類からもらったものではありませんから返すわけには行きませんが、一刻も早く「人間の手」で封印しなくてはならないと思います。


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時代の心
2012/02/15  1969年発行の創作少年少女小説と言うシリーズから出された今西祐行さんの「浦上の旅人たち」と言う本があります。小学生上級から中学生むきとありますが、読んでみると質も情熱も高く時代と人間性について深く考えさせられる内容です。他にも魅力ある本がいくつも出されているその本の巻末に出版部からの一言があってこう書かれています。

「創作少年少女小説・長編幼年童話をなぜ、出版するか」と言う見出しの下に「すぐれた文学作品を読む事は私たち人間の心の成長に、たいせつな役わりをはたします。この世の中で、何がすばらしいことなのか、なにがとうといことなのか、自分のたったひとつの生がいを、どのように生きていこうか、そんな心の問題を、深く考えさせてくれるもの、それがすぐれた文学作品なのです」と書かれています。本を出した実業之日本社、児童出版部のスタッフの子供たちに対する心意気が伝わってきます。

この世の中で何が素晴らしく、何が尊くて、人はどのように生きるべきかを小学生高学年ぐらいから考えられるような環境が今の日本にはあるだろうか?1人1人が自分の考えの中で生き方を探り、それぞれの価値観を見いだし、様々な人生を歩めるほどの教育的土壌があるのだろうか?悲しいけれどその土壌はアスファルトで固められた地面のごとく味気ないものになっています。

幼い頃から競争や不自然な目的を持たされた子供たちが偏狭で短絡的な思考に固まって行くのは将来を考えるととても恐ろしい事です。人間にとって何が大切なのか、と言う観点がすっぽり抜け落ちてしまうからです。そんな現在でも多様な教育現場で人間としての心を育てようと懸命に頑張っている人たちもいて救われる気持ちになりますが、残念ながらそのような人たちは少数です。それでも日本の未来を大切に思うならば、心ある人間はめげずあせらずこつこつと精神的な土壌を耕し続けなければいけないと思うのです。


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豊かな海と船中八策
2012/02/14  旅の車窓から海を眺めるたびに思います。全国どこを訪ねてもゆたかな海がある日本。世界には内陸国や2重内陸国もあって海を想像することすら難しい環境に暮らす人たちも多くいます。北海道から沖縄までぐるりとゆたかな海に囲まれ美しいだけではなく魚介類もまた豊富です。北海道の海岸でアルバイトをしていた時の感動。小さな漁船で前日しかけた立網を引き上げた時にかかっていた魚の数々に驚いたものです。

タコとサメ以外は名も知らない魚でしたが、カジカ、アブラコなど名前を教えてもらった魚の美味しさは海の景色とともに脳裏に焼き付いています。青森、新潟、石川、鳥取、島根、大分、福岡、鹿児島、高知、徳島、瀬戸内、美味しい海の幸と出会った記憶は限りなくあります。津々浦々これだけゆたかな海に囲まれた国は世界でも珍しく幸運な事です。しかも山の幸があります。野の幸もあります。くまなく流れる川の幸もあります。

ウランや化石燃料には乏しいけど、人間にとって本当に大切な資源はあふれるほどあって、天然資源の宝庫と言ってもよい日本です。自然を見つめ直し、今の科学力で自然の恵みと力をもっと引き出せば、世界に類を見ない環境立国になることは可能です。これだけ豊かな国で、多くの人が懸命に働いて、生活や心が豊かになるどころか精神的に貧しくなっている日本。

競争と経済に思考力を摩耗させられてきた日本。動乱の時代に坂本龍馬が船中で練った国家構想。恐ろしい戦争を経てよくも悪くも民主化が果たされた現代において、進むべき道はひとつです。豊かな精神性に向かう事こそ近代国家への道です。坂本龍馬なら言うでしょう。「もう競争や権力に固執するのは止めよう」「1人1人が賢くなって、民意が正しい光を放つような国にしよう」きっとそう言うに違いありません。


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原発を止めれない事情、大違いの日本とアルメニア
2012/02/12  資源を有さず、経済的に貧しく、国境を敵対するトルコとアゼルバイジャンに囲まれて陸の孤島となっているアルメニアの事情。1988年12月7日アルメニアで起こったスピタク大地震。マグニチュード6.9、震源地から75キロメートル離れたメツァーモール原発では5.5の揺れを観測していたが震度6以上で自動停止するよう設計されていた原発は停止する事なく運転されていました。しかし地震の際に原発からスタッフが逃げてしまい、原子炉加熱の危機も生じていたといいます。

それでも原発を止めれない事情。自然資源も乏しく財政難の国にあってはエネルギー変換の純コストが安く石油やガスなどのように国際的な要因に左右されるエネルギーに頼れないと言う事情はよく分かります。ウクライナとロシアのガス紛争を見れば分かりますが、資源国、大国の影響を受けざる得ない化石燃料より原発に依存する国内事情はどうしようもない部分もあると思います。

それでも各国の未来、人類の未来を考えるならばあらゆる政治問題を平和的に解決し、再生可能エネルギーのシステムが確立するまで原発以外のエネルギーを効率よく使ってしのがなくてはなりません。(原発に必要なウラン資源は化石燃料資源より乏しいと言う報告もあります)そしてその先陣に立たなければいけないのは日本やドイツなどの先進国です。

日本には豊かな自然があります。太陽、地熱、海洋、河川、風。反面恐ろしい地震が多発する国でもあります。世界の主要地震の1/10が起こるこの国で原発を54基もつくって来た過去はあまりにも非科学的で無責任ですが、その反省を強く肝に銘じて未来に向けて歩まなければなりません。日本とアルメニアの国情は大違いです。まず経済力があります。自然環境があります。科学技術があります。

すでに火力、水力などの代替エネルギーは揃っています。原発につぎ込んだお金を早い時期に自然エネルギー開発に向けていれば化石燃料によるエネルギーさえ減らす事が可能であったに違いありません。そして何より先進国としての正しいエネルギー政策の見本を世界に知らしめる事もできていたはずです。

後進国のシステム援助、指導、など未来における産業としても大きく飛躍し、日本はもっと潤っていたはずです。「日本は世界の中でもっとも原発をつくってはいけない国」だと思います。国是に非核三原則を持ち、地震が多発し、人口が密集し、豊かな自然(資源)があり、経済力があり、科学技術力があります。そして同じ理由で「日本は世界でいち早く再生可能エネルギーの実効性を達成できる国」になれるはずです。

日本が原発を止めれない事情は明らかにアルメニアやウクライナとは違います。日本の場合は政治と経済界の歪んだ構図です。政・官・業・学の間違った癒着です。経済や競争に溺れた日本の社会構造のあり方が原発マネーを必要としているだけなのです。反対に考えれば原発を止めれば日本のある部分の腐敗が取り除けると言う事ではないでしょうか。


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子供たちへの希望の証し
2012/02/10  原発の是非を問う住民投票の実施を目指して続けられていた署名集めが大阪に続いて東京も必要数を満たしました。東京電力と関西電力の大株主である東京都と大阪市で住民の意思を示し知事や市長に住民投票を実施する条例制定を請求するための署名集めです。

大阪市の橋下市長が「原発の是非を問うための投票に5億円も出せないと」の信じられないようなコメントを出しましたが、人道的にも経済的にも「5億円」などとは比較にならない大きな問題、重要な決定事項に対して情けないほどの意識の低さです。原発を止める事は、日本の安定した未来に対しての絶対条件ですし、子供たちへの希望の証でもあります。

東京の石原都知事も条例制定を否定するコメントを発しましたが、東京と大阪と言う日本の中心都市のトップがこれだけ意識が低いのは恐ろしい事です。彼らの頭の中には歯切れのいい言葉と独断で小さな不正と経済さえかき回していれば自身の人気は保てると言う計算があるのでしょうが、それでは単なる権力の自己満足です。どうしたら本当に安心して、がつがつせずに暮らせる国が作れるのか。

全てとは言わないけれど多くの人が、ものやお金に頼らない幸福への価値観を持てるのか。それを考えるのが首長たるものの責任です。でもすべての前に原発は一刻も早く止めなければなりません。もしまた事故があったらもうどうにもならない事ぐらい誰でも想像がつくのですから。


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グリコと前田のクラッカー
2012/02/08  江崎グリコのビスコが過去最高の45億円の売り上げだと言います。発売から80年、東日本大震災の影響で保存期間5年のビスコ缶が非常食として売れたのが要因で他に健康食品としての側面もあるようです。過剰な添加物に放射能汚染が加わって食の安全は不安を増すばかり。ビスコの缶に印刷された健康そうな子供の写真は古き良き安全な時代を思い出させます。

そう言えばビスコがどこの家庭にも置いてあった頃、四角いサンリツパンや前田製菓のクラッカーもよく食べられていました。味の贅沢をを求めて次々とお菓子は変化して当時の主流は陰を潜めてしまったけれど、安くて混ぜ物の少ない昔ながらの食品が今見直されています。

考えてみれば、聞くもの見るもの食べるもの・・・小手先や見せかけの商業主義で結構騙されているものも数多くあるのではないかと思ってしまいます。流行と言えばそれまでだけど、音楽にしても、映画やドラマにしても、食べるものにしても、本当に良くなっているのかと問えば疑問は大いにあります。

政治の退廃と教育者の萎縮を見ていると、文化そのものの退化は否めません。ビスコはそれなりに美味しいから売れるのに文句はありませんが、ビスコ缶に込められた子供の笑顔とすくすくと育つ環境が「あたりまえだのクラッカー」にならなければいけないと思うのです。


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GKB47?
2012/02/06  何の事だろう?と思ってみたら自殺対策強化月間のキャッチフレーズだと言います。「GKB47」ゲートキーパー・ベーシックの頭文字を取った標語だそうですが、アイドルグループ名「AKB48」をもじって作ったと言いますから呆れ果てます。政権の会議で担当する内閣府が決めたそうですが、何をか言わんやです。どんな馬鹿なやり取りでこんな軽はずみな決定ができるのかと信じられない会議の面々を想像します。

自殺と言う根の深い重たい問題に対してこのような無神経な言葉が出てくる事自体、この国の自殺者が異常に多い現状の一因であると考えてしまいます。そもそもキャッチフレーズで自殺の予防に対するなどあまりにも馬鹿げています。自殺はその原因を深く考え、政治、経済、教育、家庭などあらゆる角度から歪みを正さなければいけない問題です。GKB47!本当に悲しくなりますが、これが今の日本の恥ずべき現状です。  


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水と船とヒューマニズム
2012/02/05  昨年10月にソウル市長になった朴元淳氏が朝日新聞のインタビューに答えて南北関係について「人的交流や経済交流を拡大し、観光客が増えれば平和的な構図が定着する。信頼関係を積み重ね、戦争や武力衝突が不可能な状態にしなければならない」と述べ原発問題については「原発は持続可能なエネルギーなのか疑問だ。福島の事態を見れば分かるのに、続けるのは経験から学べないと言う事だ」と韓国政府の現状を批判しました。ソウル市のビル屋上などに太陽光パネルを張り巡らすなどしてエネルギー生産都市を目指し年内に原発による発電を一基分減らしたいなどとも述べその考え方、方向性に一貫したヒューマニズムを感じます。

既成政党に対する不信と失望は日本も韓国も同じで既存政治を変えようとするうねりはますます大きくなるだろうとは予測がつきますが、代わりに登場する政治家が真の意味で市民派であり人道的な心根を持つ人物でなければ、民意はすり替えられてしまいます。朴市長が「水があるから船は動くが船を転覆させるのも水」と民意を水に、政治を船に例えて表現していますが、船が転覆する事態になれば下敷きになるのはつねに民衆の中の弱者です。民意の波立ちを冷静に見極め、多数少数の論理ではなく正しいかそうでないかの判断で舵を切る政治家でなければ膠着した既成政党より悪い結果が出ることもあります。


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悪の金太郎あめ
2012/02/01  「南アフリカのモガレ市のスラム街で走り回る子供たち。当たりを覆う黄色い土に異様さが漂う。黄色い土の正体は放射性物質や重金属を含む採掘残土だと言う」朝日新聞の地球異変と言うコラムに書かれていました。採掘されたウランは第二次世界大戦中に連合軍側が原爆を開発したマンハッタン計画に使われたと言います。一昨年南アフリカ政府が放射線量を測ると、年間最大3.89ミリシーベルトの被爆量がありモガレ市に対して住民の避難勧告が出されたのですが、貧しく行き場のないスラムの住人は移住もできずそのままだといいます。

きちっとした対処を取らなければ延々と被害を及ぼし続ける放射能汚染。じわじわと進行するモガレ市の土壌や水の放射能汚染はいずれ大都市ヨハネスブルグの水道にも及ぶと言われています。

近代国家を自認する日本の福島県でも的確な指示と援助や補償が行き渡らなくて、移住するにできない人も多くいます。国土や海をこれだけ汚染し、多くの人の生活をぶちこわし、現在から未来に渡っての大きな損傷を与えておきながら今だ明確に謝罪すらしない政府や東電を始めとする原発推進関係者の無神経には怒りを通り越して怖さを覚えます。なり手のない原発作業員を集めるために暴力団が関与していると新聞に出ていましたが、核と原発問題はどこを切っても悪い面しか出て来ない、悪の金太郎あめみたいなものです。


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もう原発の電気はいらない、、ドイツの話ですが
2012/02/02  ドイツでの電力小売りの自由化は14年前で、各地に発電会社や電力の小売業者が続々と生まれ、電気の供給元の選択肢は地域平均で150社に及び、連邦ネット庁によると2010年には新規事業者と契約する世帯が15%を超えたそうです。22年前に英国で始まった電力の自由化は進んで英国では13年前に地域独占は完全に終わったと。

日本も早く電気を消費者が選んで買えるシステムに移行しなくては電力会社の無謀とも言える会社運営に歯止めがかかりません。関西電力が原発を動かさないと燃料費がかさみ1181億円の赤字だとか言っていますが、原発につぎ込んできた得体の知れない巨額のお金に比べればうろたえるのは浅はかすぎます。

10兆円とも、もっとかかるとも言われている福島原発事故の処理経費。先日福島県南相馬市がゼネコンに発注した市内の除染費用が400億と発表されましたが、他の広大な地域の除染と被災者の補償、健康被害の予防と被爆の監視、今後の追跡調査などを考えれば火力の燃料費どころではありません。電気料金を上げるだとか、赤字だとか情けないプロパガンダはもういい加減にしなくては、我慢強い国民も堪忍袋の緒が切れます。そもそも事故を起こした加害者、東電が被害者である国民に対して自分たちの不始末の損益を電気料金に上乗せするなど、誰が考えても通用しない話です。

もし100%再生可能エネルギーを売りにするような会社があって、自由に電力会社を選べる日本であったなら、たとえ当初少々高くともそちらの電力会社から買う人は今でも多いのではないでしょうか。「もう原発の電気は要りません」とドイツ国民のように言えるための仕組みを日本でもつくらないとますます時代遅れの国になります。


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自然エネルギーへ
今や自然エネルギーを有効に使えるだけの科学力があります。原発を完全に無くし、
化石燃料をなるだけ減らして行くことが未来に対する人類共通の責任です。

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