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2024


10 num1神無月/10/October

 

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未知への歩み
2010/10/12  空を見て雲を見て、じっと空の向こうを見ていると弱った視力が回復するような気がします。のどかな田園をぼやっと眺めて小鳥や虫たちの声に耳をすませば疲れた心がやわらぎます。ついつい忘れがちだけど自然の治癒力は奥深くやさしいものです。心細い山道で勇気をくれた月明かりと星のきらめき。ひとたび異変が起これば人間の無力さをいやと言うほど思い知らされる恐ろしい面もあるけれど、自然の根底に流れるのは調和へ向かう限りなき歩みとやさしさへの大いなるジレンマだと思うのです。


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UFOとUSO
2010/10/13  秋、空気がきりっとしてきました。空がきれいです。ある時友人が「昨夜UFOを見たよ」と真顔で言うので「どこで?」と聞いたら「家の物干場」との事。「あまりに身近に見たので我が目を疑ったよ」「それはすごい!」話が盛り上がってUFO談義をさんざんしたあげくの沈黙。2人で空を見上げているとぽつりと一言。「あれは隣の夫婦喧嘩でおばさんが投げた鍋だったんだよ」「えっ?」と大笑い。確認されればUFOではないけれど窓から鍋が飛び出すなどと言う事も異常ではあります。

面白い嘘。何事も本音に越した事はないけれど、時によって嘘は会話のエッセンスとなります。と言っても嘘にもいろいろあります。格好をつけてつい口から出てしまった後味の悪い嘘。相手を気遣うゆえの嘘、人を楽しませるための嘘、ユーモア、ジョーク、ウィット。使い方は微妙ですが気の利いた嘘は心がほぐれる場合も多々あります。もちろん悪意のある嘘は最低ですし、自らを守り過ぎたり見栄からの嘘は虚しいものです。


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大和路と怪物
2010/10/15  秋の匂いが充満する大和路。徹夜明けには少しきついけれど久しぶりの自転車に気分は爽快。現代という同次元にあるけれど奈良の空気はどこか京都より古く、樹木や石仏、家屋から路傍の石にいたるまで時代の奥行きが染み付いているような気さえします。観光客も気づかないようなひっそりとした社寺。自転車ならではの発見が足の疲れを忘れさせてくれます。

裏道、細道、畦道を通るのはなるべく自動車に出会わないため。と言っても車優先の社会では歩行者も自転車もおちおちよそ見も出来ません。国道や県道沿いにひっそりと祀られた交通事故による犠牲のしるしに気づく事もなく行き交う車が野蛮な怪物に見えます。怪物の近寄れない静かなお寺の境内でもの想う秋のひと時です。

やる事無限大
2010/10/16  でも出来る事無限小。A hard day's night.ぐったりした夜でも思いがぐるぐる駆け巡ります。もっと本を読みたい。もっと映画を観たい。もっと旅がしたい。もっと人と会いたい。「せめて手紙ぐらい書かなくては、、、」どうしても手書きでないと伝わらないものもあります。手書き、手描き、手作り、時間はかかるけど伝わるものはその分あります。

短縮出来ないもの、効率で犠牲になるもの、ディズニーのアニメーションの今昔を見ても明らかだけど美と精神は思い悩む時間と表現の苦労に宿ります。生きるための仕事をこなすだけでも相当難儀だけど何故に生きているかを忘れてしまっては元も個もありません。A hard night's day.ぐったりした昼でも思いはぐるぐる駆け巡ります。


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合縁奇縁
2010/10/22  今日は母の七回忌。2.3年飛んでいるのではないかと思うほど早い時の流れです。線香の煙の向こうに亡き母と父の顔を思い浮かべながら手を合わせました。父はもう没後45年。それでも仮想スクリーンの左に父、右に母と同じ次元に顔が浮かんでほっとしました。寺の境内は人もまばらで「幸二郎」と誰かが勝手に名付けた虎猫がベンチでのんびり居眠り。

本堂から聞こえる読経が子守唄なのでしょう。犬がいて、猫がいて、故人を偲ぶ人がいて。とりとめもなく「ゆっくりがいいな」と幸二郎を見ながら思います。今日は娘の誕生日。おばあちゃんを慕っていた娘だから不思議でもないけれど同じ月日に仲のよかった2人の生と死があるなんて僕にはちょっとロマンチックに思えます。


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知的生命体
2010/10/23  イギリスの物理学者ホーキング博士は「自発的な創造こそが、無ではなく何かが存在し、宇宙が存在し、われわれが存在する理由である」と述べて宇宙創造の深遠なる営みを重力の存在を核心にして説いています。ひも理論にM理論。荷物のひもさえ解けない僕にはチンプンカンプンだけれど宇宙には想像もつかない未知の物質や世界が無限にあって、人類の科学が把握、推測できているのはそのごくごく一部だと言う事ぐらいは分かります。

限定された小さな太陽系さえ自由に航行できるのはまだ先の話。スタートレックのような世界が実現できればせめてこの地上での戦争や紛争はなくなるのだろうかと思いにふけります。ホーキング博士がCNNのインタビュー「地球以外に知的生命体は存在すると思われますか?」の問いに「それよりこの地球に知的生命体などいるのでしょうか」と冗談で語っていましたが、いつまでも懲りずに戦争や暴力的な行為を繰り返すようでは確かに知的生命体とは言えないかも知れません。


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寒空とぜんざい
2010/10/25  あの強烈な暑さは何だったのだろうと思うほどの急降下。暖かいコーヒーでも飲もうと寒空の街を歩いていると重い足取りのおばあさんが前を歩いています。引きずるように歩く姿に、急に寒くなって足腰が痛いんだろうなと思いつつ追いこして喫茶店へ入りました。店頭にぜんざい500円と書かれたボードがあって心が動いたけど予定通りコーヒーを注文。さっきのおばあさんに声をかけてぜんざいをごちそうすればよかったかなと後悔しながらコーヒーをすすっているとそのおばあさんが入って来ました。

テーブル2つ横に座ったおばあさんはウェイトレスに「ぜんざいをちょうだい」と一言。迷いない注文はきっとあのボードのせいでしょう。ぜんざいが運ばれて来ると、おぼつかない足取りとは打って変わって確かな手元で箸が動きます。よく見ればきちっと化粧のゆきとどいた凛々しいおばあさんです。一箸、二箸。時折手を休めてどこか遠くに思いを馳せているような表情です。子供の頃のぜんざいの味。恋人と2人で食べたぜんざいの味。幾度となく子供に作ったぜんざいの味を思い出しているようにも見えます。寒空とぜんざい。甘くて暖かいぜんざいのお椀はおばあさんにとって小さなタイムマシンかも知れません。


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それぞれの思惑
2010/10/26  ほんのひと月前友人に「今度の仕事はしばらく続けるよ」と言って新しい会社へ勤めたものの、職場環境のあまりの理不尽に意見して結局退社。仕事を辞めて行くあてもなく友人に電話して一献。「急に呼び出して悪いな」と言うと「いや今日は僕も少し話したかったんだ」と友人。「仕事で何かあったのか」と僕が聞くと友人は「まあね」と意味深。さっそく「今度の仕事はしばらく続けるつもりだったんだけど、実は今日辞めて来たんだ」と打ち明けると「ほんとか?実は僕も今日会社を辞めて来たんだ」「これからどうしようかと思って机を整理してた時の電話だったんだよ」「な〜んだそうだったのか」と2人して大笑い。

「それにしてもこれは偶然と言うには出来過ぎだね」お互い相手に会社を辞めたいきさつとこれからの相談をしようと思っていた気持ちが吹っ飛んでしまいました。これは20代の時のエピソードですが、それぞれの思惑。悩みも挫折も自分だけではありません。

その後も自分が追い込まれて友人に相談しようと思って会ったら、相手の方がもっと深刻で結局自分の悩みは言い出せずに相手を励ますに終始した事も幾度もあります。きっとその逆もあったに違いないです。人間は、ついつい自分だけの事を思いがちですが、自分に起こる事は相手にだって起こりえるのだからなるだけ想像力を働かせて客観的に考えないといけないなと思うのです。


伝統に育つ若い目と芽
2010/10/29  京都伝統工芸大学の作品発表会。知人が学んでいるので訪ねて見ました。陶芸、木彫、仏像彫刻、蒔絵、木工、漆工芸、竹、石、和紙・・・美術館や展覧会で日本の伝統美にふれる機会は時々あるけれど制作現場や工程を目にする事はほとんどなかったので学生の説明と実技を見て感心するやら、驚くやら。制作過程や細部の技術を熱心に説明する学生の目が澄んでいてうれしくなったけど、やっぱり物づくりする姿はいいものです。教室や工房に漂う匂い。木の匂い、漆の匂い、土の匂い、和紙の匂い。遠い記憶がよみがえるような日本の匂いです。学生の作務衣がまぶしい一日でした。


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寒暖の差
2010/10/31  いつもの事ながらあっという間の一ヶ月。寒暖の差も激しかったけど心の起伏も大きかった10月です。カレンダーに目をやると過ぎ去った数字が累をなしているけど、数字と比例して何かを積み上げれたかと言うと疑問符が付きます。晴れた日、雨の日。土砂降りの日もあれば澱んだグレーの日もあります。少しのんびりしなくてはと言う体の命令と、緊張を解いてはいけないと言う頭の命令が心の中でもつれる時も再三で葛藤と呼ぶにはおこがましいけれど、それなりの悩ましい日々が続きます。今日は夕刻から強い雨。疲れも記憶もそう簡単に水に流せるものではないけど心のお天気は自分次第です。


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自然エネルギーへ
今や自然エネルギーを有効に使えるだけの科学力があります。原発を完全に無くし、
化石燃料をなるだけ減らして行くことが未来に対する人類共通の責任です。

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